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魔法使いの知らないソラ   作者: IKA
最終章 友と明日のソラ編
23/27

第二話 光と闇の交錯 前編

――――――力の差は歴然だった。


無傷で涼しい顔をした、闇と氷を使う魔法使い/冷羅魏氷華。


火傷、切り傷、擦り傷、骨折、打撲、出血を全身にしている魔法使い達/相良翔、井上静香、護河奈々。


その周辺は、まるで爆撃でも受けたかのように荒れ果てていた。


大地は抉れ、穴だらけになっていた。


彼ら、相良翔達はこの場所にきた瞬間から、戦いは始まった。


翔、静香、奈々による同時攻撃。


そしてそれを迎え撃つ冷羅魏。


四名の一撃はぶつかり合い、一つの衝撃を生み出した。


その結果、翔達が負けて吹き飛ばされた。


三人の奥義すらも届かず、遂に全滅に至った。



「こんなものか‥‥‥」


「くっ‥‥‥」



冷羅魏は翔の頭を踏みおろし、グリグリと地面に擦り込ませる。


全身の痛みから、立ち上がることができない。



「このッ!!」


「ん?」



翔を狙うことに集中していた冷羅魏は、背後から迫る奈々に気づかなかった。


反応が遅れたことで防御はできず、奈々の回し蹴りを直撃した。


狙い通り、後頭部に直撃した。



「効かねぇなぁ!!」


「ッ!? きゃぁっ!!」



だが、奈々の一撃は冷羅魏に一つの傷もつけず、そしてそのまま裏拳で奈々の脇腹を当てて殴り飛ばした。


奈々は地面を削りながら飛ばされ、再び倒れる。



「閃光よ、全てを貫く槍となれ!!」



それとは反対方向から、淡い桜色の魔力を纏いながら冷羅魏を襲う一人の少女。


右手に持たれるレイピアは、魔力によって槍のように変わり、光の尾を引いて冷羅魏に迫る。


井上静香により、強力な一撃だった。


全てを貫く、閃光の槍――――――『龍討つ閃光の桜槍エンプレス・シュトラール



「邪魔だッ!!」


「そんなっ――――――!?」



だが、その一撃は届くことはなく、冷羅魏は右手で漆黒の鎌を横に振って、静香を斬り飛ばす。


幸い、魔力が全身を守ってくれたため、切り裂かれることはなかったが、それでも遠くに飛ばされて意識を失ってしまう。



「こんなもんなのか? お前ら、この程度で俺に挑もうとはな!」


「くっ‥‥‥そぉ!」



翔は立ち上がるため、白銀の魔力を全身に行き渡らせると、爆発させて衝撃波を発生させる。


衝撃波で冷羅魏の足は翔の頭から離れると、翔は瞬時にその場から離れ、立ち上がる。



「はぁ、はぁ、はぁ‥‥‥まだだッ!!」



そう言うと、右手に白銀の刀『天叢雲』を持った翔は脳内に流れる膨大な魔法文字ルーンを複雑に組み合わせて、魔法を具現化させる。


刀身に白銀の魔力が集結し、光り輝く刀へと変化させる。



「喰らえッ!!」



気合一閃、翔は腰を低くしてそのまま一気に駆け出すと、瞬時に冷羅魏の懐に飛び込む。


そして、上段の構えから勢いよく刀を振り下ろす。


白い残影を残し、その一閃は真っ直ぐに振り下ろされる。


光り輝く裁きの一閃――――――『天星光りし明星の一閃レディアント・シュトラール



「だから、――――――効かねぇんだよ!!」



そう言うと冷羅魏は左に一回転して鎌を振り下ろす。


その鎌に、闇の力と氷の力を込めて切り裂く。


 氷結に闇を纏わせた一閃――――――『氷結刈り取る漆黒の刃コンゲラートデス・シュトラーフェ』。


翔の放った斬光は漆黒の氷に飲み込まれ、粉々に砕け散った。



「何で分かんねぇんだ? こんなこと、無意味に決まってる。 とっとと逃げればいいものを」


「うるさい! 俺達は無意味だなんて思ったことはない。 ここにいるのは、ただルチアを助けるためだ!」


「それも無意味だ。 あの女の生命力も、魔力も、もうほとんど残ってない。 お前らがいくら足掻いても、あの女は死ぬんだよ!」


「だから、それをさせないためにここにいるんだろうがッ!!」



翔は自身の持つ、様々な性質の魔力を放出させる。


白銀の魔力を主体に、炎・水・土・雷・木と言った、五つの性質と五つの能力を持つ魔力を、その一刀の刀に集結させる。


その膨大な魔力は、常闇の世界で強く輝き、オーロラが翔の全身を纏うように見せる。


翔が発動させる魔法は、限界まで魔力を使った最強の一撃。


脳内に溢れ、流れる膨大な魔法文字ルーンを複雑に組み合わせ、さらに五回に渡り魔法文字ルーンを組み合わせ、出来上がった合計六つの魔法文字ルーンを一つにする。


脳はオーバーヒート寸前まで熱くなるが、翔はやめようとしない。


限界の、さらに限界を突破した一撃を、翔は冷羅魏にぶつける。



「はぁぁぁぁああああああッ!!!」



右腕を天に上げ、左腕を前につき出す。


そして魔力が溜まったところで、翔はその一撃を放つ。



「天王星の力、我が全ての力を持って、総てを破壊せよ!」



翔は一歩前に足を出すと、そのまま一気に刀を振り下ろす。


すると、刀身を纏った魔力が、光速を超える速度で放たれる。


一直線に放たれた一閃は、大地を抉り、大気を震わせ、激しい爆発音をたてる。


その一生を終えるときに起こす大規模な爆発現象――――――超新星の如き魔法。


全てを持って総てを破壊する、天の魔法――――――『星光総て斬り裂く聖刀スターダスト・ノヴァ・ブレイカー



「待ってたぜ! その一撃を!!」


「んだとッ!?」



迫る中、優越に浸る笑を崩さない冷羅魏は、鎌を両手で握り、上段で構える。


そして迫る翔の一撃を、全力の魔力で迎え撃つ。



「おらっ!!」



漆黒の一閃と、翔の全力がぶつかり合う。



「ぐぅぅっ!!」


「いいぜ!! もっとだ!!」



光と闇がぶつかり合い、激しい爆発の閃光が、世界を包んだ。


ルチア=ダルクを救うための戦いは、始まったばかりだった――――――。

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