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十国伝  作者: 魔神
三国同盟編

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第九十八話 「月影の将」

その夜、村雨将軍率いる四万五千の帝国軍は龍国から奪った城内で一夜を過ごしていた。

日が沈み、月明かりが大地を照らす刻───。諸葛龍達一万の兵は村雨将軍を討ち取る為に、急いで準備を進めていた。


そして数刻が過ぎ、夜が深まる中───。城壁に登る見張りの兵達は、とある異変に気が付く。


「急報!急報!城に近付く多数の敵兵を発見しました!!」

「何だと!?……それで敵兵の数は!?」


「はっ!この暗さなので正確な数は分かりませんが、凡(およ)そ一万の兵かと思われます!」

その報せを受けた村雨は敵軍の様子を確認する為、城壁の上へと上がって行った。


こんな暗闇の中なのだ、正確な敵兵の数を確認する手段など有りはしない。暗闇の中で灯(とも)し出される松明の数だけが、敵兵の数を知る目安となる。


南側に集まる松明の数から、帝国兵達は敵軍の数を約一万程度だと予想した。……しかしその松明の灯りは徐々に数を増やして行き、更に西側と東側に移動し始める。そして数えきれない程の、無数の松明の火が城の周りを囲んでいた。


「馬鹿なっ!?何だ、この数は!?」

「恭や宗からの援軍が、もう到着したと言うのか!?」

城外に集まる敵軍の、あまりの多さに驚愕する帝国兵達。


恭や宗からの援軍は遅れると報告を受けていた筈なのである。……来る筈の無い援軍、そして暗闇と城を囲む無数の松明の灯りが帝国兵を恐怖させた。


「囲まれているぞ!一体どうするんだ!?」

「十万以上居るんじゃないのか?……くそっ!一体どれだけの敵兵が居るか、数が分からん!」

……恐怖に怯え冷静さを失い、取り乱す帝国兵達。


「……い、如何(いかが)なさいますか?将軍。」


「…………。」

このまま籠城すべきなのか?それとも、ここは一旦退くべき所なのか?……しかし肝心の、攻めて来る敵兵の数が判別不可能なのである。


攻めて来る敵兵は勿論、こちらには"三英傑"の一人、村雨が居ると理解して攻めて来ているのだ。敵軍は、確実に勝てるだけの戦力を用意している事だろう。

生半可な数で挑んで来る事など、決して有りはしないのだから───。


徐々に近付いてくる松明の灯りが、帝国兵を恐怖に陥(おとしい)れて行く。……そして暗闇が恐怖を煽る中、遂に諸葛龍達の攻撃が始まった。


南門側からの攻撃、そして北側へと移動して行く松明の灯り。……二大将軍村雨は決断する。


「北門から脱出を図る!今なら北側まで敵兵は回ってはいない!すぐに王凱将軍と合流し、敵の援軍が到着した事を報せるのだ!!」


「ハッ!」

「撤退だ!急げ!!」

──ドドドドドドドドド!!

馬を走らせ、北門から脱出して行く帝国兵達。


しかし城門は狭く、一度に大勢の軍が脱出するのは不可能である。必然、帝国軍は長蛇の列を成し、隊は分断される事となった。


そして月明かりしか届かない暗闇の中を進むには、必ず松明の灯りが必要となる。

だが、この暗闇の中で松明の火を灯すの事は自殺行為に等しいのだ。


──ヒュ、ヒュン!

──ドシュ!ドシュ!!

暗闇の中、松明の火目掛けて大量の弓矢が飛来する。


「ぐあっ!」

「馬鹿なっ!?敵襲だと!?」

灯りを照らしていれば、狙い撃ちされるのは当然であった。


突如、雨の如く降り注ぐ大量の弓矢に、為(な)す術(すべ)も無く地に沈んで行く帝国兵達。居ない筈の敵兵による奇襲攻撃に、帝国兵達は極度の混乱状態に陥(おちい)っていた。


「くそっ!?この俺が、この程度の罠に嵌(はめ)められるとは……。全軍、急いで引き返せ!!」


この暗闇の中、何処(どこ)から飛んで来るのは分からない弓矢による攻撃。……それは、さぞ恐ろしい物なのだろう。


──ドドドドドドドド!!

