表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
グッド・ジョブ エピソード0  作者: 渡夢太郎
二章 再会
10/132

高田の陰謀

「團君、休みの日は何をしているの?」

「時々車で軽井沢まで行きます」

「軽井沢に別荘があるの?」

「いいえ、雲場池の近くの祖父が作った研究所です」

「研究所?」


「はい、祖父は漢方薬の研究をしていたんです」

「そうか、それで團君も薬剤師に」

「ええまあ」

亮は製薬の研究を目指した理由に沙織が関係していたが

説明するのが面倒だったので笑うだけだった。


「團君車持っているの?」

「学生の僕には無理ですよ。父のを借りています」

「ドライブ好き?」

「ええ好きです、秋山さんは?」

「大好きです」

「高田さんは車何乗っていたんですか?」

亮は学生社長の高田の話を聞きたかった。


「フェラーリに乗っています」

「やっぱり、儲かるんですね」

「うん、年商5億円とか言っていました」

「5億円ですか。1日140万円の売り上げは凄い、通販は無店舗営業だから

 家賃、販売員の人件がかかりませんから、利益率は高いです」

「学生向けのサイトで、ブランド品の新品とリサイクル品を扱っているの」

「どこから仕入れているんですか?」

ブランド品は正規代理店か並行輸入品しか入手方法しかないので

仕入れ方法が気になっていた。


「学生が旅行先で買った商品を買い取ったり、中古品を買い取ったりしているわ」

「そうか、学生のネットワークを使っているんですね。すばらしいアイディアです」

「それに、お父さんが色々アドバイスをしてくれるらしいわ」

「いいですね」

亮は親子でビジネスをやる仲の良さ感動していた。


「團君もお父さんと仲が良いんでしょう、今日色々とお世話になったし」

「まあ、そうですね。でも僕はおじいちゃん子ですから」

「そうなの」

「小学校に入ると夏休みは祖父に軽井沢で勉強とテニスを教え込まれました」

「じゃあテニスはうまいの」

「ええ、個人コーチも付きました」


「プロにでもするつもりだったのかしら?」

「祖父に言わせると、判断力、スピード、筋力バランスがいいスポーツらしいですよ」

「そうなんだ」

秋山がうなずくとちょっと太った青い目のシェフやって来て亮に挨拶をした。

「いらっしゃいませ、亮さま、秋山さまお口に合いましたでしょうか?」


良子は高い帽子をかぶったシェフが挨拶に来るのは

テレビの中のようで感動していた。

「とてもおいしいです」

良子が言うとシェフは頭を下げた。


「ありがとうございます、デザートにはル・フルールの

トリュフです。ごゆっくり」

シェフは亮に挨拶して奥のテーブル方へ行った。

「凄い、なんか嬉しいわ、よく雑誌に載っている人ですよね」

「はい、ピエールさんです」

良子が感動しているとそれを高田と川野が観ていた。


~~~~~~~~~

「なんだ、あいつら」

高田が亮たちを睨み付けた。

「気分悪いわね、こっちに挨拶に来ないわ」

川野もブツブツと文句を言った。

「シェフは常連とか特別な客にしか行かないんだが

 あいつらは特別なのか」

高田は気になって落ち着かなかった。

~~~~~~~~~~~


亮と良子のテーブルにデザートが出された。

「わあ、おいしそう」

良子が手を上げて喜んだ。

「ル・フルーのトリフチョコレートムースに

エスプレッソゼリーをサンドした

ドルチェファンブリガでございます」

ウエイターの声に川野はそのデザートを覗き込んだ。

~~~~~~~~~~~~

食事を終えた高田がチェックをしようとして立ち上がると

支配人が来てそう言って高田を座らせた。


「お客様、チェックはお席で」

それを見ていた亮は美佐江の言ったことに納得した。

「なるほど・・・」

亮はそれを見てチェックしようと手を上げると支配人が答えた。

「團さま、お支払いは済んでおります」

「はあ、はい」


シェフのピエールとソムリエの立川が出口で

亮と良子を見送る姿を見ると

高田と川野は不思議な顔をして支配人に聞いた。


「今の二人は?」

「團さまは特別なお客様です」

「特別?」

「はい、特別でございます」

支配人はニッコリと笑った。


~~~~~~~~~~~

亮が2階の美佐江の所へ戻り礼を言った。

「姉さんおいしかったよ」

亮と良子が頭を下げると美佐江が急いでいた。

「亮、着替えて」

「ん?」

「久しぶりに家族でパーティへ行くよ。秋山さんもね」

美佐江は秋山の顔を見て微笑んだ。


「あっ、はい」

「秋山さんは着替えなくて良いけど。亮はタキシードに着替えて」

「は、はい。千沙子姉さんは?」

「ええもちろんよ、彼女がいれば楽しいわ」

美佐江は亮に向ってウインクをした。


亮たち三人は六本木のパーティ会場にタクシーで着くと

玄関に男が立っていた。

「いらっしゃいませ、團さま」

美佐江が入口で受付をすると亮に言った。


「お父さんは2階のVIPルームにいるわ、先に行って」

「はい」

亮と良子は2階のVIPルームはバルコニーに様になっていて

ステージと会場が見えるところだった

「おお、来たな」

秀樹と久美は嬉しそうに笑うと亮は

良子を紹介した


「はい、お父さん秋山良子さんです」

「初めまして、亮の父親です」

「母の久美です」

二人は丁寧挨拶をした。

「始めまして秋山良子です」

良子は秀樹の落ち着いた雰囲気に飲み込まれていた。


「お父さん」

「ん?」

「JP通販って知っていますか?」

「ああ、五島商事の子会社でうちの取引先だ」

「何を売っているんですか?」


「輸入家具や宝石、ブランド品だ」

「それがどうした?」

「いいえ、ちょっと」

秀樹は亮の肩を叩くと久美に話しかけた。

「さて、そろそろ行こうか。かあさん」

「はい」

亮の両親は腕を組んで仲良く下のフロアーに出て行った。


「團君の、ご両親素敵」

「ああ、パーティ慣れしているんです。それに主催者ですから」

「そうなの?」

「ええ、美宝堂のお客さんはセレブばかりなので

 こういうソシアルパーティの場で挨拶と営業をしているんです」


「お仕事なの?」

「ええ、世界のブランド品の直営店は銀座やデパートにもあるけど

 お得意様は今でも美宝堂で買っているんです」

「すごい、團君将来は美宝堂の社長になるの?」

良子は亮が医者にならなくてもいい気がした。

「いや、こんな所に来て頭を下げて歩くのは嫌です」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