45話
シルフィードとレフィーリアは面接する人数を15人に選定してくれていた。
働きたいもの、身寄りがないものも何名かいる。
レフィーリア、ソウマ、シラーはまだ店が出来ていないため、街のカフェで13時から面接することになっている。
準備のため11時と早めに出ていく3人を見送って、私はシャナリーゼとシルフィードと話し合いだ。
というのも、収納ネックレスやテントを商品化しようと思っているのだが、私達が使っている物は私が改良しているせいで市場に出回っているものと違うのだ。
独自に改良したものとして売り出すつもりだが、収納できる量を減らしたりと、販売用に改良している。
他には2つの鏡に魔法をかけて、1つずつ違う人が持つと離れていてもお互いに顔を見て話ができるSk○○eみたいなものや、カメラ機能だけが付いたガーディなども販売する予定だ。
まあ他にも考えているけど、とりあえずはこの4つ。
カフェ部門はガジウスのミルクを使ったデザートとか飲み物とかもメニューに入っていた。
試作品はとても美味しかった。
昼食後にレフィーリアから面接者のイメージが送られてくる。
シルフィードと相談しながら採用者を決めていく。
採用した人達は男女4人ずつで全員住み込み予定だ。
カフェ部門に
フィン(エルフ族の男性)
ハルト(天狗族の男性)
アリア(魔族の女性。アリスの双子の姉)
アリス(魔族の女性。アリアの双子の妹)
小物・服飾部門に
ジーク(魔族の男性)
ニコル(天族の男性)
カレン(妖孤族の女性)
事務員に
ルーシェ(エルフ族の女性)
以上の8人を雇った。
言わずもがな、全員美形だ。
接客業なのでとてもありがたい。
カフェ部門の4人とジークとルーシェは同じ孤児院出身で仲が良い。
ニコル、カレンは契約者に捨てられてしまい、行くところがなく街でホームレスになっていたところをレフィーリアとシルフィードに見出だされた。
8人ともとても真っ直ぐで綺麗な目をしていた。
曲がったこと、約束を破ることが嫌いなタイプだと判断した。
だから採用した。
店が完成し、ワープが可能になったらここに連れてきてもらう予定だ。
従業員も決まり、店が完成した。
皆から許可をもらい、シルフィード、シャナリーゼ、ウォルドの4人で街に来た。
ガウルさん達にお礼を言い、事前に作っておいたワープ装置を取り付ける。
結界内にはワープ用の小屋を作り、店は地下の1室に設置する。
装置を取り付けてワープを通ると、森と店を簡単に往復できるようになっていた!
結界にタマキ、エレイン、ルーナを残し、それ以外の全員で早速ワープを通って家具や商品を店に運んだり、整理をする。
従業員達は明日、入居予定だ。
入居前に従業員用の家具も設置した。
まあベッドとクローゼットと棚くらいだけどね。
あと採用が決まってから制服の採寸もしたので、それも運ぶ。
制服はカフェ部門は執事・メイド服だ。
給仕だしね。
小物・服飾部門と事務員は高級ブランド店みたいなスーツだ。
女性もパンツスタイルにしている。
誰がどの部屋を使うかは本人達で決めてもらう予定なので名前を書いた段ボールを談話室に運ぶ。
色々作業をしているともう夕方になっていた。
今日の作業は終了し、明日以降に従業員達と作業をすることにした。
翌日、10時に8人は店に来る予定なのでレフィーリアとシラーが8人を出迎えに行った。
住む部屋を決めて荷物をおいた後に、2人が事前に説明をしてここに来ることになっている。
とても楽しみだ。
今日の昼食と夕食は人数が多いので野外でバーベキューなどをする予定だ。
11時に2人が8人をつれて帰ってきた。
「おかえりなさいレフィーリア、シラー。そしてはじめましてみなさん。わたしがここのあるじでルミエールともうします。きょうからよろしくおねがいします」
というと全員驚いたように私を見る。
どうしたのかと思っていると、レフィーリアとシラーが苦笑している。
「だから言っただろ。嘘じゃないって」
「この方が私達の主だよ」
と8人に言っている。
どういうことかと聞くと
「ここに来る前に説明をしたんだ。4歳の魔族の女の子が私達の主で事情があって深淵の森で暮らしているって」
「だが本当のことでも信じられないような内容だろ?だから俺達の冗談だと思われてたんだ。雰囲気を和ますための」
「それが本当のことだったから驚いてるって訳さ
レフィーリアとシラーが交互に説明してくれた。
それからは緊張している8人と一緒に昼食を食べた。
食べている内にだんだんと緊張が解けていき、14時頃にはすっかり馴染んでいた。
8人はレフィーリア、ソウマ、シラーと共に店に戻り、店の設備の使い方、仕事内容などの話し合い、それぞれの部屋を片付けなどを行い、夕食を食べに結界に戻ってきた。
休日の月曜日と金曜日はここに来ても良いし、自由にして良いと伝えた。
ただしここに来るには連絡専用のガーディをワープ室の扉に設置しているので事前に連絡するように伝えた。
安全のためにワープ室の扉に鍵を取り付けており、鍵はレフィーリア、ソウマ、シラーの3人しか持っていないのだ。
8人は了承してくれた。
それと給料は最初の3ヶ月は早くに欲しい人もいると思うので、日曜日に1週間毎に渡していくことになった。
とても楽しい夕食だった。
8人はこんなに自由で楽しい夕食は初めてだとある者は泣いて、ある者は笑って楽しんでいた。
実際に会ってみて、8人の人となりを知れて良かったと思う。
良い人達で良かった!
そしてとうとう開店日。
全員が緊張していたが順調にお客様が来店してくれており、上々の走り出しだった。
カフェは安めの料金設定で、服飾はすべて1点物のためちょっと高め。
小物は妥当な金額設定にしていたのだが、お客様が全員安いと言って喜んでくれていた。
売り上げも両店舗合わせて80万φと大成功だった。
その後もずっと店は繁盛した。
従業員達もイキイキと働いてくれて、とても助かっている。
今後もよろしくお願いします!
それからの数百年は結界内で皆に守られ、指導してもらい、時々閉店後の店を訪れて、毎日平和に過ごした。
約束通り12歳の時に家族がどうなったのかを教えて貰った。
大兄上様とロー姉上様、小兄上様は討ち死にされたのだそうだ。
3人の遺体は味方の兵達に城に運ばれたそうだ。
父上様と母上様は城が敵国に墜とされる前に城に最後まで残っていたものを逃がし、それでも残った腹心達と城に火を放ち、燃えてしまったのだそうだ。
姉上様は逃げ切れず、バーレンシア国に捕まった。
しかし皇太子に見初められて今も後宮で生きていると聞いた。
でもこの数年は表に姿を出さないということだ。
皇太子は気性が荒く、自分の妃でも手打ちにすることがあるらしい。
今も生きているのかは分からないのだそうだ。
私は久しぶりに大泣きした。
4歳の頃から私を知る皆は、私が滅多に泣かないので戸惑うものも多かった。
まあ、今となっては笑い話だが。
家族の分まで色々な経験をして、この人生を楽しもうと改めて決意した。
そして皆との絆も深まり、家族同然に時を過ごした。
そんな私を取り巻く環境が変わったのは私が16歳の時だった。




