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『下ごしらえ』で冒険者を目指す ~地味スキルなのに、なぜかモテる件~  作者: 紡里
第十五章 王都の冒険者

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クランの会議

 朝食の後に、会議をすると声をかけられた。


 昨日の会議室に入ると、同じような顔ぶれに数人増えている感じだ。

 バスラが席に着くと、すぐに話し合いが始まった。

「さて、岩モグラがこのクランを目指して進んでいるという話だ。

 どう対処するか、いい案はあるか」


 それぞれが自由にしゃべり出した。

「とりあえず、土の魔法使いには待機してて欲しいよな。遠征に出るの禁止」

「え~、まあ、そうね。了解」

「宗教団体の拠点を襲って、幹部を数人捕まえてくるか。なぜこちらを襲ってくるか意図を確認しよう」

「そんな奴ら、問答無用で潰せばいいんじゃないか?」

「やりすぎてこちらが犯罪者になるのはよくない。国だって危険視しているだけで、手をこまねいているんだぞ」

「うちのクランと関わる部分だけ対処したらいいんじゃないの?」

「どうゆーこと?」

「サークレットの制作者を捕まえて……フォンさんだっけ? 彼女の状態を改善すればいいだけでしょ」

「他国にも進出しているから、この国の王都の拠点に制作者がいるとは限らない。そこだけ潰しても意味がないかも」


 ああ、問題が山積みだ。いろいろなことが絡み合って、解決の糸口が見つかりそうもない。


「それじゃあ、夢魔を呼んできましょうか。夢の中では、ほぼ嘘がつけませんから」

 事もなげにオンが提案した。

「ほぼ、というのは?」

 バスラがその言葉を聞き咎めた。

「自覚なく罪を犯しているものは、自分に都合のいいことしか言いません。宗教関係者は正義感に凝り固まっているので、正確な情報を引き出すのが困難な部類でしょう」

 会議室は「ああ……」と納得と脱力の空気に包まれた。


「狂信的な宗教団体と関わるのが厄介なのは、話が通じないせいもあるよな。

 そもそもの話、宗教団体の拠点は割り出せるのか?」

 バスラがオンに重ねて訊く。

「少し時間がかかりますが、不可能ではありません」


「どんな対処をするにせよ、うちのクラン単独で動ける規模の話じゃないな。建物に不法侵入したと訴えられても面倒だし。

 宰相にでも相談するか。オン、時間稼ぎはできるか?」

 国に相談するとなったら、それだけで数日かかるもんな。


「岩モグラをちょっと脅して、進みを悪くしたらいいでしょうか?」

「ああ、それで頼む」


 結局、話し合いは「国に相談」という形に落ち着いた。

 誰が王城に行くんだろう。

 そんなところに行くバスラたちは大変だ。心の中でエールを送ろう。

 ……まさか、俺は呼ばれないよな? いや、パーティーメンバーが関係しているから当事者か。


 ――気ままな冒険者生活、どこに行った?


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