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面会

 面会の日はあっという間にやってきた。ウェザリア国で買ったドレスを着て、髪はハーフアップにしてもらい、大きなリボンで結んでもらった。


 メイドの皆は部屋の掃除にお茶やお菓子の準備、テーブルのセッティングとバタバタとしていた。


 五人で準備は流石に無理があるのか、アルベルトまで手伝いをしていて、黙々と部屋の掃除をしている。その姿がなんだか可愛くて見ていると、クラウスが部屋に入ってきた。



「慌ただしいな」

「色々やることが多いみたい。手伝ってあげたら?」

「俺が?」

「他に誰がいるの?」

「そうだけど…」

「嫌?」

「別にそういうわけじゃねぇよ」



 仕方ないと言った顔で、クラウスはソフィアに声をかけに行った。すると、テーブルの上に飾る花を生けてほしいとお願いされていて、アルベルトみたいに黙々と花瓶に花を生け始めた。


 頼んだ後にクラウスって家事とかできるのか心配したけど、意外と手際よく花を生け終えていた。しかも、重いものを運んでいるメイドを見つけた時は軽々と持って代わりに運んであげたり、届かない場所にある物を取ってあげたり、高い所の掃除もアルベルトと一緒にしていて、クラウスってここまで気が利くんだと驚いた。


 

「三週間ぶりですね、皇女様。改めてグレイク・ラングフォードでございます」

「父が突然鉱山の方へ押しかけたようで申し訳ございませんでした。当主のアリオス・ラングフォードです」

「お初にお目にかかります、皇女様。娘のソルフィール・ラングフォードです」

「初めまして、レイシア・ウォーカーです。今日は三人にお会いできてとても嬉しいです。よろしくお願いします」



 午後になって、面会の時間がやってきた。パパも同席予定だったのに、元老院から緊急の会議を開く必要があると言われて参加しないわけにはいかず、ブチギレながら会議へ向かった。


 会議の内容が気になったけど、ニコニコの祖父に話しかけられたからそちらに意識を集中させた。


 お互いに自己紹介を終えて、大人には紅茶、子どもの私達にはミルクティーが目の前に置かれた。何を話せばいいのか分からなくて、とりあえずいつもより甘い匂いを漂わせているミルクティーを飲んで喉を潤そうとティーカップに手を伸ばした時、クラウスから止められた。



「待て、飲むな」

「え、どうしたの?」

「この甘い匂い、温暖な国に生えている毒植物のものだ。ラングフォード公爵家の三人も飲むな。離れろ。アルベルト、執事長のフレッドに事の次第を話して皇帝を連れて来い。メイドは窓を開けろ!」

「分かりました」



 クラウスが指示を出すと、アルベルトはすぐに駆け足で執事長の元へと行ってしまった。メイドの皆は大慌てで窓を開けて、紅茶に毒が入っていたことに驚いていた私は、クラウスにテーブルから距離を取らせるために抱き上げられた。


 ソルフィール嬢は祖父と叔父に席を立つよう言われて、三人でテーブルから離れた窓の近くに立っている。


 メイドの皆は信じられないと言った顔で口を手で隠して驚いていた。顔色も青くなっていていいとは言えない。その様子から、五人が毒を混ぜたとは考えにくくて、どうやって毒を混ぜたんだろうかと首を傾げた。



◇◆◇



「準備前から茶葉に毒が混ざっていた可能性が高い」

「それなら、レイシアを狙った犯行じゃねぇってことか?」

「…茶葉は保管庫からか?何故この茶葉にした?」

「は、はい、保管庫からです。この茶葉にしたのは厨房にいる菓子職人からスイーツを受け取る際に、このスイーツにはこの茶葉が合うと教えてもらいました。ですので、保管庫から茶葉を必要分取ったのですが…」

「その菓子職人をすぐに拘束しろ。お前はその菓子職人が誰なのか教えるためにも立ち会え。それと、保管庫にあるその茶葉に毒が入っていないかも調べろ」



 パパは会議中だと言うのに、すぐに部屋へやって来た。連れて来た人に調べるよう命令を出して、私達を別室へ移動させた。


 別室へ移動した後は、メイドの皆と準備を手伝ったクラウスとアルベルトに話を聞いて、的確な指示を連れて来た人達それぞれに出した。


 アリアが騎士と一緒に厨房へ向かうと、部屋には私とパパ、クラウスにアルベルト、執事長と補佐官に、ラングフォード公爵家の三人とメイドの四人になった。



「陛下、この事件のことをどうお考えですか?」

「皇妃と皇子派の人間が皇女とお前達ラングフォード公爵家を消そうと企んで起こしたものだろうな。グレイク、逆にお前はどう考えている?」

「陛下と同じですよ。四人が一斉に揃うこの面会は消すのが楽でちょうどいいとバカな皇子派が考えそうですからね」

「匂いで気づけたからよかったけど、やっぱりレイシアだけティーカップを毒検知用の魔道具にしておくべきだったな」



 本当に、クラウスが気づいてくれてよかった。そうじゃなかったら今頃、毒入りのミルクティーを飲んで死んでいたかもしれない。


 祖父、叔父、従姉の三人とお茶をするんだからとティーカップを揃えてもらって、毒が塗られていないかとか調べて大丈夫だと言われていたのに、まさか茶葉に最初から毒が混ざっていたなんて想像もしなかった。


 パパは今後ママと私が飲む物、食べる物は完全に分けて決まった人しか入れないようにした状態で保管させることと、使う前に毒が混ぜられていないか調べるよう補佐官に命令していた。


 そして、毒検知ができるティーカップと言う言葉に、叔父が興味を持ったのかクラウスに近づいた。



「毒検知ができるティーカップの魔道具は量産できるものなのでしょうか?」

「必要な物を揃えてくれれば作って渡せるぞ」

「では、父と私と妻と娘の四セットをお願いできますか?必要な物は後で教えてください」

「ティーカップだけでいいのか?半年待てるんなら食器一式作ることもできるけど」

「それは本当ですか!?半年程度なら待てるのでぜひお願いします」



 クラウスと叔父の話は毒検知をしてくれる食器一式を半年後に四セット渡すことで終わって、毒を盛られた件も調べが終わったらまた呼び出すということで、とりあえず今日はこれでお開きということになった。


 ほとんどまともに話せなかったことに残念だと思いながら、帰り際、従姉のソルフィール嬢と目が合ったから手を振ると小さく振り返してくれた。

ここまで読んでくださりありがとうございます。

もしよろしければ、下より評価、ご感想、ブクマ等よろしくお願いします( .ˬ.)"

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