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自由奔放な王様

前回のあらすじ~

久しぶりに会った大賢者は不老不死になったが、それ故の悩みを打ち明けた。酒を少し飲み、キータは帰った。翌朝、考え事をしながら、散歩をしていると森深くに古いダンジョンを見つける。

キータ、どうする!?

 すると、とても古い洞窟型のダンジョンを見つけた。ついつい好奇心で中に入って行くと、トラップはしっかり動いた。僕の頭に鉄の歯型が噛みついている。一歩でも進む度に矢が降ったり、壁が迫ってきたりした。その度に死ぬかもしれないと恐怖を感じた。モンスターもいるけど、ご老齢なのか?動きが鈍い。だけど、そんなモンスターの攻撃を避けられない僕も僕だけど。少しずつ進んでラスボスの所まで行くと、人骨が散らばっているだけで肝心のラスボスがいない。宝物も宝石もないから、もう攻略されてしまったかな?上から唾液が垂れてきた。僕は見上げると、子供のような何かが何百もの数で天井にへばりついている。

 僕は帰ろうっと踵を返して、入り口へと向かったけど、子供のような何かが大きな岩で塞いでしまった。

その何かはホントに子供のようだが、無表情で不気味さを帯びている。それも全員が同じ顔だ。この村の中にこんな場所があるんだな~。再び、見上げると、何かの隙間に生贄の間と書かれていた。帰りたいな~。

 何か達は僕が何も出来ないことを知っているようで徐々に天井から降りてくる。全員が降りてくると、僕を囲うように僕に覆い被さる。困り果てた時、強烈な衝撃波が僕を襲う。何かは壁まで吹き飛ばされていた。

マホ「まったく、面倒な事ばかりしますね。キータ?」

 目の前には壊れた壁、外の景色に広がる。そして、その前にはマホが立っていた。マホは素早く僕の手を握り、何かを睨みつける。

空間魔法”自由人フリーヒューマン

キータ「なんで僕の所へと来れたの?」

マホ「五感を共有しているので……」

 しれっととんでもないことを言ってるな~。

マホ「そんな事よりもです。私の元ご主人様の居所が分かりました。二日後、天国の国へと行きますよ。」

キータ「分かった~。」

 すぐに承諾してしまったけど、天国!?ついに行くのか~。

 二日後、僕はマホに首袖を掴まれて空を飛んでいる。マホはあり得ないくらい大きな雲へと向かって飛んでいる。そして、雲を通り過ぎて、やっと雲の上へと着いた。天国の入り口にはとてつもなく大きな門がそびえ立っていた。その前に沢山の人々が並んでいる。その人々の頭には輪っかが浮いていた。来たんだな~、天国に。

マホ「何をボサッっと突っ立ているんですか?入りますよ。」

 マホはそう言うとスキル”石”を使って門番を無視して門を通ってしまった。僕もマホを追って、スキル”石”を使って門番に謝って、門を通ると、雲を照らす早朝の日、オレンジ色に染まる川、池、神々しい住民が僕の視界いっぱいに広がる。

??「おい!?ここで何をしている!?」

マホ「行きますよ。」

 マホは僕の手を握って、光速で走り出す。天国の国を走り回り、いつの間にか森の中へと移動していた。小さな人々が自身に付いた羽で飛んでいる。この人たちは妖精……かな?僕の服には矢が何本か刺さっていた。矢の取っ手の形がハートになっている。これは恋の矢かな?いつの間にか、天使に攻撃されていたんだけど~、追手は撒けたようだ。マホは遠くの方を見ながら、僕の首袖から手を離す。

 だけど、少しした後、妖精が僕たちを取り囲んだ。そして、僕たちに向かって飛び掛かってくる。そんな妖精たちに構わず、僕とマホはどこかへ進んで行く。

マホ「キータ、ここには妖精の長がいます。」

 僕が首を傾げながら、マホを追いかけると、木の根の隙間へと入って行った。僕もマホを追って入ると妖精は一緒に入ることはしなかった。木の根の奥にはあからさまに人が作った通路があった。レンガ状の四角い通路は無数に分岐して、迷子になれば、二度と出られない、そんな気がする。

