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第26話 0.02%を越えて/世界との共存

あの日以来、妹は無事だ。

だが、0.02%の奇跡を踏み抜いた代償は、体だけでなく心にも残っている。

世界は、俺を無理に消そうとはしないが、常に監視しているかのようだ。

息をするたび、微かに緊張が胸に残る。



朝、キッチンで朝食を取りながら、妹は何気ない会話をしている。

「お兄、昨日の夜、寝れた?」

「……ああ、少し」

本当は、昨日の代償を思い出すと、胸が痛む。

だが、笑顔の妹の前ではそれを見せるわけにはいかない。



通学路。学校の廊下。友達との会話。

すべてが、昨日までの戦いの続きに見える。

だが、俺はもう知っている。

小さな干渉が、積み重なれば世界に影響を与えることを。

そして、その力は恐ろしいほど脆いが、確実に存在することを。


――俺は異物だ。

世界の規則から外れた存在。

だからこそ、妹を守ることができた。



放課後、医師からの連絡はもうない。

あの診察室も、もしかしたらもう存在しないのかもしれない。

それでも、教えられたことは忘れない。

「踏み込めば代償は増える」

「君は例外だ」


例外――それが、俺たちの生きる道の証だ。



夕暮れ、妹と並んで歩く帰り道。

「お兄、なんか元気だね」

「そうかな」

答えは簡単ではない。

だが、心の奥では、確かな自信が芽生えていた。

0.02%の奇跡を越えた者は、もう一歩先へ進むことができる。


――世界と完全に対立することはできない。

しかし、共存することならできる。

俺たちの手で、妹の未来を、確かなものにしていく。


夜空に星が瞬く。

無数の光の中で、0.02%の未来が確かに存在している。


「守る、ずっと――」

小さくつぶやく声が、静かな夜に溶けていく。


妹の笑顔、日常、希望。

それを失わない限り、俺は戦い続ける。

世界の意思と折り合いをつけながらも、俺たちは生きていく。


0.02%を越えた未来。

それは、俺たちのものだった。

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