表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/30

14

 草子は、きょろきょろと自分の周囲の地面を見る。でも手頃な大きさの木の枝や、あるいは石のようなものはどこにも落ちていなかった。

 これは、もう森の熊さんだったら逃げるしかない。

 草子は思う。(そして、なぜか小さく笑った)

 ……案外落ち着いている。どうしてだろう? 怖いことは怖い。ほら、足だってちゃんと震えている。(草子の両足は、さっきからずっと小さく震えていた)でも、なぜか心は思ったよりは落ち着いている。

 私は死ぬのが怖くないのかな? ……いや、そんなことはない。『死ぬのは怖い』。じゃあどうして私の心は、こんなに落ち着いているのだろう?

 ……もしかして、『やり残したことがないからだろうか』?

 記憶がないからわからないけど、もしかして記憶をなくす前の私は、すでに『私のやるべきこと』をやったあとなんじゃないだろうか?

 だから、私は落ちついるのだろうか?

 だから私は、こんな深い森の中にたった一人でやってきたのだろうか?

 私は、……もしかしてこの場所で、……。いや、でも。そんなはずはない。きっと、絶対、違う。私は……。でも……。じゃあ、どうして私はこんな場所にひとりぼっちでいるんだろう?

 と、そこまで草子が考えたところだった。

 急に自分のすぐ目の前になにかの気配を感じた。

 その気配を感じて草子はしまったと思った。考えに集中しすぎた。森の中にいるなにかの気配を探ることをすっかりと忘れていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