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グッド・ジョブ エピソード0  作者: 渡夢太郎
五章 ナチュラル・グリル
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闇取引

尚子は交際を否定る亮に従うしかなかった。

「鈴木さんはお付き合いしている男性は?」

「いません。憧れの男性はいますけど」

妙子は曖昧に返事をして亮の方向を見ると

アマンダとアイリーンとジェニファーが

親しく話をしていた。


「憧れの男性がいるだけでも羨ましいわ。

私なんか男性と縁がない世界で育って

 男性慣れしていないから相手の気持ちがわからなくて・・・」

「そうそう、女子高で育った女性が大学や社会に出て恋愛で失敗するのは

 それが原因よね」

妙子は元アイドルを目の前にして畏まっていたが共通の話題で

急に親しくなったような気がした。


「ねえ、メールアドレス交換しましょう。日本の様子も教えてほしいし」

「良いんですか?」

妙子は元アイドルとメール交換して嬉しかった。

そこに亮の元に尚子からメールが来た。

「鈴木さんの方は任せて、何を聞き出せばいい?」

「アメリカに友達がいるか聞いていただけますか?」

亮は返事を返した。


「OK」

尚子は亮に返事を返して妙子に聞いた

「鈴木さん、アメリカには友達がいるんですか?」

「いいえ、いません」

「じゃあ、私がアメリカの友達ね」

「うん」

妙子はニコニコと笑った。

二人の会話を聞いていた亮はテーブルを人差し指と中指でトントンと叩いた。

これは中国の風習でお酒やお茶を注いでくれた人へのお礼の合図で有った。

「ねえ、亮のアドレスも聞けばいいのに、彼は奥ゆかしいところが有って

 言わないけど、銀座美宝堂の息子よ。きっといい事有るわよ」


「本当!だから私のデザインした服が見たいと言ったのね。

ジェニファーらぜひ見てほしいわ。

 私スタジオDの服が好きなの」

「亮のお姉さんがチーフデザインをなさっていて、

時々ニューヨークに来た時会っています」

「本当ですか!」

「ええ、上のお姉さんは宝石デザインをしているんですよ」

「すごい!すごすぎる」

妙子が亮に対する見る目が変わった頃、亮は妙子に聞いた。


「鈴木さん、好きなスポーツは何ですか?」

「バレーボールです」

妙子は考える間もなくすぐに答えた。

「バレーボール」

亮はバレーボールと聞いてすぐに櫨場俊夫の事を思い浮かべた。

アメリカではともかく日本ではアイドルグループの応援もあって

男子バレーボールは人気があり、美人が多くヒップラインを露わにした

ウエアをセクシーな女子バレーボールも写真週刊誌をにぎわせている。

ただ、身長が高いほど優位なスポーツ故に

日本バレーボールには限界があるのは事実である。


「あのう、團さんメルアドの交換していただけますか?」

「ええ、僕も聞こうとしていたところです。ぜひ」

「ありがとうございます・・・」

妙子は何か言いたそうだったがそれを我慢している様子だった。

亮たちは食事を終えてMiyabiを出た。

「亮、どうする?もう少し飲んでからにする?せっかくの金曜日だし」

「そうですね。クラブへ行きたいですね」

亮は尚子の誘いに乗った。


「クラブか~どこへ行ってもいっぱいだけどいい?」

「はい」

亮はそう答えてジェニファーの顔を見て笑った。

そこに劉翔記から電話がかかって来た

「亮、今何処にいる?」

「ニューヨークのブライアン公園前のMyabino前だけど」

「おお、やはりニューヨークにいたか。

僕たちも近くにいるから来てくれないか?

