部屋は整理整頓されていた方がいいのだろうか?
さっきの話の続き。
僕の部屋は、比較的整頓されている。置いてある物の量は多い。が、その割には整頓されているといった感じ。パソコンの中の情報も、キチッとフォルダわけされており、どこに何が入っているのか大体わかるようになっている。
だけども、整頓し過ぎない。あえて、ある程度は乱れた状態にしてある。これは、わざとだ。
なぜ、そんなコトをするかって?もちろん、新しい小説のアイデアを生み出す為だ。整頓され過ぎた部屋からは何も生まれてこない。逆に、混沌とした部屋からは創作意欲が湧いてくる。アイデアがポンポン生まれてくる。
実は、僕も昔はムチャクチャに部屋が乱れたタイプの人間だった。床に物が散乱し、それらが積み重なって、あちこちに山ができていた。まるで、ゴミ屋敷か何かのようだった。普通の人が見れば、ただの物の山にしか見えなかったことだろう。「なんてだらしがない人間なのだ!」と思われていたに違いない。
けれども、不思議なことに、僕にはどこに何が置いてあるか大体わかっていた。たとえば、「数学の問題集は、どこにやったかな~?」と、考える。すると、パッと頭の中に閃き、右前方の山を漁り始める。すぐに数学の問題集を見つけ出す。「あのマンガ、どこだったかな?」と考える。今度は、真後ろの山だ。山を掘り進むと、奥の奥からお目当てのマンガを発見する、といった具合だ。
どんなに部屋が乱れていても、なぜだか自分では覚えているのだ。8~9割くらいの確率でお目当ての品を発見できる。逆を言えば、1~2割の確率で見つからないまま。どこに行ったかわからない。そうして、激怒する。
「アレ、どこやったんだよ!!」と。
そうして、ある日突然、別の機会に他の物を探している最中に発掘される。もちろん、その時には用済みである。「今じゃない!あの時、必要だったのに!」と悔やんでも、もう遅い。
結局、そういうやり方は効率が悪いと判断し、やめてしまった。以後、部屋は整理整頓し、キチッと片づけるになった。もちろん、マンガの単行本なんかは1巻から最新刊まで美しく順番に並んでいる。外伝は、一番最初(または一番最後)だ。
ところが、ここで問題が発生してしまった。それも、大問題が。“新しいアイデアが全く浮かんでこなくなってしまった”のだ。なんてこったい!オーマイガッ!!
そこで、ちょっと部屋を乱してみた。すると、新しいアイデアが降りてくるようになった。「お、これはいいぞ!」ってなもんで、それ以降、常にある程度は部屋を乱したままにしておくようになった。
考えてみれば、作家というのは犯罪者のようなもの。精神状態は全く同じだと言ってもいい。犯罪者と同じ心理に立ち、ギリギリで犯罪は犯さない。これが、理想の作家の生き方。
ならば、犯罪者と同じような生活をしておいた方がいいのではないだろうか?つまり、部屋の中は乱れに乱れ混沌とした状態にしておく方がいい。そうすれば、きっと、あの頃のようにバンバン新しいアイデアが降ってくるようになるのでは?意味不明でムチャクチャなアイデアも多かった。1つ1つは奇抜ではあるが、つなげてみると矛盾だらけ。それでも、最高に輝いていた!
そんな状態に戻すのもいいかも知れないな…と、時々、考えるコトがある。




