A6スキル:捕食能力
のんびり屋根裏で過ごしたり、ケージでだらだらしていただけで餌が貰えた元の世界と違い、今は自分たちで狩り、捕獲した魔物、モンスター?を自分たちで解体して食べなくてはいけない。
赤ちゃん蛇の頃からずっと、狩りなどしたことがない僕はいくら蛇という種族だとしても弱い、弱すぎると思うしかなかった。
自分たちでというのは一緒にたまたま近くに転移だかしてきた、シュンとかいう人間が僕と行動を共にしているからだ。
人間のほうが蛇より弱い、と僕は思うのだが、
彼は強い。
なんか知らんけど強い。
どうみてもこっちが相手の捕食対象に思える魔物をバッタバッタと倒しているのだ。
もはや食料には困らない。
ただ、安全に洞窟から脱出したいから倒しているという感じである。
しかも、倒すたびに経験値が入っているらしく、レベルアップやら、スキル獲得やらスキルアップやらの通知音がうるさい。戦ってる横でパコンパコンとレベルアップの音が聞こえてくる。こっちの集中が切れれるくらいうるさい。
かなりのスピードでレベル&スキルが上がっている。
そういう僕もなんだか蛇なんだかなんなんだかもはや分からないスキルまで取得してしまった。
蜘蛛の魔物を倒して、試しに食べてみたところ、糸を吐けるようになったのだ。
糸を吐く蛇なんか聞いたことないし、蛙を倒して毒耐性と毒攻撃スキルをゲットしたのだから、不思議でもないのだが、糸が吐けるとは驚きだった。
しかも謎に目が利くようになったのだ。
蜘蛛の能力恐るべしである。
どうもそれはスキル:捕食能力によるものらしいのだが。
謎の声が
スキル:捕食能力をゲットしました。
と言っただけで能力の説明とかしてくれたわけではないので、分からなかったのだが、多分スキル捕食能力のおかげかと思う。
そして劇的なことが起こった。
オウムによく似た魔物がいて、
「新しい侵入者ですね、倒しますね。」
となんと、会話が出来る鳥型の魔物。
確かに元世界にいたオウムも話すことができたし、ある程度意思を持って会話とかしていたのかもしれないが、この洞窟にいるオウム、やたらデカい鸚鵡も話すのだ、人の言葉を。
そして飛びながら嘴でつつく攻撃と、目からビームを出すという攻撃をしてきた。
パンチが主戦力のシュンには歩が悪い相手である。
ここは僕の出番だ。
ひゅーっと、飛んでくるオウム野郎に、僕は糸攻撃をかまして動きを封じ込める作戦に出た。
しかし、ひっと言う声を出して、ちょこまかとよけながら、こっちにビームを放ってくる。こちらもビームをよけながらの糸を飛ばすのでなかなか当たらない。
「ふぁわーはっは。」馬鹿にしたように笑いながら旋回するオウム。
空中からのビーム攻撃。
完全にこっちが不利とみて嘲笑しながら飛んでいるのだ。
これは少し頭を使わないとやられる。
取り合えず、大きな岩があったので、そこの裏に回り身を隠すことにした。
障害物がない場所ではこちらが不利過ぎる。
岩と岩の間、そして岩の上に僕は特に見えにくい糸を張った。
敵がイライラして近づいてくればこっちのものである。
更に別の岩にそそっと移動。
そこにも糸を張った。
こっちは地味なアースカラー。岩と同化して見えにくい仕様である。対してオウム先生は蛍光緑と来たものだ。綺麗な蛍光緑、エメラルドグリーンの羽が美しい鳥型モンスター。
「みいつけた!」
チラッと岩の陰から顔を出すと、オウム先生さっそく華麗に旋回して、そして急降下、
そうそうあっちはビームがある。だけど、さすがに届く距離には限度があるみたいで、それなりに近づかないとこちらに攻撃が当たらないという。
なので、それなりに近づいてくるのだ。
顔を出してから、後方に全速力で下がる。
そうすると、思った通り、岩と岩の間を抜けるように飛んできて
はまった。
僕の張っておいた糸の罠に。
羽に粘着質の糸が絡まって、
「ちょっと、何これ、やだあ。」




