表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『下ごしらえ』で冒険者を目指す ~地味スキルなのに、なぜかモテる件~  作者: 紡里
第十四章 クランでの生活

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

220/298

冒険者として活動したいが……

 いい機会だからはっきり言っておこうか。

「俺は行く前に調べ物と作戦を練る必要があるので、即日に動く依頼は受けられません」


 そう、最大のデメリットは、俺には準備の時間が必要だということだ。

 多くの冒険者たちは、それを待ってくれない。


「だから、今日はどんな依頼があるか見に行くだけです」

 そう言うと、集まってきた冒険者たちが散っていく。「なーんだ」「使えねぇ」「声かけて損した」と勝手なことを言っている。

 こういう反応には慣れているとはいえ、傷つくな。俺は奇跡のようにパッと何かができるわけじゃないんだ。


「んもう! 馬鹿ばっかりにゃ」

 サァラが代わりに怒ってくれる。

「でも、三人だけで行動するなとは言われているんだよな。事務の人に申告して、護衛をつけてもらわないと。面倒くさいけど」

 ルナはそう言って、ミルクを飲んだ。


「でも観光は三人で行っただろ?」

 ふと疑問が浮かんだ。


「あの日も護衛は付いていたよ。たぶん隠密系のスキルを持っている人だと思うけど」

 ルナがさらりと、何でもないことのように……。

「え、でも、高台で……」

「気にしたら負けにゃ」

 サァラが笑顔で俺の言葉を遮った。

 ちょっと、待て。どういうことだ。

 俺は両手で顔を覆い、しばらく動けなくなった。羞恥心が……故郷とこの国とで、性規範が違うのか? ここで暮らしていく自信がなくなってきた。



「おい、何やってんだ」

 アーデンが俺の背中をバシッと叩いた。勢いで顔から手が外れ、テーブルに突っ伏しそうになる。

 目の前には食べ終わった朝食の皿がある。危ないな、もう。

 振り返ったら、アーデンが片手に朝食の皿を持って、ニヤニヤしていた。


 後ろから来たエドガーが「おはよう。君たちはゆっくりしているんだね」と言いながら、隣に座る。


「そろそろ冒険者活動を再開しようかと相談していて……」

 冒険者ギルドの依頼は、早い者勝ちというものが多い。だから、今、食堂にいるのは、今日は休む予定の人たちだ。


「肩慣らしに軽い依頼を受けるなら、俺も参加していいか? 大剣は振るえないが、スリングで石を投げたりできるぞ」

 アーデンが腕をグルグル回して、アピールする。


「危険がないなら僕も見学したいな」

 エドガーがそんなことを言い出した。

「実は、アーデンから聞き書きした話を出版しないかという話があってね。戦闘シーンに迫力が足りないと思っているんだ」


 そんな理由で依頼に付いてくるって……なに、その行動力。

 出版? 村長の息子なのに、村の仕事どうすんの? というか、隣国に長期滞在しすぎじゃないか。

 エドガーからの情報量が多くて、頭の中を疑問が駆け巡る。


「あの、あたし、護衛はできないけど、索敵が得意です!」

 そんな声が聞こえた。もしかして、俺たちに話しかけている?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