サークルラインの船着き場だ」

「僕たちって?」


「文明も一緒だ。大事な話だ」

「分かった。すぐに行く」

「尚子さん急に友人がニューヨークへ来たので

会いに行ってきます。すみません」

「部屋のキーもっているわよね」

「はい」

「アマンダとアイリーン私の部屋に泊まるかも」

「ああ、いいですよ」

亮はジェニファーにも説明した。


「亮、大丈夫危険じゃない?」

「大丈夫です。二人とも中国人の友達でカンフーの達人ですから」

「そうそれならいいわ。じゃあ明日の朝」

「はい、連絡します」

「鈴木さん、日本に帰ったら会いましょう」

亮は手を振ってタクシーに乗った。


サークルラインはウエスト42ストリートを行った突き当りにあり

自由の女神や海から観るニューヨークの摩天楼など

ニューヨーク湾観光クルージングはここから出発する。

亮がサークルラインに到着してタクシーを降りると電話がかかって来た。

「亮、降りたら左方向リンカーントンネルへ向かって歩いて来てくれ」

亮はそう言われ周りの見ながら歩いていると

目の前の黒い日本車のセダンのドアが開いた。

「亮、こっちだ」

劉翔記がドアの前で手招きをした。


亮は小走りでセダンの後ろに乗った。

「お久しぶりです。日本車ですね」

亮は運転席の劉文明に挨拶をした。

「一番信用できる日本車に乗って来た。実は今から取引があるんだ」

「何のですか?」

「レアメタル、ロジウム100kgだよ」

「ロジウムって白金族元素で相当高価な物じゃ」

「うん、それが高く売れそうなんだ。1オンス(28.3g)2000ドルだ」


「それをどれくらい?」

「250ポンド(約113.4kg)だ」

「すると800万ドル。大金ですよ。大丈夫ですか?

 それにどうしてこんな倉庫街で取引をするんですか?」

「それはヤミ取引だからだよ」

「闇取引!」

「あはは、怪しいから亮も呼んだ」

「たった三人で?」

「ああ、そうだ」


亮はマフィアの取引のピストルの撃ち合いを思い出し恐怖で心臓の心拍数が上がった。

ピストルの撃ち合いと言ってもこちら側は何も持っていないので撃ち合いに

なる訳もなく、相手が本当にマフィアだったら殺される!!

亮と翔記と文明は11アベニューとW36thStの交差した倉庫街の倉庫に入った。

両側に積み重ねられた荷物の間を低速で走っていくとボス風の男を真ん中に五人の

男たちが立っていた。


「人数的に負けていますけど・・・」

「亮、怖かったら降りなくていいぞ」

文明が後ろを振り返って言った。

「大丈夫です、一緒に降ります」

「まあ、危ないと思ったらこの車に乗り込め一応この車は防弾だから」

「はい」


亮たちが降りると文明はボスらしき男と話をしてジュラルミンケースに入っている

お金を確認した後、文明は車のトランクを開けた。

相手の男たちはトランクからロジウムを降ろし替わりにお金の入った

ジュラルミンケースを入れレロジウムをボスの元へ持ってきた。

「OK」

文明とボスが握手をした時、亮の耳にエンジン音が聞こえた。


「文明、外に車三台が来た早く!」

亮は外の車のエンジン音を聞いて運転席に乗りエンジンをかけた。

文明と翔記が車に飛び乗るとバックのまま思い切りアクセルを踏み、積み荷と積み荷の

車のリアを入れシャッターの開くのを待った。


「亮、どうするつもりだ」

文明はシャッターが開いたら武装した男たちが

何人も飛び込んで来る事を想像していた。

「シャッターが開いたら一気に出ます」

「もし前がふさがれていたらどうするつもりだ?」

「車が三台、立て及び斜めに両側のドアがぶつからないように

車一台分間隔を空けて止まっているはずです。そして車はSUV、車高が高いので

車高の低いこちらのセダンならこっちが先に動けます」

「本当か?」

文明が首を傾げた。


「はい、あのエンジン音はF社のSUVの間違いないです」

亮はそう答えて笑った。

シャッターの音がガラガラ鳴りだすと亮はハンドルを握った。

「10秒で50cm、この車の車高が1475cmですから30秒で通過できます」

亮はアクセルを踏んでエンジンの回転数を上げた。

5秒経つと亮はDにシフトを入れ

「3.2.1 GO」


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