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『下ごしらえ』で冒険者を目指す ~地味スキルなのに、なぜかモテる件~  作者: 紡里
第十四章 クランでの生活

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デッドフロッグ討伐

 義足のアーデンがいるので、馬車で沼に向かった。クラン所有の大型の鳥が馬車に付けられ、すごい早さで進んでいく。

 オンが身を乗り出して、「すごいですね~」と楽しそうに言った。

 エドガーは上下に揺れる馬車に酔って、真っ青になっている。


 沼に着くと、腐ったような臭いが漂っていた。デッドフロッグが相当数いるのだろう。

 エドガーは酔った上に悪臭を嗅いで、倒木の上に座り込んでしまった。


「殲滅すればいいのですか?」と、オンがきょろきょろ回りを見ながら質問する。


「いや、数を減らします。こいつらは虫を食べてくれるし、蛇系のモンスターのエサにもなる。蛇系がエサを求めて人里に出てきたら困るので」

 と、ルナが答えた。


「んじゃ、何匹以上で何匹未満?」

 サァラが端的に確認する。

「五匹以上で十匹以下だね。それ以上は生態系が崩れるから」

 ルナはちらりとオンを見た。

 オンはなぜ見られたのか理解できていないようで、にこりと微笑み返す。


「じゃあ、まず一匹を仕留めたいと思います。陸に上がっていて、近くに他のデッドフロッグがいない個体を狙いましょう。沼に逃げ込まれたら深追いできないので、工夫が必要です」

 俺は簡単に作戦を説明した。オンに、一匹目は手を出さないように頼んでおく。


 アーデンには、デッドフロッグが沼に向かったら投石してもらう。フォンがいたら風魔法でデッドフロッグを固定してもらって、アーデンにも攻撃に参加してもらえたのだが……とちらりと思ってしまった。


 俺は木製の盾をデッドフロッグに投げつけた。位置を変えて、何個も貼り付ける。

 粘膜に貼り付いた盾を、サァラが蹴って打撲を与える。ドガッ、ドゴッと音がするが、デッドフロッグはうっとうしそうに目を向けるだけだ。

 舌でサァラを攻撃しようとしたところを、ルナが待ち構えてその舌を切り落とした。


 ゴゲェエェと悲鳴を上げ、デッドフロッグはようやく本気になった。重たい前足をビタンと動かし、下草が濡れて汚れる。

 誰を狙うつもりだ?


 サァラはデッドフロッグの背中で跳びはねている。舌で攻撃されなくなったので大胆だ。

 ルナは舌を斬った敵として認定されている。

 俺はたぶん、一番弱い。

 他の人たちは、デッドフロッグの攻撃範囲より遠くにいる。


 デッドフロッグが迷っている隙に、サァラが粉を撒いて背中から飛び降りた。

 粘膜を乾燥させる薬だ。デッドフロッグはサァラを睨みつけ、息を荒くした。

 飛び跳ねて、サァラを追う。

「させるか!」

 ルナは地肌が見え始めたデッドフロッグの足を切りつけた。

 ビシャッと体液が広がり、新たな悪臭が立つ。思わずルナは顔をしかめた。


 サァラは後ろに飛んで逃げたが、デッドフロッグの前進は止まらない。


 ちょっとヤバイか?

 焦ったときに、アーデンが石を投げつけた。石がデッドフロッグにめり込む。皮膚が破けて体液が散る。

 次々と投げられる石つぶてに、デッドフロッグは弱っていき、沈黙した。


 なんだか、すっきりしない倒し方になってしまった。俺の作戦が噛みあっていない……?


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