ダンススタジオ
亮はジェニファーの方を見るとジェニファーは亮のブリーフを持っていた。
「ジェニファーさん何っているんですか?その下のボトルですよ」
「うふふ、可愛いピンクのブリーフ」
ジェニファーはケラケラと笑った。
「このボトルね」
ジェニファーが亮に見せると亮はうなずいた。
「はい、そうです」
亮はジェニファーがまたバッグの中の物を覗くんじゃないかと
不安になってジェニファーの手の動きを見ていた。
「これを何錠飲むの?」
「寝る前に1錠飲んでください、
よく眠れて朝起きると頭がすっきりします」
「本当」
ジェニファーは亮の秘密を知って嬉しそうに
自分のバックにボトルを入れた。
「ところでジェニファーさんはジョンと付き合っていたんですか?」
「ううん、私は憧れていたけど。彼は私みたいな女より
知的な女性が好きだったみたい」
ジェニファーは両手でメガネのまねをしていた。
「そうですか」
亮はジェニファーが記憶力の良くなる方法を亮にしつこく
聞いていたのはそういう理由なのかと感じていた。
ジェニファーは母親を子供の頃に亡くして短大を
卒業後陸軍に入隊し退役後警官になって
刑事になった事を話した。
「どうして軍隊に?その後警察ってずいぶん
男っぽい仕事ばかりでしたね」
「原因はこの体よ」
ジェニファーは胸を突き出した。
「子供頃からこの大きな胸のせいで男たちが
軽い女と見て群がってきたの
それで父も苦労したわ。親子で関係が
あるんじゃないかと陰口も叩かれた」
「それで軍隊に」
「ええ、軍隊で鍛えて強くなれば誰も
声をかけてこない、そう思ったの」
「それから警察に?」
「ええ、少しでも父のそばに居て上げたいから、
イラクよりはましでしょう」
亮はアメリカに来て、色々な家族を見て
親子の愛の強さを感じていた。
それは宗教であったり、環境であったりと考えられる事は色々有るが
日本で言う男女の愛以外の愛を見つけたような気がした。
「お父さんは何の仕事をしているんですか?」
「父は警察を辞めてニューヨークのミュージアムの
恐竜の警備員をしているわ」
「じゃあ、お父さんと今夜会えますね」
「残念ながら父は夜担当なの」
「そうですか、では着いたらお父さんと会って来て下さい。
僕はちょっと話を聞くだけですから」
亮は鈴木妙子にはフレイザーの名前を使って呼び出していたので
ジェニファーにそばに居て欲しくなかった。
「ほんとう、じゃあちょっとだけ会ってくるわ。
ハゼバトシオと会う15時に会いましょう」
ジェニファーは嬉しそうに笑った。
~~~~~~
リーブホテルに着いた亮はラウンジの席でコーヒーを頼んで
鈴木妙子を待った。
ラウンジに入った妙子を見つけ亮は立ち上がって迎えた。
「鈴木さんですね」
「フレイザーさん」
妙子はイケメンの亮の顔を見て顔が赤らんだ。
「すみません、フレイザーはこちらに来られなかったので
日本語が出来る私、團亮が来ました。よろしいですか?」
「は、はいけっこうです」
妙子は日本語のできる亮に会えてホッとした。
「早速ですが、3日前にボストン空港で
声をかけたアメリカ人がいましたね」
「はい」
妙子はうなずき、亮がビデオで見たことは事実だった。
「彼とはどんな話をしましたか?」
「はい、ニック・リードと言う人でボストンの
案内をしてくれると言っていました」
「それでその後は?」
「私は、ボストン行くところを決めていたので断りました」
「案内料はいくらでした?」
「1日100ドルです。でもその日街の中で一緒に
居た日本人の女性を見ました」
「そうですか」
亮はスマートフォンを開き写真を見せた。
「この女性でしたか?」
「はい、この人です」
亮が佐藤敦子の写真を見せると妙子はすんなりと答えた。
「本当ですね」
亮は妙子があまりにも記憶力がいいので気になって聞いた。
