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俺を返せ!!  作者: 伊崎詩音
変化の先の日常
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おつかい

検査入院も終え、特に異常もないが捻挫と打撲があるのでしばらく激しい運動は控えるように、と言われた結果桜の過保護が発動して残り5日の登校日を丸々休養に当てられることになり、悠は周りよりも一足早い夏休みとなることになった


「うーん、『武器を軽くする』かー」


そんな思いもよらない休日を、悠はダラダラとベッドの上で相談した相手から言われた言葉を反復していた


こちらの事情を知っている数少ない相手で、女性。一応の同性なので正直、相談するなら郁斗よりも相談しやすく、そして為になる助言などをくれる相手だった


「そんなこと、自分じゃ考えもつかなかったなぁ」


そんな彼女が何の気なしに言ったのは『身体が前みたいに動かせないのは仕方ないとして、武器が重いなら軽くすれば良いんじゃないの?』というものだった


確かにそれは道理だ。重いなら軽くしてしまえば良い

重いから振り回せないのなら、重さを減らして今の自分に最適化した重さの武器を持てばいいのだ


自分の知らない内に自分はこうなんだ、と枠組みを作ってしまい、自分の思考の幅を狭めてしまっていたことに気が付いた悠はそのことについて折角の療養と言う名の休みなのだから考え抜いてみることにした


「軽くするって言うと材質?いやでもそれだと強度ないしなぁ。間違いなく木刀が主体になるだろうけど樫系じゃないととてもじゃないけど打ち合いなんて出来ないし……」


ただ、樫の木は重い。材料をそのままに軽くするのなら武器とする木刀の刀身を短くするしかない

材料を変えれば今度は木刀が悠の技術や打ち合いそのものに耐え切れずにあっという間に折れてしまうだろう


しかし、武器を短くするというのはリーチを短くするということで、これは戦うという事柄においてとても重要なことなのだ

圧倒的にリーチに勝る槍と刀が戦う場合、刀は槍の三倍以上の実力が無いと勝てないと言われている程戦いにおいてリーチの長さと言うのはモノを言ってしまうものなのである


「うーん、こればっかりは試行錯誤なのかなぁ。こんなんじゃ勝つのなんて一体何時になることやら」


技術も体格も力も劣っているのにリーチを削るのは如何なものなのか、そんな答えの浮かばない押し問答を続けていると、その内考えるのが面倒になってとりあえずやってみる、と言う結論に至る


元々こうやってごちゃごちゃと考えることは苦手な悠は頭をスッキリさせようと道場へと足を運ぼうと起き上がり、部屋を出た


「あら、悠ちゃんやっと起きたの?」


軋む階段をトトトと軽やかに駆け下り、これまた古めかしい障子戸を開けて居間に入ると桜が朝食の片づけをしているところだった


やっと、と言われたので悠は時計を見ると時刻は9時前。いつもは7時には起きて、とっくの昔に郁斗と一緒に登校し、授業を受けているところだろう


それでも、一般的な高校生の休日にしてはそれなりに早い時間に起床はしているのだが


「ちょっと考え事してた。ちょっと道場行ってくるね」


「ダメよ、捻挫してるのに激しい運動したら悪化させるわ。それより朝ごはん食べちゃいなさい、せっかく作ったのにどんどん冷めちゃうもの」


とにかく、今は頭の中に燻るモヤモヤを解消すべく、身体を動かすために道場に向かう旨を伝えるとそれはもうペシャリと道場へ行くのを禁じ、それよりも朝食を食べるように勧めてきた


しかも、言っていることは至極真っ当であり、反論の余地もない


「……はーい」


たった一言で何も言い返せなくなった悠は渋々と頷き、台所にあるはずの自分の分の朝食を取りに向かった



企画の件ですが、無事ご了承いただきまして現在鋭意進行中でございます


コラボ先は知ってる人も多いかと思いますが、あけちともあき様の『ダチが女になりまして。』になります



しっかりと練っていますのでお楽しみにしていただけると

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