私を下女に落とした王太子と体が入れ替わりました ~殿下、あなたが決めた日課をお楽しみください。ふふっ~
最新エピソード掲載日:2026/11/06
「お前の仕事など、下女でもできる」
慈善の夜会の広間で、婚約者のフロリモン殿下は私の婚約を破棄した。孤児院の慈善金を盗んだ罰として、明日から宮廷の下女として働け、と。殿下が献立表の裏に自ら書いた〈下女の日課〉まで添えて。
最後に殿下は、私の胸元から亡き王妃様の胸飾りを引きちぎった。
床で白い石が砕けた次の瞬間、私は殿下の顔で、床に倒れた自分を見下ろしていた。
二人の体が、入れ替わったのだ。
「私が王太子だ! 体を返せ!」
私の声で叫ぶ殿下を、広間の誰も信じない。私は殿下の大きな手で日課表を拾い、元婚約者の耳元へ囁いた。
「命じた暮らしは、どうぞご自分で。では殿下、明朝五時、洗濯場でお待ちしています」
石が継がれるまでの三十日。殿下には、殿下が決めた私の一日を。私には、殿下の机を。
ところが引き出しから出てきたのは、殿下の署名入りの、私の知らない支出の控えだった。
味方は、誰より先に中身を見抜いた護衛騎士フィデルだけ。
「お顔が変わっても、人の手柄を横取りなさらない方は分かります」
その言葉が、捨てられた婚約より胸に残った。
体が戻ったら、今度こそ自分の顔で、この騎士に笑いかけたい。
慈善の夜会の広間で、婚約者のフロリモン殿下は私の婚約を破棄した。孤児院の慈善金を盗んだ罰として、明日から宮廷の下女として働け、と。殿下が献立表の裏に自ら書いた〈下女の日課〉まで添えて。
最後に殿下は、私の胸元から亡き王妃様の胸飾りを引きちぎった。
床で白い石が砕けた次の瞬間、私は殿下の顔で、床に倒れた自分を見下ろしていた。
二人の体が、入れ替わったのだ。
「私が王太子だ! 体を返せ!」
私の声で叫ぶ殿下を、広間の誰も信じない。私は殿下の大きな手で日課表を拾い、元婚約者の耳元へ囁いた。
「命じた暮らしは、どうぞご自分で。では殿下、明朝五時、洗濯場でお待ちしています」
石が継がれるまでの三十日。殿下には、殿下が決めた私の一日を。私には、殿下の机を。
ところが引き出しから出てきたのは、殿下の署名入りの、私の知らない支出の控えだった。
味方は、誰より先に中身を見抜いた護衛騎士フィデルだけ。
「お顔が変わっても、人の手柄を横取りなさらない方は分かります」
その言葉が、捨てられた婚約より胸に残った。
体が戻ったら、今度こそ自分の顔で、この騎士に笑いかけたい。
1. 断罪の夜
2026/11/06 12:45