義務と情熱
情熱だけで小説を書き続けるのは難しい。不可能ではないけれども、どこかで限界が生じる。「今日はこのくらいの枚数を書いたから充分か」とか「これだけの時間やったから、もういいだろう」と、やめてしまう。また、やる気が出ない日には、1文字目を書き始めることすら難しい。
それに対して、義務ならば、やる気が出ない日でも書き始められるし、「ここで終わりにしよう」と思った時にも続けることができる。ただし、義務感だけで続けようとすると、どこかで無理が生じてしまう。心の底から、書くのが嫌になってしまうのだ。そうして、長い間、スランプに陥ってしまう。
さらに言えば、義務だけで書き続けた小説が本当におもしろいものだろうか?それは、わからない。書いてみないとわからない。もしかしたら、義務感のみに従って書き続けられた作品が、最高におもしろい小説になるということはあり得るのかも知れない。ただ、僕にはその自信がない。基本的に、僕は情熱により小説を生み出す書き手なのだから。
なので、どうにかして、この2つを上手く組み合わせたい。情熱だけに頼らず、義務感だけで動くわけでもない。「小説を書きたい!」という気持ちと「小説を書かなければ!」という考えを組み合わせるのだ。
そう、たとえば…会社や学校に通う感覚はどうだろうか?「嫌だな嫌だな」と思いながらも、学校に通う。あるいは通勤する。が、職場や学校に到着したら、そこからはウキウキと楽しい気持ちで活動できる。もしも、こういう状態に持っていくことができれば、それは理想の形態と言えるのではないだろうか?
小説を書くのに、それを応用するのだ。ちょっとやってみるか…




