25話!
売られていなかった。確定ではないけどよかった。窃盗団から奪い返したほうが簡単だ。
「それでヴェールはまだ動けるかしら?」
「まだ行けるぞ」
「じゃあ行く途中に石切場っていう山が削り取られてる様な場所があったと思うけど、わかる?」
少し沈黙があってヴェールからの返事がある。
「あった気がする」
「まずその石切場のところまで戻って、そこから石切場を背にして道をそれて……その先に窃盗団のアジトがあるはずよ」
「アジト!」
ヴェールの声が少し緊張したような気がした。
「そのアジトを偵察してほしいのよ、人数とか装備とか」
「わかったぞ!」
「無理しちゃダメよ」
「分かってる!」
それだけ言うとヴェールは通信を切ったらしく何も聞こえなくなった。
「私たちも行くわよ」
クレブリアの声と共に僕達は北門を出る。
「でもさ」
クレブリアがいるから走っていく事はできないため、少し走ってる様な状態で進む。そんななか僕が疑問に思ってた事を口に出した。
「ネピアはなんで自力で脱出しなかったんだろう、連れ去られた時、姿現して自分で杖を取り戻せたよね」
「確かにそうですね」
「魔法石を無効化する魔法かもしれないわ」
クレブリアがずばり言うとセルカがなるほどという顔で「確かに」と言う。でもネピアは不滅魔法兵を参考にしたと言っただけ。たぶんそういう物じゃないと思う。
「エルさん、どうしたんですか?」
「あっいや、なんでも」
僕達は仮アジトエリアへ向って行く。
街道を進み、石切場のところまでくる。
「ヴェールはもうついてるのかな」
「ついてるならスゴイですね」
「魔力を身につけた時が怖いね」
どれだけ凄いんだよって感じだ。僕とセルカがすこし笑う。そんな中でクレブリアを見るとハァハァと息があがり、今にも座り込んでしまいそうだった。
「大丈夫ですか?」
「えぇ大丈夫」
少しスピードが早すぎただろうか。どのみちヴェールの連絡をまたないといけない。でなきゃ先に行かせた意味がない。
「セレンで盗みが増えてるって話あったけど、あれって窃盗団の仕業かな」
「多分そうよ」
だいぶ回復してきたクレブリアが言う。そうだよね。ヴェール一人で噂になるほど盗みができるわけ無い。
「聞こえるか」
突如、ヴェールの声が聞こえた。偵察が終わったらしい。
「今、窃盗団のアジト辺りにいるのかしら?」
「おう、バッチリ、人数と装備確認したぞ」
1回目!




