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24 雨の日が好きだった。雨の音を聞いていると、なんだかすごく心が安心した。

 雨の日が好きだった。雨の音を聞いていると、なんだかすごく心が安心した。


「ほら、じゃあ、次」

「え?」草子は言う。

「だから、次は、弱虫さんの自己紹介だよ。私が名前を名乗ったんだから、君も自分の名前を私に名乗るの。それが、普通。当たり前でしょ? それとも君はずっと私の中で弱虫さんのままでもいいの?」と笑顔のままで夕子ちゃんは言った。

 それは確かに嫌だった。

 私は弱虫じゃないし、弱虫さんという名前でもない。

 私にはちゃんと朝露草子という名前があった。(草子という名前は自分でも気に入っている名前だった。少なくとも弱虫さんよりはずっといいと思った)

「それに握手。ほら、早く手を握ってよ。いつまで私はこうして君に手を差し出していればいいの?」

 今度は、ちょっと不満そうな顔をして、夕子ちゃんは言う。

「え? ……あ、うん。ごめん」

 ぼんやりしていた草子は、はっとなって夕子ちゃんに言う。

「君は弱虫さんでもあって、ぼんやりさんでもあるんだね。さっきからなんども、ぼんやりしてるよ。なんだか、『心がここにないって顔』している」にやにやと笑いながら夕子ちゃんは言った。

 夕子ちゃんにそう言われて、恥ずかしさで顔を赤くしながら、草子は、そっと夕子ちゃんの差し出してくれた手を遠慮がちに握った。(夕子ちゃんの小さな手は、やっぱりすごく冷たかった)

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