質というのは、一体、何だろうか?
結局、質について考えると、よくわからなくなってしまう。
その点、量はわかりやすい。何時間書いたとか、何枚書いたとか、何文字書いたとか、数字として残るから。
けれども、確実に“質の差”というのは存在する。
たとえば、何度も読み返したくなってしまう文章。これは、質が高いと言えるだろう。それに対して、1度読んで終わり。2度と読み返すことはない。これは、質の低い文章。
あるいは、密度の問題。同じ内容ならば、1万文字も2万文字も読みたくはない。それを500文字とか1000文字で表現してもらった方がありがたい。
ただし、エンターテインメントとなると話は別かも知れない。
1度、読んで「あ~!おもしろかった!」で終わり。その1度が、心の底から楽しめれば、それでいいのだろう。
文字数やページ数に関しても同じ。あまりにも短すぎると、物足りなさを感じてしまう。たとえば、推理小説を無理矢理10ページくらいにまとめられても、爽快感はないだろう。300ページとか400ページとか、ある程度の分量があるから楽しめるわけだ。読者は、トリックだとか犯人だとかが知りたいわけではなくて、その過程を楽しむのが主な目的となるわけだから。




