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太陽の申し子〜竜に選ばれた少年の旅物語〜  作者: 日孁
第1章~純白の支配者~
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61,洞窟内探検⑥(驚きと恐れ)

「おいおい、なんだこりゃ?」

「……凄まじいな」

「これは……」


 ラウルとルドルフ、そしてもう1人、セルジュさんが驚きの声を上げる。

 なにに? 多分目の前のこれだ。

 僕達の前に現れたのは崖、そこまで深いわけじゃなく、地面も見える。

 でも、その地面に……


「うわー! 虫さんがいっぱいだね!」


 虫の魔物……しかも大量に!

 これは流石にひく! 無理! キモイ!

 ジャスミンはなんで平気なんだ?

 山の中の村で過ごしてきた僕がダメなのに。

 というか、大きさが。


「あれ? 降りないんですか?」

「いや、降りるけど……」


 嫌だなぁ〜。


─少しだけど、焼いてあげる─


 ルビアスゥ〜!

 ありがとうございます!


 ルビアスが火を吹く。

 あれ? そういえば君、前までそんなことできたっけ?


─出来そうな気がしたから─


 魔法……じゃないよな?

 どういう原理だ?


─分からない─


 ま、ありがとな


 ルビアスの吹いた炎は視界に入る魔蟲を悉く焼き払って尚燃えている。

 わぁお、降りれない。


「「「「「「「真空空間(エアラプス)」」」」」」」


 ローブ達が魔法で火を消してくれた。

 ないすぅ!

 魔蟲でまた地面が埋まる前に急いで飛び降りる。

 周りを見るとさっきよりもかなり暗い。いや、さっきまでが明るかったのか?

 みんなも僕に続いて降りてきた。


「……暗いな」

「ああ」

「私何も見えませんね」

「「「「「「「我々も」」」」」」」

「本当だ。真っ暗だ」


 夜でも見えるはずのタマとルドルフも見えにくいか。


「ライカ!」


 ラウルが呼びかけるとライカに電気が走り一気に明るくなった。逆にチカチカするぐらいだ。

 ライカって便利だな!

 見えるようになったところでさあ行こ……う?

 奥の方に見えるのはでかい蜘蛛。

 体と比べると小さな鎌が二本。


「タマさん……? あれは?」

「ん? あ、クァクァロード……だ、な」

「おい、数どうなってるんだ!?」

「1、2、3、4、5、6、7、8、9……?」

「……ジャスミン……お前よく数えようと思ったな」

「「「「「「「ジクシオ様……」」」」」」」


 さっき戦ったクァクァロードがいっぱい!

 嘘だろ……?

 その周りにはナイファースイプを初め、クイーンクレスプ、アーククァクァ、ハイクァクァなどが集まってきた。

 なるほど、バーンクァフルは総力戦をするつもりらしい。

 やばいかも……?


─なにもやばいことなんてない。全て蹴散らすだけ─


 流石だな


─私にとってはこんな奴ら普通の虫と変わらない─


 そうだよな

 お前小さかった時から亜龍(危険度5)を倒してたもんな


 よし、やってやるか。


(カミューナ)!』


 剣を抜き名前を叫ぶ。

 緑色の炎を放ち、僕に力を与える。

 ここまではさっきと一緒だ。

 でも、今度は。


攻撃力付加(エンチャント・パワー)防御力付加(エンチャント・ガード)速度付加エンチャント・スピード


 補助魔法付きだ!

 まだまだいくぞ?


攻撃力超強化(マイトエンハンス)防御力超強化(プロテクトエンハンス)速度超強化(アヴォイドエンハンス)


 様子見しているこいつらの前で補助魔法をかけ終える。さて、


「……月下之霊剣」


 独特な歩行を使い、速く、軽やかに。敵を翻弄しながら斬っていく。

 それは月夜の霊のごとく、背景に自分を溶け込ませる。相手は霊に気づけない。いつの間にか斬られている。仮に気づいたところで、恐怖し体がこわばり斬り捨てられる。


 この技は村長から貰った。

 まだ練度は劣るし、効果もさほどない。補助魔法をかけてようやく僕は出来るようになった。この技の特性上、殺るなら一撃で仕留めなければいけないからだ。


 流れるように魔蟲達をその場に斬り伏せていく。

 魔蟲達は突然僕が姿をくらませたことに戸惑い、また仲間が倒れていく理由が分からず恐怖する。

 虫に感情はあるのか? いや、知らないけども。

 因みにみんなにも見えてないかな。タマでさえ時々見失ってる。


「!?」


 ハイクァクァの1匹に避けられた。

 見破られた? いや、違う。偶然、か?

 落ち着け、取り乱すな。


「!!?」


 また避けられた。

 偶然じゃないな……

 でも、ハイクァクァは僕に攻撃する様子はない。というか、あさっての方向をむいている。

 てことはつまり、裏でこいつらを操ってるやつが指示がしているんだろう。


「だめだな」


 歩くのをやめる。

 避けられるなら意味が無い。

 大群だったから一気に仕留めようと思ったんだけどね。


「……轟雷一閃!」


 足に力を込めクァクァロード達に狙いを定める。そして、低く前に跳ぶように、強く強く地面を蹴る。

 僕の持つ剣技で速さに特化した一つだ。

 お前らでも目で捉えるのが精一杯だろ?

 最初の1匹の鎌を両方斬り飛ばし、次に移ろうと地面に足をつけた時だった。


「え?」


 足が地面と一体化したように動かなくなった。

 なにゆえ!?


─アレン、糸─


 糸?


 あ、ほんとだ。

 目を凝らすと地面に蜘蛛の巣のように糸が張り巡らされてるのが見えた。ようにと言うか、蜘蛛の巣だね。

 で、えーと、動けないわけですが。

 なるほど、こいつらは様子見してたんじゃなくてこれを待ってたのか。

 1番近くにいたクァクァロードが僕に鎌を振り下ろす。


─私がやる─


 途端そいつに向けてルビアスが炎を吐いた事で難を逃れる。いや、あれは炎じゃなくて熱光線?

 と、今のうちに脱出しなきゃな。


 糸を焼きながら辺りを見渡すと、クァクァロード以外の魔蟲をみんながタマを筆頭に倒していってくれているのに気づいた。タマにはこっちを手伝って欲しかったけど、大丈夫だと判断されたのかな?

 大丈夫。クァクァロード9匹……危険度8が9匹。

 これで優勢な自分がちょっと怖く感じてきた。

 いや、今は考えるな!

アンナ「次はこの依頼にしましょ」

ジクシオ「いいな!」

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