「はい」
「分かりました、ありがとうございました。
鈴木さんアメリカの滞在予定は?」
「明後日帰ります」
「そうですか、僕も明後日までこちらにいますので
また連絡をしていいですか?」
「はい、もちろんです」
妙子は笑顔で答えた。
「今日はどちらへ行くんですか?」
「今日はSoHoの方に行って夜は5番街に買い物に行きます」
「あっ、つかぬ事をお聞きしますが鈴木さんのお仕事は?」
「青山のブリリアンスショーと言うブランドメーカーでデザイナーをやっています」
「デザイナーさんなんですか、道理で洋服のセンスが良いと思っていました」
「うふふありがとう、久々の休暇でデザインの勉強にこっちへ来たんです」
「ニューヨークは分かるけど、どうしてボストンへ行ったんですか?」
「古いものを見てインスピレーションわかせようと思って行ったの」
「それで、どうでした?」
「はい、良いデザインが出来ました」
「良かったですね」
亮が優しく笑った。
「もし、今夜時間が有ったお酒でもいかがですか?」
妙子は亮と別れがたく亮をお酒に誘った。
「はいぜひ、では後で電話をします」
亮は妙子が嘘をついているような気がしていたので
酒を飲みながら本当の事を言わせる事を考えていた。
鈴木妙子と別れた亮は時計を見て白尾尚子に電話をかけた。
「おはようございます。亮です」
「ああ、亮!どうしたの?」
「今ニューヨークに着いたんですけど、
今夜から3日間部屋に行きますがいいですか?」
亮はニューヨークでアパートの部屋を尚子とシェアしていたので
確認の電話をかけた。
「もちろん良いわ、今夜一緒に食事しよう。友達紹介するわ」
「今夜ですか、ボストンの刑事さんと一緒なんですけど良いですか?
それにその後会う人がいます」
「いいわよ、ところで今何をしているの?」
「リーブ・ホテルの前に立っています」
亮はニューヨークの摩天楼を見上げて言った
「うふふ、私11時からダンスのレッスンなの綺麗な女性がいるわよ」
「はい、観に行きます」
亮は喜んで返事をした。
~~~~~
亮はリンカーンセンター近くのビルにあるダンススクールに入り
受付の前に並んでいる椅子に座っていた生徒達が
スマートでイケメンのアジア人男性に気がつき一斉に亮を観ていた。
「なにか?」
受付の女性が亮に聞いた。
「えっ、いえ。友人を待っています」
「うふふ、ごゆっくり。そちらに座ってお待ちください」
受付の女性は微笑みながら答えた。
亮は空いてる椅子に座って回りを見渡すとレオタード姿に着替えた
女性がスタジオに入って行った。
「はあ」
亮は長い足の女性たちが次々にスタジオに入る姿を見てため息をついた。
「おはよう、亮」
レオタード姿に着替えた尚子が亮に声をかけた。
「あっ、お久しぶりです。尚子さん」
亮がそう言って立ち上がると尚子は亮にハグをした。
「今からレッスンを受けるので、観て待っていてくれる?」
「良いですよ」
20人ほどの女性がガラス張りのスタジオに入り
亮は嬉しそうにそれを覗き真剣な眼差しでダンスを観ていると
亮の顔を見て受付のサンドラが笑いながら聞いた。
「ねえ、あなたダンスが好きなの?それとも・・・うふふ」
「ダンスは良いですね、見ていて楽しいです」
「そう、良かった。あなたも習ったら?」
「僕はボストンの大学に行っているので・・・」
「そう、残念ね。うちの学校の卒業生でブロードウェイの
スターになっている人がたくさんいるわ」
サンドラは自分の学校の自慢を亮にしたかった。
「そうでしょうね、特にピンクのレオタードとヒョウ柄のショートパンツ
黒いタンクトップの女性は上手ですね」
「そう、あの三人はダントツね」
「ただピンクの女性は体が硬くてヒョウ柄の女性は
体が左に偏りますね、黒いタンクトップの女性はステップに自信がなさそうです」




