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華姫奇譚  作者: 葛籠屋 九十九
第2章不死殺し編
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第32.5幕 桜花と月奈

将鷹達に言われるがままに儂は月奈と合流した。

流石華姫最強の一角と呼ばれるだけあって月奈は楽々と人間モドキ達を屠っていく。

神殺しの槍も恐ろしいのだが真に恐ろしいのは躊躇いの無さと速さの中にある的確さだ。

的確に相手の急所を狙って槍で一撃を加えさらに次の獲物に目を向け槍を引き抜く頃には獲物に刺せるような動きをしている


「あっ、桜花さん手伝いに来てくれたんですか?」

「将鷹に言われてな。トドメはさせないが足止め程度はさせてもらう」

「ならその足止めしてる奴をオレが燃やしてやるよ」


月奈の肩に乗っていた白狐様がそう言って儂の頭の上へと乗っかる。

羽毛の様に軽くもふもふとした毛がこそばゆい。


「では頼みます」

「華姫の重鎮の力見せてもらおうじゃねぇか」


神様が上に乗っかっていらっしゃると思うと少しやる気が出るというものだ。前方から迫ってくる人間モドキ一体を掴み集団となっている所へ投げ飛ばす


「流石だな。ボーリングってゲームならストライクってやつだ」

「ボーリングは多少心得ております故」


仕事の付き合いで久野宮やら他の奴らと行くうちにボーリングは上手くなってしまった。まぁ菜津と行く時にお父さんかっこいいと言われる様になると考えればこれもまた良い事だ


「おっと、関心してる場合じゃねぇな」


さっき投げた人間モドキから青白い炎が吹き出し、周りの人間モドキ諸共灰へと変えていく。しかし奇妙だ。普通の人間モドキならば燃やしたからといってこのような何かが溶けたような異臭はしないはずだ。元人間を焼いているのだ、独特な気分の悪くなるような臭いがするはずなのだが・・・いやまぁ今の臭いも酷いのだが


「月奈、この人間モドキおかしいと思わんか?」

「何がですか?」

「焼けたというのに人の焼ける臭いがしない」

「あー私火葬場行ったことないんで分からないです。ただ、プラスチックとかそういう感じの臭いはしますね」

「それだ!そうかそうか、プラスチック・・・いや待てよそうなると儂らはプラスチックの塊と戦っているという事になるのか?」

「どうなんでしょうね。私からすれば原材料が人間であれプラスチックであれ華姫に向かって悪さしようっていうなら平等に屠りますよ。・・・っ!桜花さん!白狐!ここの人間モドキを頼みます!」


月奈はそう言うと血相を変え儂に有無を言わさず走り去って行った。あの方角は高台か


「どうやら童に何かあったみたいだな。アイツの優先順位がよく分からんな」

「友達思いのいい子なので仕方ありませんよ」


しかしまぁ老体を独り放っておくのはどうかと思うがな

こちらには神様が着いているとはいえこの数は少々骨が折れるか。二重の意味で


あまり投げすぎると疲労骨折してしまうからな・・・

程々に頑張って後はどうとでもなるだろう。老いぼれの勘がそう言っている

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