そして混乱を極める帝国軍に斬り込む、諸葛龍率いる七百の兵。

諸葛龍は敵将の村雨が、必ず軍の先頭に居ると読んでいた。……そして諸葛龍は、"三英傑"村雨将軍を討ち取る為に馬を走らせる。


「くっ……。」

無数の松明の灯りの中、月影に照らされながら現れる一人の騎兵。……その姿に、村雨は恐怖に陥(おとしい)れられていた。


数百と言う帝国兵を蹴散らし、単身で突き進む一騎当千の槍使い。数多(あまた)の帝国兵を地に沈めながら、その者は敵将に向けて槍を突き付けた。


「……その首、この諸葛龍が貰い受ける!」

武将紹介

「優駿(ゆうしゅん)」

武力 47

知力 87

主人公 オーラがあまり無い。


一応これでも主人公。

亡き国、優国の王子。

生き別れの妹を探している。

祖国の復讐の為、蛇国と戦う決意をすが。諦めて物乞いや盗みを働いている。

頭は悪く無いのだが、使い方を知らない。

こんな治安の悪い、しかも圧政に苦しむ翔国に来た事を少し後悔している。


「刹那(せつな)」

武力 89

知力 54

髪型 95 かなり気合い入れてる。


村の自警団の一員。

剣の腕は相当な物で、盗賊百人を平気で蹴散らす実力を持つ。この大陸でも屈指の実力を誇ると言えるだろう……。

でも頭の方は、お察し。

綺麗な長髪の黒髪が特徴。毎朝一体何時間掛けているんだ?って位に気合いが入っている。


「公孫翔(こうそんしょう)」

武力 92

知力 99

髪型 98 美容院通ってるの!?


朧(おぼろ)の団の若きリーダー。義賊。これでもかって程、髪型に気合いを入れている。え?毎日、美容院通ってる?ってレベルに気合いが入っている。後、仲の良い妹が一人居る。


「黄牙(こうが)」

武力 96

知力 77

自称 最強剣士。


公孫翔の相棒。非常に腕の立つ剣士。最強を自負しているのだが、実際は……。


「劉士元(りゅうしげん)」

武力 97

知力 67

暗殺 最強の一族


大陸最強の暗殺者一族、"剣竜(けんりゅう)"。


「張翼(ちょうよく)」

武力 94

知力 87

自分 大好き


翔国、臥龍配下の部隊長。その実力から、将来を有望視される人物。野心家で、自信過剰な所がある。


「士龍(しりゅう)」

武力 88

知力 67

努力 家


志願兵の一人。刹那にその実力が認められ、一隊を任せられる。槍の使い手で、実力はそこそこ。割と勘が冴える所もある。


「司馬晋(しばしん)」

武力 93

知力 95

糸目 開眼しないタイプの糸目。


掴み所の無い、何考えて居るのか良く分からない糸目。……その糸目が、開眼する事は無い。


「周衛(しゅうえい)」

武力 92

知力 78

忠誠 100


今は亡き優国、最強の将。九年の時を経(え)て再び優駿と再会を果たす。猫より犬派。


「徐栄(じょえい)」

武力 パナイ

知力 ヤバい

連合 軍総大将


"天覇十傑"に名を連(つら)ね、"三英傑"に匹敵する実力を持つと言われている。宗、龍、恭、三国連合軍では、龍大聖を押し退けて総大将を務める程の大将軍である。

割りと若く、まだ二十代。……かなりの甘党。


「陸閃(りくせん)」

武力 化け物らしい

知力 普通

連合 軍の切り札


宗国の将軍。"天覇十傑"ではないものの最強の将、王禅を討つ切り札と呼ばれる少年。年は十六才。まだ若いが武の才は本物で、天賦の才を持つ。


「朱真(しゅしん)」

武力 かなりヤバイ

知力 軽くヤバイ

騎馬 隊が強くて有名


恭国筆頭将軍。朱真将軍率いる騎兵団は大陸最強と名高く、よく帝国王禅将軍の騎馬隊とどちらが強いのかと噂される程である。

"天覇十傑"の一人で、常に冷静(クール)な猛将である。常に近寄りがたい雰囲気を醸し出しているが、部下の面倒見は良い。年齢は、割りと若い。


「諸葛麟(しょかつりん)」

武力 非力

知力 割りと高い

祖父 が最強


龍国丞相を務めている。

"三英傑"の一人、龍大聖の孫娘。ちなみに祖父は相国(しょうこく)。

祖父である龍大聖程では無いが、かなり知略に長けている。どちらかと言うとほのぼの思考で、戦争はあまり好きなタイプでは無い。

餡蜜大好き。甘露大好き。食べるの大好き。でも太るのがちょっぴり怖い、お年頃……。


「諸葛龍」

武力 秘密

知力 100

超絶 カッコいいお爺ちゃん


龍大聖と呼ばれる龍国の英雄。祖国を救った英雄であり、大陸一の天才軍師と言われている。三国連合軍の副将を務め、二十万を超える大軍勢の指揮を一手に担っている。


「楽勝(がくしょう)」

武力 そこそこ

知力 割りと高め

相当 ヤバい奴


狼国の副隊長。司馬晋の配下である。元盗賊の頭で、残忍な性格をしている。司馬晋に実力を認められ、配下になった経緯がある。

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― 新着の感想 ―
恐るべし諸葛龍の知略!! 一人でいっぱい松明持たせてたのかな〜?
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