↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
何かワンフレーズ書いてから、それをノープランで膨らませて作っていく短編(不定期連載)  作者: だい


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
2/2

この雲のように、君の顔は曇るのだろうか

今日はどんよりと曇っている。

まるで、いまの僕の心のようだ。


彼女と出会ったのはいつだっただろうか?


高校に入って直ぐに出会ってた気もするし、卒業アルバムなど見ると、二年生になってから初めて会った気もする。


要は、忘れられないような一目惚れや、イベントがあった訳ではないと言うことだ。


高校生なんて、友達に勧められた、とりあえず付き合ってみた、そんなものだろう。


僕たちも、何かの打ち上げでいったカラオケのあとで付き合うことになったのは覚えている。


それからは一通り、高校生カップルらしき事は経験した。


大学では何回か倦怠期のような時期や、ケンカを乗り越えながら、お互いに社会人になった今では、穏やかに付き合ういい関係になってると思う。


彼女のご両親やお兄さんとも関係はいいし、僕の家族と彼女の仲もいい。


後はプロポーズだけと皆が思っていた。もちろん僕も。


そんな彼女が、僕の友人であり、クラスメイトだった男と、腕を組んで街を歩いている。


ここは僕たちが住む街から、100キロ程離れた大きな街だ。

今日僕は、来月の彼女の誕生日にプロポーズするための指輪を買いに、この街にきていた。


彼女には、急に休日出勤だと言ってある。

すると彼女は少し考えてから、「じゃあ私もマキとランチしてくるわ。遅くなるかもしれないから、土曜日は行かないわ」と僕に言っていたんだ。


だが、彼女が一緒にいるのは違う男で、おそらくは地元で見つからないようにこの街で会ってるのだろう。


僕は浮気されるのはもちろん嫌だが、許せるかどうかは正直「誰と何処でどうして」浮気したかで変わると思っている。


例えば、僕の知らない土地に友達と旅行にいって羽目を外しちゃった。


それが、本当にたまたま僕の耳に入ったと言うなら、知らないフリをするかもしれない。


僕だって付き合ってるときに、合コンに行ったことはあるし、先輩と風俗にも行った。

だから、人間にはそういう事もあるのだろうと目を瞑る。


しかし、「知ってる相手と浮気」ってのは違わないか?


そりゃどんなのでも浮気だろうといわれたらそれはそうだ。


バレないように、今回だって100キロも離れた場所でデートしてるのだろう。

だけど、昔からの共通の友人で、奥さんも僕たちの友人なんだ。

ちょっと僕をバカにしすぎだろう。


バレないように気を使ってると言うことは、彼女は僕と別れる気はないし、アイツも奥さんと別れる気はないのだろうな。


二人は火遊びとか思ってるのかもしれないけど、僕とアイツの奥さんを何処かバカにして優越感に浸る昏い快感が二人にはあったはずだ。


ドラマのような話が、まさか自分の身に振りかかるとは思わなかったが、僕は2人の後をつけて、繁華街のホテルに消えるまで動画を撮った。


新しい機種にしてたから画質いいなぁなどと、どうでも良いことを思っていた。


不思議と飛び出して殴るとか、問い詰める気は起きなかった。


醒めたのとも違う。

これが蛙化ってやつなんだろうか。


まあ、蛙の方が人に迷惑かけない分はマシかな。

これからあの二人には、社会的制裁や金銭的に制裁はあるだろうが、それは自業自得だ。


でも、僕やアイツの奥さんは、なにもしてないのに、これから色んな人から色んな事を言われるんだよ。


どうしてと言われても、友人の旦那さんや、友人の彼女と寝て楽しめる奴らの気持ちは僕は知らないしね


二人がホテルに消えた後、僕はマキに電話をいれてみた。


彼女がグルなら彼女にも罰は受けてもらうし、旦那さんにも知ってもらう。

もし知っててアリバイ作りに加担してたら、マキも浮気してるだろう。


「…もしもし、どうしたの?」

「ああ、奈美と連絡つかなくてね?そばにいたら電話くれと伝えてくれないか?」

「ああ!わかったわ戻ってきたら伝えるわね」

「…君は昔から嘘つきだが、もうそろそろ痛い目に遭ったほうがいいね」

「え?な、何どうして…」


僕は電話を切った後、ライングループにさっきの動画のホテルに入るシーンに解説をいれて、ついでにマキの嘘まで入れて投稿した。旦那さんにも。


反応は劇的で、いつもは連絡来ない奴からも連絡が来た。

正直、あまり話す気分では無いが、彼女達に変な言い訳させないために、淡々と事実を伝えた。


奈美からは凄い勢いで着信があったが、拒否して僕は空を見上げた。


空は相変わらず曇っていて、僕達の街がある方角は曇りっぱなし。


一方で、海のある方角は青い空が見えている。


そうか。そうだよな。

何も曇ってる街や、曇ってる生き方選ばなくていいんじゃないか?


そう思うと、僕の心は軽くなって顔は晴れやかになるのだった。


僕が、海の街に引っ越したら、君の顔は曇るのだろうか。


僕が、その顔を見ることは無いだろうけれど。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。