猫は異世界を探索します。
カラス達に小山の事を話すと、カラス達も大騒ぎし出す。
「で、そういった条件の所があれば教えて欲しい」
「ん〜知らないな〜山の中は決まった所しか入んないし、見つけたら教えるよ」
カラス達に頼み事として、俺はダンジョンの外を目指す。
ミミに事情を話し、俺のダミーを置いて誤魔化してもらう。ありがたいことに俺は猫だ。寝ていても気づかれない。餌は俺の分はダミーの中に隠してもらう。猫使用なのか謎の機能が付いている。
ダミーもダンジョンの『買い物ボード』で売っていた。
『一階層入り口』にやって来た。ここから階段になっている。上がっていくと森の中だった。
探知系感知系をフルに発動し情報を仕入れる。
「あれ?何でこんな所に」
ヒットしたのは、何故か兄弟の気配だった。【隠密機能】を発動しながら近づく。
【隠密機能】は【気配遮断】や【忍び足】をカンストしたら、いつの間にか纏められていた。
いつ纏められたかは知らない。猫なので細かいことは気にならないのだ。
向かった先には小さな集落があった。集落には猫がいる。ってか猫しか居ない。
【隠密機能】を解除して近づくと、警備していたと思われる猫が気が付く。
「お前も連れて来られた奴か?」
連れて来られた奴?もしかして
「頭の中でお昼寝できるところ〜とか言ってたこと?」
「おう、それそれ。あれは嘘だったんだ。騙されたんだぞ俺たち!とりあえず扉開けるから入ってこいよ」
警戒心がないのか、猫だからか、すんなりと入れてくれた。
村の広さはさほど大きくはなく塀も所々壊されており、簡易てきに塞いであるだけの粗末な外壁だった。
「ひどいんだぜ、お昼寝する時間無いし、ごはんは自分たちで探して取らないといけないんだぜ。にゃ〜って鳴けば人間がくれると思ってたのに」
「この村は自分たちで作ったの?」
「人間達が作った塀に入れられた。初め来た時、変な格好した人間のメスに【擬人化】のスキルってものもらったから、頑張って雨で濡れないように人間みたいに作った」
余りにもお粗末な作りで、殆どが穴を掘ってその中で暮らしている様だ。
「もっといっぱい来たと思うけど、ここに居るだけ?」
「もっといた。でも大きな奴らに食われてたりしてこれだけ、人間達が失敗って言って俺たちだけここに残された」
下を向いてしょげた顔をして耳を下げて答える。
「こんなの出せる?」
スキルボードを出してみる。
「ここに来てからみんな邪魔なこれがよく出る。叩くと消えるけど、ここ押すと消えるのが分かって、皆んなここを押してる」
示したのは【ポイントを貯めておく】だった。
文字が読めない猫に【自動選択】出来なくしてどうすんのさ!この猫さん、初めのうち、分からず“てしてし”していたせいか【毛繕い】と【おもちゃ遊び】がレベル8になってるじゃないか。
「どんな感じに強くなりたい?」
「?どんな感じって?」
「ん〜どんなことが出来る様になりたい?」
「え〜と、危ない感じがもっと分かる様になりたい。もう騙されたくないし、ココ危ないんだもん」
ポイントがまだ結構あったので【直感LV.3】と【危機察知LV.4】まで上げておいた。
「あれ!なんか変わった!凄いぞ!凄いぞ!他の奴らも出来るか?」
どうやら、感覚が鮮明になったのか『直感』が働いたのか、実感したようだ。
「出来る猫と出来ない猫がいるけど、出来るようにする方法があるから任せて」
そう言うと、サバ白ハチワレの猫さん、仲間を呼んでくると言って俺を置いて走っていく。
「にーたん!?」
しばらくして、呼んできた村の猫たちの中に弟がいた。
初めに里子に出された一匹だった。俺を見てにゃ〜にゃ〜と泣いていた。
よしよしと頭をなぜてやった。どうやら俺がお別れするまでに行った設定で生き延びていたようだ。
