第十九日[この門って何だろう?]
雷「この門何だろ?」
矢「あれだよ」
梨「あれって何だよ?」
矢「あれはあれさ」
雷・梨「……全く分からん」
「園比屋武御嵩石門か」
名似何は守礼門を少し過ぎた所にある、平面から見た時に派出所を人工衛星っぽくなるように両脇からなんか伸ばした感じになる石の建物についての看板を見た。
「…なんだそれ?」
「園比屋武御嵩石門は園比屋武御嵩石門でしょ」
名似何は淡々と答えた。
THE STEGO生達は首里城公園の近くの道端で降ろされた。どうやら駐車場に自家用バスが停まるスペースが無いかもしれない、もし停まったら他の観光バスが駐車出来ないかもしれないということだそうだ。
後は暫く自由行動らしいので、名似何と隆次は近くにあった石造りの物体から見ることにした。
ということで2人は、園比屋武御嵩石門を眺めていた。
「つまりここは何なんだよ」
「えー…なんかざっくり言うと、国王が無事に家に帰れますようにって感じだな。…いや違うわ。道中の無事だから、到着した先で雨が降ろうが闇が降ろうが関係無いそうだ」
「厨二乙」
「うーわーさーをーすーれーばー」
「シャドーですわ!」
彦九朗とシルヴィーが近寄ってきた。
「いや違くて、こいつが厨二だっていう話」
隆次は2人を見ながら名似何を指差した。
確かに名似何は、暇になると厨二病にかかっとくことがある。
「厨二か。いいじゃないか。我に勝てるかは置いといて」
「勝てるわけぬっしょ」
「こいつは多分、幼少期にアニメを観まくりゲームをやりまくっていたんですわ。私に勝てるかはさて置いて」
「多分勝てぬ」
4人は目の前の祠らしき物を眺めた。
「でかいなぁ…」
隆次は呟いた。
「私の自宅の何分の1でしょう?」 「ふふふ…祠か。目覚めさせたくなるな」
「目覚めさせるって何をだ?」
「まぁ俺個人としては超古代の美少女機兵なんかが最高だが、そんなのはきっと絵空事だな。せいぜい沖縄を総括するヘリオスドラゴン程度だろう」
「3倍偉大な太陽を思い出した」
「エリクシーラーで攻撃ですわ!」
「最早無理ゲー」
「なんですの張り合いの無い」
「あまり長くやると、この小説が消されかねないからね。2次創作はNGだし」
「最早手遅れだと思いますわ」
「お前らなんの話をしてるんだよ」
隆次が2人を見た。
「この小説パクリだらけだなって話」
「お陰で私も喋りたいこと喋り放題ですわ」
「いやそのちょと前」
「パワーウォール」
「なっ!…トラップ・スタンですわっ」
「月の書」
「ならばマジック・ジャマーですわ」
「意味無いよ」
「あ…」
「…もうやめよう」
「ですわね…」
「あぁあ!やっと分かった!」
隆次は理解したようだ。
「それならば俺は、The Wor…」
「グランドクロス」
「え?それ、どういうのだっけ?」
「で結局、何の話をしているのだ?」
彦九朗は理解していないようだ。
「名前は伏せよう」
名似何は即答した。
「…そうか?」
「今更手遅れではないですの?」
「冗談の解説をするのが退屈なのと似ている。そういうのは趣味じゃない」
「お前の主義かよ」
「ならば仕方ありませんわね」
それから4人は、再び園比屋武御嵩石門に視線を戻した。
「…なぁ、」
隆次がポツリと口を開いた。
「なんですの?」
「いつまでこれ見てる?それとも他の所行く?」
「…では他の所へ参ろうか」
「だな」
4人はなんとなく、別の場所に移ることにした。
「次何見る?」
自分の意見を特に持たない若者、名似何は3人を見た。
「もうちょっとしたら首里城だな」
彦九朗が地図を見ながら言った。
「言われてみれば、前にそんな感じの建物がある気がする!」
隆次は前を指差した。
「ならば次はそこに行きますわ」
「全速前進DA!」
隆次は叫んだ。
「進路をアルカトラズにとれ!ですわ!」
ということで、4人は首里城に着いた。
「…ここが首里城か」
「解説乙」
隆次が即座に反応した。
「そんなつもりで言った覚えが無いのだが」
4人は首里城の外観を見渡した。
「ここで1つ豆知識」
彦九朗が人差し指を伸ばした。
「さっき行った園比屋武御嵩石門もここ首里城跡も『琉球王国のグスク及び関連遺跡群』という一緒の世界遺産に纏められているんだ」
「作者のドヤ顔乙」
名似何はそう言いながら彦九朗と同じパンフレットを開いた。名似何は自分が活字中毒だということを思い出した。
「へぇえ。じゃあここら辺全部その名前なのか?」
隆次は空中に丸を描きながら言った。
「だろうな」
彦九朗が答えていると、
「…プフーッ」
名似何が急に吹き出し始めた。
「どうした?いつにもまして狂ったか?」
