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白騎士は黒い狼に恋をする  作者: ユミエリ
第1章 白騎士は黒い狼に恋をする
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閑話 大切な希望と約束

獣化が旨く出来ずに仔犬サイズはでしか変化できなかった時期に、君は俺の側にいたね。

早く会いたいよ。メリア・シルフィナ

早く俺を見つけにおいで


町並みの片隅にある、丘の上の木の側に俺は空を眺めて思いにふけていた。

心地よい気分で、しかし俺の気分を害する輩が現れた。


「本当に、ここなのか?」

「はい、結界の歪みは、ここだと俺のサーチが引っ掛かってますから」

「うむ、では探すぞ。クロードもアイテム型の物を見つけていた。きっとアーティファクトてきな物だ」

「へーい!」


へえ、メリアの父ぎみか。懐かしいな、懐かしさで殺したくなるぜ。

手にナイフを顕現させ、地面に静かに着地をする。気配をたち近づくと背中を刺そうした。┄が!


「ローズの旦那、すんません。」

「なに?」


ローズを避けさせるように横に突き飛ばし

近くにいた男が、俺のナイフを受け止めた。


「へえ。護衛の暗部か? よく俺の気配がわかったな」

「まあ、だてに旦那の護衛してないんでね。それより、誰だ┄あんたは?」

「さあ、俺にも、わからんから┄┄な!」


護衛の男を押しのけたあと、一定の距離感をあけ飛ぶと、護衛の男はスピードを乗せた攻撃を仕掛ける。

護衛の男は俺の攻撃をどうにか、凌ぐが獣の力と人間の力とでは差があるため、護衛の男は力負けで隙ができ、俺はもう一本のナイフを顕現させたのち、護衛の男の腰辺りを刺した。