「早速だけと、強くするのもそうだけど、ここのこと詳しく聞きたい」
集まった猫達に尋ねる。
▶︎呼ばれて行ったら変な格好した人間のメスに【擬人化】のスキル渡される。
▶︎人間のメスに『黒い変なモノ』やっつけるように言われた。
▶︎人間のオス達にここに連れてこらられて、おっきな怖い奴やっつける様に言われた。
▶︎やっつける事が出来なくて、人間達は自分達置いてどっか行っちゃった。
「今はご飯はどうしてるの?」
「近くの穴の中から出てくる、でっかいネズミがいるから、やっつけると肉になる」
「中は入んないの?」
「初めは強い猫は入ってた。でも中にもっと強やついて、たくさん仲間やられた。今は周りにおっきな怖い奴が外にいっぱいだから、おっきい奴同士が争って、死んだ奴の肉をこっそり取りに行く」
周りにおっきな怖い奴たちはこの村を襲うらしく、その都度皆んな散らばって逃げている。
逃げるしか出来ない猫達は、産まれた赤ん坊はみんなが一匹づつ咥えて逃げているが、お腹が大きい母猫は、運よく見つからない様に、土を深く掘った中で息を潜めている事しか出来ない。
「やっつけて『邪魔なもの』出てきたら触っちゃだめだよ。そのままこっちにおいで」
【神聖魔法】で出した『光玉』を頑張って叩いてもらい、スキルボードが出た子から順番に設定をしていく。
大人も子供達も皆んな“てしてし”している。
終わった猫から肉を取り分け、『調理魔道具』を使って食事をしてもらう。
皆んな擬人化出来るので、『ミニアシスタント』は初めののサポートだけで問題はない。
「にーたんすげー」
「おいし〜ね」
何回か繰り返し行っているうちに、お腹が満たされたのようなので終了する。
漸く落ち着いたので、元いた世界の猫の状況などを含めて話をする。
当時、既に成猫だった者たちの数は少なく、余り興味がなさそうだが、
「向こうも棲家が人間に追い出されそうになっているので、ここの棲家を立派にして、向こうと行き来出来る様にしようと思います。向こうは中のネズミやウサギもや付けて肉を取ってくる猫もいます」
「そんなに強いなら俺たち何をすれば良いんだ?やることないな〜」
それで昼寝ばっかりはダメですよ。喧嘩になりますからね。
「擬人化はここにいる猫しか使えないので、さっきの美味しくなる箱の使い方や、大きい怖いやつをやっつけると出るこのキラキラで便利なものやご飯と交換してほしい」
「ゆっくりお昼寝できないの?」
猫のアイデンティティーなのか、拘る所はそこですよね。
「猫が増えれば交代でゆっくり出来るし、今度からは大きい怖いやつよやっつける様になってくから、もっと楽にごはん集め出来るからビクビクしなくて済むよ」
それを聞いて喜びだす猫達。
「まずは、もっと立派な塀にしてお家を建てよう」
一度帰って他の仲間にも報告が必要だがまず安全な棲家をと思い、こっちでも魔力が泉の様に湧き出てる所を探し出すが、近くでは見つからないが世界が違うからか、自然に貯まっていく感じがした。
場所は今より洞窟近くに移動する。
丁度その方が水脈があったのでどんどん【土魔法LV.10】で解放されたスキル【鉱石魔法】、【鉱石魔法LV.10】で解放されたスキル【大地魔法】を使い、立派な城壁を築く。
更に、【土魔術LV.10】で解放されたスキル【鉱石魔術】、【鉱石魔術LV.10】で解放されたスキル【大地魔術】で破損してもすぐに修復できる様に【魔力貯蔵庫LV.10】で解放されたスキル【魔力貯蔵タンク】のLV.10と【魔力吸収】を【付与】、内側から解除しないかぎり、永遠に修復するので問題ない。
もちろん空からの侵略対策もしてある。が、猫達に説明しても「?」だろうから「安全だ」とだけ伝えておいた。
猫達の住宅もいくつかの住宅の中にタワー型から擬人化用のお家型など、いくつか建てる。足りなければ後で追加すれば問題ない。
