284話 占い
「くふふ」
「……」
「にへへへぇ」
「……」
「ふひぃ」
「あー……ユスティーナ?」
久しぶりの学院の帰り道。
ユスティーナは俺の片腕を占領して、しがみついて離れない。
それでいて、妙な笑い声をちょくちょくとこぼしていた。
「なに、アルト? うふふふ」
「えっと、言っていいものかどうか……」
「なーに、ボクたちの間に隠し事はなしだよぉ」
「じゃあ言うが……様子がおかしいぞ?」
不気味だぞ?
と言おうとして、すぐに言葉を変えた。
さすがに失礼すぎる。
「んー、だってだって、ようやくアルトと付き合えることになったんだもん。アルトの彼女になれたんだもん。恋人同士になれたんだもん。うれしすぎて幸せで最高で、こうなっちゃうよ」
「そうか……そういうことなら仕方ないか」
納得する。
散々待たせてしまったのは俺なので、その結果がコレだとしたら、それはもう仕方ない。
彼女が納得するまで好きにさせることにしよう。
「……それにしても」
アレクシアとジニーに対しては、ユスティーナと付き合うことになったことをきちんと伝えないといけない。
どうなるか?
その光景を想像しただけで胃が痛くなるが……
だからといって、逃げるわけにはいかない。
近々、タイミングを見計らい話をすることにしよう。
「ねえねえ、アルト。あそこ見て」
「うん?」
ユスティーナが指差す方向を見てみると、占い屋があった。
「おもしろそうだね。行ってみない?」
「ああ、構わない」
こうして、俺とユスティーナは占いをしてみることに。
その内容は……
「ボクたちの未来について占ってください!」
とまあ、こんな感じで、ユスティーナが勝手に決めてしまう。
まあ、俺はあまり興味がないので、好きにしてもらって構わない。
ただ、未来というのは性急すぎやしないだろうか?
俺たちはまだ学生なのだから、相性などが適当だと思うが……
「未来……か」
ユスティーナとは恋人になったばかりで、未来のことはさすがにまだ考えていない。
でも、いつか、きちんと向き合わないといけないんだろうな。
その時の俺は、どんな選択を取るのだろう?
考えるが、まるで予想できなかった。
「アルト、どうしたの? ぼーっとして」
「いや……少し考え事をしてた」
「もう、放課後デートなんだから、ボクのことだけを考えてくれないとダメなんだよ?」
「すまない」
「まあいいや。それよりも、占い結果が出るよ?」
水晶玉を使った占いみたいだ。
占い師が手をかざして、水晶玉が輝く。
ややあって、その光が収まった。
「おぉ……な、なんということじゃ。まさか、このような運命を持つ者に出会うなんて……」
「え? え? どういうこと?」
ものすごく動揺する占い師を見て、ユスティーナが不安そうな顔に。
「お主らの未来は……希望と絶望、両方が見える」
「え、なにそれ……?」
「どういう意味なんだ?」
「そのままの意味じゃ……希望に包まれることもあれば、絶望に落ちることもある……なんて恐ろしい運命なのじゃ。このような極端な運命、見たことがない」
「「……」」
希望と……そして、絶望。
ただの占いと笑い飛ばすことができればよかったのだけど、それができない。
俺とユスティーナは言葉を失い、しばらくの間、動けないでいた。
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