「みんなこれ見てみ?」
名似何は隆次の話を返さずにパンフレットの一部分を指差しながら3人に見せた。
「『玉陵』?これがどうした?」
「読みよ読みよ」
「読み…」
隆次も爆笑した。
「何なんですの?」
「たまうどぅん!お前たまうどぅんだぞ!?」
隆次は叫んだ。
「ついでに、『たまうどん』で調べても電子辞書には乗ってなかったり」
名似何は静かに言った。
「ははは、成る程。確かに愉快だな」
彦九朗は納得したようにニヤリと笑った。
「うふっ!どぅん、ってとこがいいですわね」
「いやー、たまうどんってなんだろーなー?」
隆次は空を見上げた。
「玉子饂飩の略でないですの?」
「それは月見饂飩じゃないのか?」
「目玉焼きを使わなければいいのですわ。つまりTKUですわ」
「トルネードキングダムユナイテッド!」
彦九朗が叫んだ。
「なんかイギリスみたいになってるし!」
隆次がすぐ反応した。
「地下うぜぇ」
名似何は呟いた。
「なんだ?ケータイの電波でも届かないのか?」
隆次はまた反応した。
「誓うぜぃっ!」
彦九朗が反応した。
「誓うぜぇえ?ワイルドだろぉ」
隆次は態とらしくニヤリと笑った。
「…ここから遠くはないそうですし、行ってみませんこと?逆走することになりますが」
シルヴィーがパンフレットを見ながら言った。
「いいなそれ!」
隆次は手を叩いた。
「我々が進むべき道は決まった!」
彦九朗は180°回転すると、前方をビシッと指差した。
「とっとこ行くのだ」
名似何は淡々と言いながら回転した。
「…念の為言っておきますが、あれは『ですわ』ではないですわよ?」
「…あぁ、もうあのことは無かったことにして欲しいぜ」
4人は首里城をろくに見ないまま引き返して、玉陵に向かった。
「これが玉饂飩か!いかにも玉饂飩って感じの色してるぜ!」
「特にあそこの黄ばんだ所がいかにもですわ!」
「これは、なかなか低い城だな。地下迷宮と魔物位はありそうだ」
「もっと高い方が玉陵玉陵してると思ったのは私だけかしら」
4人は玉陵を前方に見つけると、回り込んで真正面から見渡した。
玉陵は煉瓦らしき物で造られていて、高さは4、5m程だろうか。但し横に細長い。
「…ここ墓だな」
名似何は案内板を見ながら呟いた。
「あれ?ここら辺ってグスクが世界遺産なんだろ?グスクって、城じゃねぇのか?」
隆次も案内板を覗き込んだ。
「成る程な。いや、違うのだよ。ここら辺の世界遺産の登録名は『琉球王国のグスク及び関連遺跡群』だから、これはその関連遺跡群の1つなんだ」
彦九朗が解説した。
「玉饂飩の遺跡だな」
隆次は呟いた。
「王家の玉饂飩」
彦九朗は続いた。
「なんだか可愛いですわね」
シルヴィーは繋げた。
「饂飩より陵の方が好きだな」
名似何はぼやいた。
「ウドゥーン・ワールドデース!」
隆次は某アメコミ好きのあの人の声真似をした。但しフンイキを近づけただけで、お世辞にも似ているとは言い難い。
「…今、物凄く不愉快な単語が聞こえた気がしましたわ」
「…へ?どの単語?」
「聞くなよ」
「言うのすら嫌ですわ」
「あーじゃあ、お前らのどっちか知らね?」
隆次は名似何と彦九郎を見た。
「聞かせるなよ」
「ハハハッ、やめなよ雷堂。あまり人のトラウマを抉るもんじゃない」
「…私の不幸は蜜の味ではありますが、」
シルヴィーの少しげんなりした顔に、隆次は何かを感じとったようだ。
「…っ!いや悪い!ホントごめん!悪ぃ!んなつもりじゃなかったんだって!ごめん!ホントすまん!」
「…」
シルヴィーは肩を震わせた。
「フフフフ…、リュージが、あのリュージが、必死に謝ってる…」
「…は?」
「アハハハハハ!これは傑作ですわ!」
「は…?」
隆次は呆気にとられたようにポカンとしている。
「いやぁごめんなさいですわ。確かに不愉快な畜生のことを思い出しましたがまさかそれだけでこんなに謝られるとは…」
「シャドーてんめぇ!」
「…さて、」
シャドーはくるりと90°回転すると前を向いて、前をビシッと指差した。
「次は首里城をもう一度見に行きますわ」
「さんせー」
名似何はだらんと手を挙げた。
「塩基性」
彦九郎は両腕をズオッと横に広げた。
「ってか『あの』って何だ!?『あの』リュージってどういう意味だ!?」
4人は再び首里城に着いた。
その後辺りを観光していると時間が来たので、THE STEGO生達はまたバスに乗り込んだ。
今更になって思うのですが………矢手弓はなかなか謎が多いですね
ところで話が変わりますが、首里城の中での行動は皆全く異なります。次話では少し別の人達について触れていこうかと思ってます
それでは!




