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二十八歳の私  作者: マック アダソン
あらすじ
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三部作全体起承転結あらすじ

【起】

 本作は、ADHDとASDの発達障害を持つ三十歳を目前にした一人の成人女性が、「私は何者なのか」を問いながら、これから先へ歩いていくための記録である。『家庭教師の一年間』『九年差の同じ別れ』、そして『二十八歳の私』からなる三部構成の私小説である。二〇二六年、二十八歳を迎えようとしている私横山葉月は、三十歳を前に自分の人生を振り返るようになった。最初は思春期に出会った「彼」と成人期に出会った「彼女」との十一年間を記録しようとしていた。しかし過去をたどるうちに、二人よりも前に思い出す人物がいた。中学三年の春、高校進学への不安を抱えていた私を一年間支えてくれた家庭教師である。


【承】

 第一作『家庭教師の一年間』では、十五歳の私が高校進学を目指して受験に向き合う。評定三・〇以上が必要な中、私は基準ぎりぎりの成績に不安を抱え、長年通った塾を辞めて家庭教師と出会う。英語、数学、国語の授業を受け、英検三級の取得を目指すが、苦手な英語では同じ間違いを繰り返し、自信を失いかける。それでも家庭教師は私を責めず、一つずつ確認しながら支えてくれた。やがて英検三級に合格するが、三者面談で告げられた評定は二・九だった。推薦基準に届かず一般受験を覚悟する中、英検三級の取得などを含めた総合評価により推薦受験の可能性が出てくる。面接練習を重ねた私は、無事に高校進学を決める。


【転】

 第二作『九年差の同じ別れ』では、その後に続く二つの大きな関係を記録する。二〇一三年十月、学校で配布された公的な冊子をきっかけに、私は思春期に「彼」と手紙で出会う。非対面の文通は三年間続き、私の考え方や小説を書く姿勢に大きな影響を与えた。上京後の二〇一七年には、百貨店でマキアージュの口紅を探していた時に成人期に「彼女」と出会う。対面で続いたその関係は、日常の中で私を整える時間となり、八年間続いた。しかし二つの関係は、どちらも転勤という同じ理由で終わる。彼との別れから九年後、二〇二五年一月十八日、私は彼女の転勤を知り、過去と現在が重なるような喪失を経験する。


【結】

 第三作『二十八歳の私』では、二つの作品を書き終えた私が、現在の自分自身を見つめ直す。大学時代にADHDとASDの診断を受け、社会人となった私は、障害者雇用で前職に就くが、発達障害への理解や配慮が十分でない環境の中で追い詰められ、契約終了を経験する。その後、就労継続支援A型事業所で再び働き始めるが、衛生面、集中力、物の置き忘れ、人の話を最後まで聞くことなど、働くための土台にはまだ課題がある。また、黒いレオタードを着て鏡の前に立ち、体重や体型、健康、生理不順、将来への不安を通して、成人女性としての身体とも向き合う。三部作を書き終えても、人生の答えが出たわけではない。それでも私は、発達障害と共に生き、記憶と共に生き、出会いと別れを抱えながら、自分の現在地を確かめている。これは、十五歳の春から始まった時間が二十八歳の今へつながり、その先の人生へ続いていく私自身の記録である。


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