第68話 吹っ切れた?
いよいよ勝毎花火の日ですね。
今年も現地には見にいけませんけどね。
<第68話>
やあ、オレの名前はANDREW!
花火といえば、スターマイン大好きアンドリューです!
花火ってのは素晴らしい文化だよなあ。
暗い夜空に咲く光の芸術。
この十勝には、全国的に有名な勝毎花火大会っていうすげえ花火大会があってな。
とにかくすげえから一回見てみた方がいいぜ。
某有名動画サイトでも生中継するし、Youなストリームでも配信してるぜ!
オレもコメントつけちゃうかもな!
「ふう、終わった終わった」
迷宮でのプレゼン兼お食事会が終わって、オレは自分部屋の高級ソファで寛いでいるところだ。
さっと召使いの夢魔たちがジョッキに入ったよく冷えたビールを持ってくる。
当然塩ゆでの枝豆もセットでだ。
「いやー、枝豆とビールは正義だよなー」
「まったく。私的にはソーセージとビールを推したい」
「ワシはどっちでもええのう」
シルヴィアとノンノも酒盛りに参戦だ。
仕事の後の一杯は格別だな。
「なにくつろいでくれちゃってんのかしら?」
「ソラも飲めよ。一番働いたのはソラだからな」
「え、そう? じゃあ一杯・・・って何言わせんのよ!?」
ジョッキに手をのばした所で我に返るソラ。
全く細かいやつだなあ。
「いいじゃねえか。ソラにして見りゃ大チャンスだろうが。こっちの世界でだけど、間違いなく自分の店も持てるし、大勢の弟子が育っていくんだぜ?」
「それは分かってる。でも、私はまだただの学生で、それに・・・」
「うじうじ悩むのはやめろよソラ。お前にはセンスがある。オレが保証してやる。自分の立場を考えてるだけなら、そのポジションに見合った仕事をすればいいだけだろ?」
「簡単に言ってくれちゃって・・・」
まだ迷いが見えるな。
「さっきの連中の顔見ただろ」
「顔?」
怪訝そうな顔をするソラ。
何を言いたいのかよく分かっていないようだ。
「ああ。みんなソラの料理で楽しんでただろうが。笑顔だったろ。美味い酒と美味い飯。不思議なもんでな、人間、それがありゃあ何があってもそれなりに生きていけんだよ。その助けになるってだけで料理人冥利に尽きるってもんじゃねえのかよ?」
「・・・・・・」
顔つきがちょっと変わったようだ。
「トラのくせにいいこというじゃない」
「トラのくせには余計だよ。オレはこうみえても大魔術師なんだぜ?」
「それ、今関係ないじゃん」
「お、笑ったな。そうだよ、美味い料理は人を笑顔にするんだ。料理人が難しい顔してちゃいけねえよ、ソラ」
それでいい。
せっかく可愛い顔してんだから笑ってりゃいいんだよ。
胸はねえけどな!
「何か今不快なことを考えたでしょ?」
「そ、そんなことねえぞ!?」
エスパーか、こいつ!!
「よし、分かったわ。でも、一個だけ」
「なんだよ?」
「私が学校卒業してからにしてくれるかしら。卒業して、それから修行の旅にでることにすれば、長期でこっちの世界にいても変に思われないでしょうし」
「修行って・・・」
お前、一体何になる気なんだよ・・・。
本場中国の特級調理師どもをなぎ倒した某鉄鍋の料理人にでもなる気か。
「あくまで例え話よ」
「まあ、それくらいは当然だろ。あと一年切ってるんだ。ちゃんと卒業して、立派な料理人になってから遠征しに来ればいいさ」
「うん、それでいいならいいわ。立派な調理師になってから頑張るわよ」
「それでいい。頑張れよ、ソラ」
オレもとりあえずそれまでは猫やってるとするか。
しかし、そうなった時にオレはどうすんだろうな。
現代社会に生きるのか。
それともこっちの世界に戻るのか。
それが問題だ。
ん?
自由に行き来できるようになったんだから、悩むことなくね?
うわ、自己完結しちまったよ。
よし、これからも自由気ままな異世界ライフを送るとするか!
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