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心を闇が包み込んで
相変わらず、心を闇が包み込んでいる。
けれども、これはいい傾向であるのかも知れない。一切の他者に邪魔されず、自分の世界を構築する。その為には、いい時期なのかも。
作家というのは、常に孤独なものだ。孤独の中で書き続けなければいけない。書いている時には、たった1人。誰にも邪魔されない代わりに、誰にも助けてもらえない。死ぬまでそれを続けないとならない。いくらかの条件は変われども、基本は変わらない。ひたすらに、ただひたすらに書き続ける。たった1人、誰もいない世界で…
ならば、闇を身に纏うのは好都合ではないだろうか?
全ての人々の声が聞こえなくなる。世界中のありとあらゆる人々の存在を消し、最後には自分の存在さえも消し去って、そこから世界を始める。それができてこそ、初めて“作家のスタート地点”と言えるのではないだろうか?
ここから始めよう。この地点から。
何もかもを拒絶して、何もかもを失ったこの地点から。
全ては、またここから生み出せばいい。




