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幼なじみ

大幅に編集しました(笑)

ソル

「博士…2人だけで話しをしませんか?」


アリーシャがカークからオーガスカッシュを受け取ったのと同時に、ソルは博士の腕を捕まえて立ち上がった。


アウゼン

「ンフフ~ 奥手のソル隊長が初めて強引に… なんかドキドキするねぇ~♪」


博士の言葉の直後にグラスの割れる音がした…アリーシャが持っていたグラスは、取っ手が握り潰されて床に転がる。


カーク

「……マジでヤバいッス…どうしよう…ニックさん」


ニック

「え…? ど…どうしようって言ったって」


2人は顔を見合わせてアリーシャを見る。

カークは、顔を下に向けて無言になっているアリーシャを覗き込む。

前髪で隠れているため表情は分からなかったが…隣にいて悪寒を感じるほど体中から殺気を出している事は肌で感じていた。


ソル

「…では行きましょう。博士」


アウゼン

「はいは~い♪ んじゃ皆さん♪ チョッチ待っててねぇ~」


強引にソルは博士を連れ出して部屋から出て行く。

半笑いをしながらソル達に手を振るカークとニックにアリーシャが睨みつけた。


アリーシャ

「お前達…何が可笑しいんだ? あ?」


カーク

「いえ…何も可笑しくありません!そうですよね? ニックさん!」


ニック

「は…はいっ!」


2人は椅子に座りながら、背筋を伸ばしてアリーシャの答えに応じた。

 


一方、アウゼン博士を部屋から連れ出したソルは、客がいない部屋へと入った。

博士は部屋に入ると、無邪気にソルの腕に抱きつき顔をうずめてくる。


アウゼン

「ん~ 2人っきりなんて… ソル兄ぃも大胆♪」


抱きついてきた博士の腕を振り払い、怒り気味にソルは話した。


ソル

「いい加減にしろ! アーシャ…一体どういうつもりだ?」


アウゼン

「どうって…事実を言ったまでじゃない?」


ソル

「…俺は、お前と結婚する気は無いと前に言ったはずだがな」 


少しむくれながら博士は答える。


アウゼン

「なんでさー 小さい頃、約束したじゃん。ソル兄が一生守ってくれるって」


ソルは溜め息をつくと部屋の椅子に座った。

博士もソルの隣の椅子に座る。


ソル

「アーシャ…お前は俺にとって妹のような存在だ。そんなお前と一緒にはなれない…これは何度も言ったはずだ」


うつむきながら博士は答える。


アウゼン

「知らない……忘れたよ。そんな事」


ソル

「それに俺は魔導騎士団の小隊長だ。エルフとの戦争が始まったら、国や民のために最前線で戦わねばならん…俺が戦死する可能性が無いわけではない」


語気を強めたソルの話を聞いて、博士はさらにうつむいた。


アウゼン

「…戦死なんて…冗談でも言わないでよ」


ソル

「冗談?…俺は起こりうる事を言ったにすぎない。戦争をする以上、俺だけが死を逃れる事など出来ないだろう?」


無言で聞いていた博士は呟いた


アウゼン

「やっぱり…私が魔導人形なんか作ったから」


ソル 

「…? アーシャ…何を言っている」


アウゼン

「ソル兄 アタシが魔導院を辞めた理由は知ってる?」


真剣な眼差しで博士はソルを見てきた。


ソル

「魔導院のやり方が気にいらなかった、と聞いているが?」


博士は椅子から立ち上がり、ソルに背を向けて話した。


アウゼン

「違う…本当はそうじゃない。アイツらは…ソル兄を馬鹿にしてたんだ。魔力が無い人間が騎士になれるハズが無い…たとえ騎士になったとしても、足手まといになるだけだってね」


ソル

「……」


アウゼン

「魔法が使えないからどうだって言うのよ…ソル兄は、それでも必死に努力をしていたのに。アイツらはソル兄を鼻で笑っていたんだよ」


ソル

「アーシャ…」


アウゼン

「私はソル兄が家族のために一生懸命、頑張っていたのを知ってる。アタシは誰よりも近くでソル兄が、その事で苦しんでいたのを知ってる…だから…アタシは魔導院の奴らが許せなかった!」



ソルは震える博士の肩に手を置いて話した。


ソル

「アーシャ…そのために魔導院を辞めたのか」


アウゼン

「うん…それからオヤジと一緒に魔導人形の開発に没頭したんだ。アイツらを見返してやりたい一心でね。でも、それが間違っていたんだよね…」


ソル

「……?」


アウゼン

「魔導人形はソル兄のために作ったものなのに…戦争が起きたらソル兄を死なせる物だった事に、アタシは気づいてなかったんだ」


博士はソルに抱きついてきた。


アウゼン

「ソル兄さん……ごめんなさい」


ソル

「アーシャ…魔導人形は人間の希望だ。英雄達…聖騎士マルクがいない今、人間がエルフに対抗するには魔導人形しかない。お前の発明は、この世界の人間を救ったんだ。決して間違いではない」


博士はソルの両腕を掴んできた。


アウゼン

「違うよ…そうじゃない…アタシはソル兄に死んで欲しくない。…だから…お願いだから…死ぬなんて言わないで」


博士は震える声で話した。

ソルは博士を抱きしめ耳元で囁く。


ソル

「…分かった。お前を残して俺は死なない…これは約束だ」


アウゼン

「ホント? 約束…だよ」


ソルが頷くと博士は力一杯抱きしめてきた。


自分の胸で泣く博士の頭を撫でながら、ソルは決意を固める。

これから起こるエルフとの戦争で王国を守り、必ず生きて帰ってくる事を。

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