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事件のおわり

 ジェイクは仮面を始末した。


 そうするひつようがあったのかどうかはライトにはわからなかった。

 ただ、たしかに仮面が生きていればまたなにかをおこしかねないということはかんがえられた。

 ジェイクが始末したのも納得はいく。

 それにジェイクにとって仮面は元相棒だ。

 きっと思うものがあったにちがいない。


 犯人はたったひとりだったのだろうか。

 それはわからない。

 だが事件はおわった。

 ロボットたちは攻撃をやめ、マフィアたちも安息についた。

 レジ街のマフィアたちが悪行をやめるわけではなかったが、しかし殺し合いがおわったことはなによりもいいことのはずだった。

「おれはしばらく消えることにする」

「ああ、そのほうがいいかもしれないな」

 あとからたくさんのパトカーが駆けつけた。

 ジェイクはそのまえにすがたを消した。

「なによ、このふたり」

 真っ赤な花のなかでふたりの少年と少女がぐっすり眠りについていた。

 真っ赤な花は、魔法の花だった。だが、ライトにはその花がなにかの効力を持っているとは思えなかった。

 いまはすでに消えてしまっただけかもしれない。

「なんでこんなにくっついて眠ってるわけ?」

「仲がいいんだろう?」

 ユキとシャルナのふたりは抱きあうようにして眠りについていた。アンバーはそれを見てくちびるをとがらせた。

「ぜんぜんうれしくないんだけど」

「まあ、そう言うなって。ふたりが戦ってくれなきゃあ、ダラン王の偽者はあばけなかったかもしれないしよ」

「ま、そうね。今日はゆるしてあげるわ」

 アンバーが歩き出した。

「帰るわよ?」

 とアンバーは足をとめて振りかえった。

「早くふたりを運びなさい」

 ライトはアンバーをにらんだ。


 ふたりをエア・カーに乗せ、発進した。

 後方で、トルニコスタ城が遠ざかる。警察の赤いライトが城の庭をくるくると回っている。白いトルニコスタ城が赤く染まったり、夜の闇に染まったりを繰りかえす。


 それからひと月、経った。

 ユキたちはいままでとおなじように学校に通いはじめたようだった。

 ライトはレジ街の事件におわられる日々をおくっていた。

 レジ街はいまもマフィアの事件で忙しい。

 いまだに王が見つかっておらず、マフィアたちはやりたい放題だったのだ。

 そうしてしばらく事件の絶えない日々がつづいたが、しかしあの仮面の引きおこした事件とくらべれば、それはたいしたことはなかった。

 けっきょくあの仮面の正体をたしかめることはできなかった。

 仮面はほんとうにエルール・ヤマトというおとこだったのだろうか。

 その後、たしかにエルール・ヤマトの目撃情報はなかったけれど。

 ある日、ユキからメールがとどいた。

『これから平和な日々がやってきそうです』

 と。

 ライトはそれに、こう返事をかえした。

『そんなのありえねえだろ?』

 あのモテ少年が、平和な日々をおくれるはずがねえ。

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