17話!
装備を購入したあと僕は宿屋へ戻ってきた。みんなそれぞれ当分戻ってくれないかもしれないから自由時間にしようと言う事だ。
「みんないいなぁ……そういうところがあって」
僕はなじみの場所がない。しばらく街に戻ってこれないかもしれないから顔を出しに行くなんてみんなオシャレだ。まだセルカとクレブリアはわかる。この街に出入りするようになって結構長いだろう。でもヴェールこの街には少し前に来たばかりだ。
「そういうところ?」
ネピアがそう聞き返した。
「しばらく街に戻れないかもって時に顔を出しに行く様な場所だよ」
「そう」
すでに興味がなさそうなネピアはそれだけ言って黙ってしまった。そうだよなぁ。馴染みの場所なんかネピアは興味ないよなぁ。僕は前から気になっていた所を思い浮かべる。まだ日本にいた頃、バーに憧れた。結局行く事はなかったけど、常連になってみたい。この街にバーはあるのかな。
「やっぱり出かけようかな」
「行く?」
「でも行ってもなぁ、外に出るのがちょっと面倒になってきた」
「そうやって引きこもりになっていく」
ネピアはグサリと弱点をつきてきた。僕はちょっと傷つきながら自分の中で言い訳を始める。村の人が大変な時に遊びに行くなんて不謹慎だと思っていた。
「ふ……不謹慎だぁ」
ジッとネピアが僕を見つめてきた。なんだか悪い事をしているような気がして僕は目をそらした。
「ゴーストに狙われそう」
「え?」
「エルってゴーストに狙われそう」
「あぁ……まぁ」
言われて否定できないのがちょっと悲しいけど、確かにそんな感じがする。僕は心が弱い。ある程度は強くなって自信がついてマシになったけどそれでもやっぱり。
「はぁ」
「……ごめんなさい、言い過ぎた」
「いや……本当の事だから」
僕は驚いていた。落ち込んでたのが吹っ飛ぶくらい。ネピアが言い過ぎたと謝ったからだ。相手の気持ちをちゃんと考えている。
「今度は笑顔?」
「え? あぁ」
「落ち込んだり笑顔になったりよくわからない」
「そっか、でも近いうちにわかるようになるよ……きっと」
不思議そうに首を傾げるネピア。なんか今日は気分がいい。僕は伸びをしてからベッドに倒れ込む。
「もう寝る?」
「寝転んだだけだよ」
夜ご飯も食べていないし、まだ夕方だ。明日からに備えて早く寝て体を休めたほうがいいだろうけど、まだ早いかなと思う。移動にどれくらいかかるんだろう。そんな事を考えているといつの間にか意識が途切れていた。
1回目!