「┄┄チッ、油断した。旦那! 逃げやすぜ!」


護衛の男は、腰辺りの怪我を我慢してローズの所へ走るが、先ほどのスピードがないと気づき、俺の口許はニヤッと口角が上がり


「逃がさねえよ!」


俺はポツリと呟き、ローズの近くに行く

ローズは近くに来た俺を、護身用ナイフを取り睨みつけ見据えてきた。


「何者だ! お前は!?」

「何者ねえ。俺、あんたとは2度会ってんだけど、忘れてんだ? 酷いね」

「なにを、俺は会ってなど┄┄」

「そっか! 小さかったもんな俺、でもこの傷を見れば、思い出すかい?」


左側の頬から目もと辺りを見せる。

するとローズは驚いた表情をして、目を見開いて。


「まあ、殺しそこねたから、記憶すら残ってなかったのか、あんたそういう奴だもんな!」

「┄┄忘れていた、わけではない。ただ俺は娘にお前が!!」

「ちょっと、味見しただけだ。」

「ふざけるな! 娘にあんな紋章をつけた、貴様は、許せん!!」

「おー、怖い怖い。でも、メリアは俺の物だ。いくらメリア自身が俺を拒否ろうとも、メリアはもらう絶対にな」

「だから、死ねよ。ローズ!!!」


グラッと力を解放し、獣化したのちローズに襲い掛かり脇や腰を爪で切り裂く、そして首もとに噛みつこうとしたときだった。


強い衝撃が俺にぶつかり、ローズから離され飛び俺は回転をし体勢を整えると、ぶつかってきた者を見据え驚いた。


黒い毛並みを艶やかに靡かせて、青い瞳が真っ直ぐ俺を見つめる姿は凛々しく綺麗になっていた。


「久しぶりだな、メリア」

「┄┄┄なんで! お父様にこんな酷い事をするの? ゲイル!!」

「うーん? そうだな、お前を俺から奪った復讐かもな」

「奪ったなんて! 私は誰の物でもない。ゲイルの物でも!!」

「いいや、お前は俺の物になるんだよ、絶対にな!」


あの紋章があるかぎり、お前は俺の物だ。

誰にも、渡さない。俺のつがいはメリアだけだ

必ず奪う、なにもかもな


「ゲイル、なんで?」


哀しそうに俺を見つめるメリアに、俺はなにも言わずに空を駆けていた。


◆◇◆◇◆◇◆◇


私はゲイルと別れた後に、急いで二人を運んだ。

お父様の知り合いの治療院につくと、人間に戻りドアを叩く、何度も┄┄

すると治療院のドアから、医師の弥生やよいさんが現れた


「あら? どうしたんだい、こんな時間に?」

「すみません。実は急を要するのです、お父様とクウガさんが大怪我をして、助けて下さい!!」


弥生さんは私の言葉を聞いて、後方に横たわるお父様とクウガさんをみるなり、呆れながらも私に笑いかけ


「┄あい、わかった。あいつらを助けるよ!」


と言い弥生さんはスタスタとお父様達の近くに行くなり

土属性のゴーレムの縮小版を召喚し


「こいつらを手術室に運びな!」


と命令するとゴーレム達は、ビシッ! 敬礼したのちお父様達を運んで行ってしまう、そのあとを弥生さんも

私もあわてて治療院に入って行った。


それから二時間が経過したころ、騎士の方々が現れました。

赤騎士の隊長のヴェルス・ウォークマン

青騎士の隊長のリュウセイ・コウヤ

黄騎士の隊長のミクライス・レオナルド

白騎士の隊長のシリウス・コード

そして白騎士の副隊長のクロード・キル・ファルナ

他にも四人いますが、今日はこれだけのようです。


でもなんで騎士の方々が、ここに?

と不思議に思い待合室の椅子に座って見ていたら

クロードさんと目があってしまいます。


私はついさっきまクロードさんといたため、少し照れくさくてお辞儀をすると、クロードもお辞儀を返してもらいハニカムとクロードさんが妙に、照れくさそうにしていて

こんな緊急時なのに、照れてしまいました。


「おや! もう来たのかい。あんたたち?」


静かな空間に弥生さんが、騎士の方々に話しかけていました。


「呼び出しといて、それはないだろう?」

「そうだ、僕たち、暇じゃない!」

「まったくだ。重要性がなくば来ないぞ?」

「うんうん」

「それで、なんのようだったんだ?」


五人にそれぞれに言われ、弥生さんは少し困ったように騎士の方々をみたあと


「今回のローズ襲撃に対して、獣の痕跡があってね。結構な重傷なんだが、一応命はとりとめているんだが。一つとてもたちの悪い、毒素があるんだ。だから騎士の方々に取ってきてくれんかと思ってね? 駄目かい?」

「別に俺はいいが? クロードはどうしたらいいと思っている?」

「いいんじゃないか、宰相がいなくなると俺も迷惑だし」

「僕は嫌だ。毒素は気分的に乗れない。こまる、却下」

「私も無理だな、緊急にやらんといかん仕事がある」

「すまない。俺もだ、シリウスには悪いが毒素は黒騎士のあいつで、見たくない関わりたくない!」


「そうか、じゃあ白騎士の二人は大丈夫なんだね」

「なら、ついといで説明するから。あんたたち帰っていいよ!」


弥生さんの言葉で、赤騎士、青騎士、黄騎士は弥生さんにお辞儀をして出ていく

弥生さんは白騎士の隊長のシリウスさんとクロードさんを連れて奥の診察室に行ってしまい

ポツンと私は残されたのでした。


急に静かな空間になってしまい、寂しくなっていたら

ハッ! と気づく、いま弥生さんは毒素とか言ってましたよね? お父様達は危険性のある状態ではないですか?


なにをしているのです。私は茫然と成り行きを見守っているなんて、私らしくないのでは

そう思い診察室にいこうとしたとき、ふとクロードさんの言葉を思い出しました。


『あなたは危機感がないのですか?』


そう言われて、昔にも言われた事があったからドキッとしたな、また動いてクロードさんに怒られたくないと思い大人しく、することにした。

不思議とクロードの言葉は、素直に聞き入れられる

まるで私の希望を叶えくれる、そんな気がした。

手をアンクレットにあてながら


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