↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
37/106

3人の集結



もうすぐ夏を迎える

日本は今までで観測した最高温度は、約41度らしい



でも今日この場に置いては、その温度すらも超えてしまうぐらい熱いことが起きるかもしれない!



♢ ♢ ♢



「……なんでこんな冷めてるの?」



私の思惑とは違い、冷え切った空気がこの一室を覆っていた。最高気温どころか、最低気温を叩き出しそうな勢いだ



初芽に話をつけた次の日。現在の場所はとあるカラオケBOXの一室。そして部屋にいるのは、私を除いて初芽、由布子さん、蘭さんの3人だ



そう。私の中の候補者全員が初めて集まったのだ



初芽は2人と知り合い

蘭さんは由布子さんと初対面

由布子さんは蘭さんと初対面



全員湊のことが好きだし、白熱した戦いを期待していただけに今の空気は完全に想定外だ



蘭さんはずっとドリンクバーで入れてきたオレンジジュースを啜り、由布子さんはすることがないのか、ずっとデンモクをいじっている



そんな状態の2人を初芽もどうしようかと迷っている状態だ



「初芽!早く話を振りなって!」



私がそう急がせると、初芽は周りに聞こえないようにしつつ、不自然にも思われないように気をつけながら、私に返答した



「そうは言っても……バカ姉の提案を勢いでゴーサイン出しちゃったけど、何を話せばいいか分かんないし……」



今回3人を集結させたのは、私の提案だった。主な狙いとしては、湊のことを狙ってるのが、自分の他に2人もいるということを認識させる為。

由布子さんも蘭さんも美人なので、お互いがお互いに危機感を持たせることによって、湊に対して積極的になってもらおうという魂胆だ



「……じゃあ一言だけ言ってみな?」

「な、何を?」



私はこっそり初芽に言わせる言葉を与えた



「み、湊……」



ガタンッ‼︎



2人が動揺で机に足をぶつけて悶絶した



「……本当に好きなのね。2人とも」

「ほらっ!ちゃんと進行して!」

「はぁ……わかったわよ」



初芽はマイクを取り、電源を入れた



「あ、あー。ちゃんと入ってるね」



マイクのテストもしたのち、初芽は喋り始めた



「今日は集まってくださり、ありがとうございます」



初芽とは思えないほど、硬い挨拶で入っていく



「2人ともお互いのことほとんど知らないと思うのですが、今日2人を呼んだのは他でもありません!さっきもポツリと話しましたが、今回の議題は湊さんについてです!」



またもガタッと音と共に、2人は足のスネを押さえた




「動揺しすぎだから。あと一つルールね!私が指名した人以外は、お喋り禁止!ペナルティを課します」

「ぺ、ペナルティってな、何するんですか?」

「今日から、破った回数分の日数、湊さんと会うこと、連絡を取ること禁止です」



とんでもない罰ゲームを提案する初芽

やってくれたよ……会う回数が減る=好感度も上げられない=私の寿命が無駄に減るだけ



「あと、指名された人は机にあるもう一本のマイクで喋ってください。もちろん電源は入れてくださいね」



1本は初芽が、残りの1本で2人回すことになった



「まずは由布子さんから!」

「ええっ⁉︎い、いきなりわ、私から……ですか?」



いきなり2人との関係性が1番薄い由布子さんからスタートする鬼畜な初芽



「うん。私が質問していくから、それに答えていって」

「うぅ……はい……」

「……あれ?もしかして寒い?」

「い、いえ!そんなことないです!」



マイクを持つ手がガタガタと震えているからそう思ったんだろうなぁ。ただこの震えは寒さからくる震えじゃなくて完全に人見知りを発動してるせいだ



「じゃあまず1つ目の質問ね。年齢は?」

「……え?」



質問の内容に、由布子さんは戸惑っていた



「まずは蘭にも由布子さんのことをある程度知ってもらわないといけません。だから最初はこういった質問にしてるんですよ。understand?」

「おおっ……急にネイティブに……」

「喋りましたね蘭。1日禁止で」

「なっ!今のは反則ですわ!」

「ほら。由布子さんお答えください」



横でガヤガヤワーワーと文句を垂らす蘭さんを無視して、初芽は進行を続けた



「……23です」

「お仕事は?」

「さ、作家です……シノってペンネームで書いてます」

「ええっ⁉︎し、シノ先生⁉︎」



ガタッという音と共に立ち上がった蘭さん。そして由布子さんの方へと血相を変えた様子でぐいっと近づいた



「私!シノ先生のファンです!握手してください!」



蘭さんは由布子さんの前に手を差し出した



「あ……はい」



由布子さんはそれに答えるように握手で返した



「あぁ……今まで握手会やらなんやらで握手する機会は他に比べても多い私が……この握手にダイヤ以上の価値を感じるわ!」

「お、大袈裟すぎですよ……」



蘭さんのテンションが上がっている。湊も由布子さんの作品が好きなことを知ったら、更に喜ぶんだろうなぁ



「……蘭?」

「はっ!」

「2日ね」

「……まあいいわ。次の仕事まで少し日が開いてるから」



1番会う回数が少ない蘭さんで週1回会うか会わないか程度。隣に住んでいる由布子さんでも同じぐらい。多い週でも3回とか。

初芽は通い妻みたいなことしてるから、週3は確定で会っている



だから余程のことがない限りは罰ゲームが直接影響を及ぼすことはない

これが司会の初芽に適用されるなら大きかったんだけど



「あとまた喋ったんで、更に追加で」

「……」



口を押さえて元居た場所に戻った蘭さん。これで2日は確定した

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。