 隣で歩いていたマホは急に立ち止まり、目を瞑る。

空間魔法”自由人フリーヒューマン

 僕たちはある部屋の前へと移動していた。マホは躊躇せず、ノックをする。

??「どうぞ。」

 女性の声が部屋の中から聞こえてきた。扉を開くと、山積みになった本たちと魔法瓶、そして、本を読んでいるマホそっくりの女性が椅子に座っている。マホはその女性の目の前まで歩み寄り、床に膝をつく。

マホ「お久しぶりです。”元”ご主人様」

??「貴方は誰ですか?」

 マホは彼女から距離を取り、家の姿へとなった。

??「!!……なるほど、私が捨てた家という訳ですか。」

キータ「僕はマイスタープロテクト王国の国王をやってるキータだよ~、よろしくね~。」

 マホの後ろから僕はひょっこりと顔を出した。

マホ「これが今のご主人様です。」

 彼女は僕たちに紅茶を差し出す。

マホ「高度な魔法を織り込まれた紅茶を飲ませようとするなんて我が”元”ご主人様は酷い方です。」

 彼女はたかが外れたように笑い出す。僕は戸惑う。マホは無表情で彼女を見ている。

??「キータと言いましたか?私はエルラと申します。妖精の国の国王をしています。」

 僕とエルラは握手を交わす。マホは紅茶を一口含む。

マホ「妖精が私を攻撃してきました。本来、妖精は攻撃せず、友好的なはずです。あれはあなたの命令ですか?」

エルラ「そうだとしたらなんですか?」

 エルラは紅茶を一口飲む。

エルラ「私が王なのです。妖精をどうしようと私の勝手では?」

キータ「王は多くの人がいて、成り立つんだよ?国民を物のように扱う人は誰もいなくなってしまうよ。」

エルラ「それなら、好都合です。静かになって読書が捗りますから。」

 マホはエルラの頬を叩いた。

マホ「妖精の顔を見たことはありますか?誰も笑っていませんでした。一人のせいで多くの妖精が苦しみ、息絶える理由がたったそれだけですか?貴方に何があったかは知りません。しかし、”元”ご主人様であっても、王であろうと、間違っています。妖精に謝りに行きましょう。」

 エルラの手を強引に手を引っ張り、僕の首袖を掴む。

空間魔法”自由人フリーヒューマン

マホ「貴方は優しかった。怪我をした人がいたら、誰であろうと治療をして、甲斐甲斐しく世話をする。

それが貴方のはずです。貴方が心に深い傷があるなら、殻に籠もらないで私に頼ってください。私は貴方にとって、かけがえのない居場所なんですから。」

 マホは外に出て、エルラを引き寄せて、抱き締めた。エルラは振り解こうとマホの中で暴れていたが、マホがエルラの頭を撫でると大声で泣きだしてしまった。エルラの泣き声で妖精たちが集まってきた。

妖精1「僕たちの国王に何をしている!?」

妖精2「国王を離せ!!」

 僕たちが非難されている。エルラは相当慕われているようだ。

エルラ「グスンッ、皆止めてください!もう、大丈夫ですから。」

妖精3「だけど、泣いて……」

エルラ「私は皆に酷い扱いをしてきました。ですが、もうむやみに攻撃しないでください。」

妖精1「私たちは大丈夫です。ですから、見捨てないでください。」

 妖精たちはエルラの周りに集まる。

エルラ「見捨てません。ただこんなに慕ってくれる人々を大切にしたいと思い直しただけです。」

 妖精たちはエルラの言葉を聞いて、泣きながらエルラの頬に抱き着いた。妖精たちは強がっていたけど、怖くて心配で、息詰まる日々だったんだな~。

妖精2「それで国王、この人たちは誰ですか?」

エルラ「私の大事な友人です。」

 僕たちにエルラは微笑みかける。

マホ「そうです。私たちは親友です。」

妖精全員「国王が二人いる!?」

 妖精はパニックになって、二人を見比べる。

エルラ「皆さん、落ち着いてください。」

妖精4「実は二人は姉妹ですか?」

マホ、エルラ「違います。」

 僕はその様子を見て、苦笑いを浮かべたのだった。妖精たちが酒やご飯を用意してくれて、皆でお祝いをした。僕たちはその途中で空の上を後にした。

数日後、晴れて温かい風が吹く早朝に二人の男性が宮殿を訪れた。そして、僕はその二人と戦っている……なんで?

次回予告~

空の上から帰って数日後、二人の男が現れる。彼らの目的はなんなのか!?彼らの背後は誰がいるのか!?

キータは勝てるのか!?

次回『お人好しのキータ』

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