表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『下ごしらえ』で冒険者を目指す ~地味スキルなのに、なぜかモテる件~  作者: 紡里
第十四章 クランでの生活

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

230/298

討伐報酬の精算

 俺たちは日が暮れる前に王都の門を潜り、冒険者ギルドに討伐報告をした。

 報酬は一旦ルナの冒険者タグに入れてもらい、配分は明日改めてすることにした。もう、今日は風呂に入って飯を食って寝たい。


 ギルド職員がオンをちらちら見ながら、恐る恐る尋ねてきた。

「あの、そちらの方も討伐に参加されたのですよね? 環境への影響は……魔力のコントロールとか、いかがでしたか?」

 言葉を選んでいる様子に、苦笑いが浮かぶ。


 後ろに控えていた護衛がすっと前に出てきた。

「そのあたりのお話は、後日クランの幹部と話していただければと――」

「あ、そうですね。無傷での討伐達成、おめでとうございます」

 職員はパッと切り替えて、俺たちの無事を祝う。


 オンはそのやりとりをじっと見ていた。表情がなくて、何を考えているかうかがい知ることはできなかった。


 サァラがそのオンの顔をのぞき込んだ。

「お風呂、一緒に入るかにゃ?」

 オンは目を見開いた。

「あ、うん。……はい」

 それだけ言うと、真っ赤になる。

「あたしたち相当臭いからね。髪の毛なんか三度洗いしないといけないかも」

 ルナがポニーテールを揺らした。


「俺たちも一緒に風呂に行くか」

 アーデンが俺の背中を叩いた。

「着替えを取りに行くだけで、部屋が臭くなりそうです」

 と返したが、クランでは臭くなった服を洗濯してもらえる。今まで自分たちで洗っていたのに比べると、すごく楽だ。

 戦って稼ぐ人とそれを支える人で分業しているんだな。その分、どんどん稼がないといけない。

 オンを戦力に数えることができたら、クランの収入がぐっと上がりそうだ。何か、できることはないだろうか。強すぎる魔力を絞って、標的以外への被害をなくす訓練……。



 翌日の午前中は、クランハウスの一室を借りて、討伐報酬の精算と反省会をした。それぞれの要望をメモして、今後に活かすための資料にする。

 エドガーの報酬は商業ギルドのタグにつけた。いよいよ冒険者タグが欲しくなってきたようで、アーデンと話し込んでいる。

 護衛の人にもデッドフロッグ一匹分を配分しようとしたら、護衛として報酬を受け取っていると辞退された。

「訓練させてもらって、得したよ」

 なんか、スマートで格好いいな。


 それに比べたら、ちょっと言いづらいけど、俺は手を挙げた。

「あの、よかったらその金を借りてもいいですか? オンの訓練を一つ思いついたので、職人街で作ってもらおうと思うんだ。

 あ、だから借りるんじゃなく、『先行投資としてその金を使わせてほしい』だな」

 断られるかな? 俺たちの報酬を削ってやることじゃないし、出過ぎた真似かもしれない。


 オンの目がキラキラしている。

 護衛をやってくれたAランク冒険者が身を乗り出してきた。

「その話、詳しく……。いや、場所を変えて幹部のところに行こう」

 冷静で格好いいと思った人が、興奮気味に、椅子を倒しそうな勢いで立ち上がった。

「え? ちょっと思いついて実験したいだけで、上手くいく保証なんかないですよ」

 そう抵抗したが、護衛は俺の腕をガシッと掴んで放さない。

 彼は「話し合いがどうなるかわからないから、オンには待っていてほしい」と告げて、俺だけ連行していく。


「いってらっしゃーい」

 背後から、ルナの呑気な声援が聞こえてきた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