31話!
「クレブリア、昨日はよく眠れたかい?」
なぜか面白そうに笑ってゴーディルがそう言った。それを聞いたクレブリアは少しそっぽを向き「まぁまぁよ」と冷たい感じに言った。冷たい感じなのは言葉であって、尻尾が少し揺れているのが見える。何かあったのだろうか。
「さぁ全員揃ってるかしら?」
クレブリアが全員を見渡しながら声を張る。ゴーディルが「ウチはいるぜ」と手をあげて言った。一応僕も「僕たちも全員いる」と手をあげて言った。
「大丈夫ね……じゃあ出発するわよ、でも」
そこでクレブリアが言葉をきって声を一層、張った。
「ここからは浮ついた気持ちはなしよ、相手はゴースト、気合を入れなさい!」
それぞれが前に乗ってきた馬車に入り始める。
「クレブリア、ちょっといいかい?」
乗り込もうとしていたクレブリアにゴーディルが声をかける。
「ここからどれくらいで着くんだい?」
「……昼前くらいには」
「そうかい……なかなかじれったいねぇ」
「ゴーストのいるところの村の人はもう避難済みよ、だから今の所、人に被害は出ないわ」
「あぁ、それでもな……ドサバについたらすぐ動けるんだな?」
「えぇ、ギルドに寄るけど」
「あぁいいさ」
ゴーディルがニヤリと笑って言った。
「助けるぜ、絶対にだ……頼むぜ、参謀、俺をうまく使ってくれ」
その言葉にクレブリアはクスリと笑って返す。
「当り前よ、私にその力を預けなさい……あなたよりうまくあなたの力を使ってあげるわ」
そうして、ゴーディルは自分の馬車の方に戻ってくる。なんだか信頼関係が構築されているような気がする。そんなに仲が良い印象なかったけど。
「また馬車ですかぁ」
馬車に乗るとセルカが不満そうに言った。
「今からは昼までだから大丈夫よ」
「じゃあ昼までに気持ち作ります」
セルカが親指を立ててそう言う。クレブリアが「そうして」と言ってから馬車を操作している人に出発をお願いした。ギシギシと馬車が動き始める。
「着いたら臨戦態勢にならないとなんだぁ」
「そうね……なんだか旅として終わらせちゃいたい気分よね」
「そうそう!」
「そうですね!」
僕とセルカが同時に声をあげた。
「旅で終わらせたいけど、困ってる人を助けたいぞ」
ヴェールの言葉にヴェール以外の四人が頷いた。
「困ってる人がいるってだけで気持ちなんてすぐできるね」
いつの間にか僕達の表情はいい顔になってた。
1回目!