猫達はどんどん出来上がっていく度に大盛り上がり。
彼らには今後、子孫達に言葉を言い伝える為に覚えてもらうが猫なので難しいことは出来ないので担当は1、2個の担当だ。
例えば「『調理魔道具』この言葉のモノがうまいごを作ってくれるもの」とかだ。
俺がいなくなっても故障したらコインを集めれば購入できる。魔法も同じ様に、どれを選べば良いとかなど口伝で伝えていく必要がある。
ひとまず、連れ去らせた猫達の生き残りを発見できたのは良かった。
「少し人間がいる辺りを見て来る。1日ぐらいで戻るからね」
伝えると、皆んなでお見送りしてくれた。
初日に探知系感知系をフルに発動し情報を仕入れた時、西と東、南の方角に人の街を幾つか発見した。
この一帯は大森林と言えるほど広大で、ダンジョン周辺にはかなり強いモンスター達が生息しているようだ。
同時に、何か凄い鉱脈を発見したが、猫には必要ないので後回し。森のハズレ辺りから多くの人の気配があったので覗きに行く。
【飛行】LV.10にしたら【高速飛行】が解放され、LV.10にしたら【音速飛行】が解放された。発動には【自動結界】と【衝撃無効】が必要だったが、既にどちらも取得済みなので問題なく【音速飛行】を取得。
音速移動する猫が出来上がり。
で、ダンジョンの11層辺りで使用した時、うっかり鬼みたいなモンスターに体当たりをしてしまったら、体に大穴開けてた。【自動結界】と【衝撃無効】のおかげで俺はなんとも無いけど、自分でも『危険な突撃猫爆誕!』してしまったと、思わず顔をグルーミングした。
話は戻るが、そんなわけで、直ぐに一番近い街のような場所に着くと、【隠密機能】で街中を覗いてみた。
前世でファンタジー系の映画なのでみた事があるような街並み、中世ヨーロッパの様に石造りの頑丈な城壁と密集した街並みだ。
話している言葉は理解できた。
『買い物ボード』の一番下の最後にあった『異世界者限定機能スキル』として【異世界言語取得】があったのでポイントが10だったのあり買っておいた。
初めはゴブリンの言葉が分かるのかっと思ったが、違ったので残念に思っていた。
よく見たらダンジョンで出てくるコインが使われている。
獣人さん人達もいたが、俺らというより人間サイズの大きさだ。文字は読めたが、声を出してみたが誰も通じなかった。どうやら猫の鳴き声に聞こえるようだ。
(冒険者ギルドって書いてあるな、ちょっと覗いてみよう)
中は俺の前世の記憶が(裏切ってない)と喜んでいる。どうやらイメージ通りだったようだ。
しばらく観察しているとミキぐらいの年齢の子供達が入ってきて仕事を受けていた。その後ろに更に小さい人物がいた。
「依頼は終わったぜ!」
とカウンター横に備え付けられた台に上り、袋を置いて受付と話してる。
「お疲れ様です。確認しますね」
「今日は良いもんが取れたから、酒が美味いな」
あれで成人サイズの種族の様だ。種族は分かんないけどファンタジーだな〜。
「あれ以降、グランダスの奴らは原獣人達を連れて来ないな」
「大勢連れてきたけど、レイス系には強いようだが魔獣系はダメだったみたいで、グデデの大森林の奥に置き去りにした様だぜ」
「大量ってことは国か一族全員ってことだろう?なんか、赤ん坊も一緒だったのを見たぜ」
「かわいそうによ〜。どっからか連れて来られて置き去りなんて」
「あの種族は騙されやすいからな〜、きっと騙されて来たんだぜきっと」
俺たちの話のようなのでメモメモ、『グランダス聖王国』『原獣人』『グデデの大森林』っと、『騙されやすい』
飲み屋での雑談とは情報の宝庫ですな(前世情報)。この世界の情報をかなり仕入れる事ができた。
欲しいし情報も入った事だから帰るとしよう。…あ〜そうだ、あそこの名前は何にしよう…。




