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転生するなら、やっぱり先に決めておかないと!

初めて作品を掲載させてもらいます。よろしくお願いします。

まあ、簡単に言わせてもらうと、皆さんの快活な読書の邪魔をするしつこいまでのメタ目線がふんだんに使われた作品です。

だけれども、個人的にはかなりの自信作ですから、皆さんに最後まで読んでいただけると幸いです。

一応、25万文字目安で制作しましたので、安心して読んでもらいたいです。

それにしても、便利なサイトですよね。こういうのって、僕の夢だったというか。

まあ、主人公になぞらえて夢を語らせてもらいますよ。僕の夢は世界中の全人類に僕の小説を読んでもらうことですから、皆さんもお友達とかに紹介していただけると嬉しいです。

それでは、異世界の世界へ、まあ一緒に楽しみましょう!!


 「相談に来たんですけど、」

 長い列を待たされたと思えば、なんだか感じの悪い人だ。机で見えていないが、その下で脚を組んでいるのが丸わかりである。耳が長いので、エルフとかなのだろうか、と勝手に想像してみるけれども、まあさっそくこちらの幻想を壊してくれる。

「手短にお願いします」

 胸が大きい。ワイシャツに大きなシワが出来ていて、ボタンが彼女の胸にぎちりと食い込んでいる。

「あの、私悪役令嬢にならなければいけないんですか?」

 あからさまに嫌そうな顔をした。

 列に並びながら私は前にいる中年くらいの女性が何を相談しているのか、聞き耳を立てていたのだが、彼女は「もっとハイスペックな人と結婚させて下さい」と言っていたので、ここは結婚相談所ではないのに、と思いながら聞いていた。

 が、私もここが何の相談所なのかはわからない。「なんでも相談所」と、モブサイコ100で見たことのあるような、信頼に欠ける相談所であることだけは確かだ。

 前に並んでいた女性は、そのあと十分くらい「王子と結婚させろ」とわめき続けて、罰としてなのか、ブサイクな王子と結婚させられることになったそうだ。

 かわいそうに。

 前世なら誰かに同情なんて一ミリもしないけれども、ここなら別だ。そのくらいの権利はあって当然なんじゃないか、と思う。

 まあ、この受付エルフも態度がひどく、ずっと自分の耳をかっぽじりながら、ネットサーフィンの片手間で彼女の対応をしていた。

 ハズレの列に並んでしまった。

「悪役令嬢なんて、最近だと一番人気な転生先ですよ?なんですか?クレームですか?クレームは受け付けてませんよ。私が決めたことじゃありませんし、死んだことを恨んでください。それに、一番人気な転生先ですから」

 少し前まで見ていたなろうサイトと同じ傾向なようだ。

 まあ、あんまり見たことはないけれども、悪役令嬢っていうのは、どっかで他の貴族とかから反感を買って、処刑されたりするものなのだろう。

 じゃあ、嫌に決まっている。

「悪役なんですよね?そんなの、嫌ですよ?王子様と結婚できるんですか?」

 前に並んでいたあの女性と結局主張が同じになってしまったな、と思いつつ、「そもそも、理想を語って何が悪い」と思い始める。というか、本当にそうじゃないか。前世でも、「鏡見ろ」とか「まずは、自分だろ」とか、よく言われてきたけれども、「金持ちになりたいって言うのと同じだろ」と思っていたのだ。理想を語って、何が悪い。

 子供にはすぐに「将来の夢はなんなの?」と聞いてくるだろ?

 理想を語るのは、悪いことじゃない。それに、鏡だって毎日見ているし、そのうえで「なんか、カッコいい王子が上から落ちてこないかな」と思っているだけだ。

 できれば、王子よりは、若いベンチャー企業の社長。慶応卒くらいがちょうどいい。

 もちろん、そんなことが現実に起きないことは分かっている。

 分かっている。

 だから、黙れ!

「でも、一番人気ですよ」

 こちらとは一度も目を合わさずに、パソコンをカチカチ叩く音にかき消されそうな声で、接客をしてくる。

 前世なら、こんなものはすぐにXにさらして終わりなのに。

 不便だ。

 あと、「便利」とか、なんで「便」という漢字を使うのだ?   

 汚い言葉を、自然な会話の中で使わせないでくれ。女性にこんな言葉を使わせようとした変態は、いったいどこのどいつなのだ。

 まあ、どうでもいいことだ。なんとか、このやさぐれエルフへの怒りの矛先を逸らしたかっただけにすぎない。が、それにしても対応が悪い。

「だから、不満があったらここに来て下さいって言われたんですよ。なので、変更して下さいよ!!最後のチャンスですよ!前世で、なんにも上手く行かなかったから、ここに来たのに、結局前と同じですか?」

 前世では、人と話すのが苦手で、自分に自信もなかった。

 なんで死んだのかは明確な理由を覚えていないけれども、どうせ、死んでいるも同然の人生だった。

 というのは、あまりにもありきたりだと思うので、ここでなんとか違う言葉で言いたい。

 死んでいるも同然。

 ・・・・・・・・

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・。

 やめよう。

「色々あるんですよ?」

 そう言って、エルフは後ろを向いた。椅子が、くるくると回るタイプの椅子だったらしく、エルフは後ろを向くと、グ、と言いながら脚を伸ばして、奥の方のデスクの上に置いてあったグラフのような物を、足の指を上手く使ってこちらへ足繰り寄せた。

 絶対に、クレームをつけてやる。

「これ、自分で見て下さい。そんで、自分で考えてくださいよ」

 そういって、見せられたものがこれなのだが、


タイプ

特徴・展開

内政・無双型

前世の知識(現代の農業、経営、科学、料理など)を活かして領地改革や事業を起こし、周囲を平伏させる。

溺愛・婚約破棄型

カスな婚約者(第一王子など)から見捨てられるが、さらに地位の高い人物(冷酷な魔王、隣国の皇太子、裏の権力者)に見初められて激しく溺愛される。

やり直し・ループ型

転生ではなく、一度本当に断罪・処刑された後、記憶を持ったまま幼少期や過去の時間に回帰タイムリープして人生をやり直す。

脳筋・物理破壊型

武術や魔法のトレーニングに特化し、破滅フラグを文字通り物理的な力や圧倒的な魔力で粉砕する。


 え〜、実にわかりやすい。

 早く、あのエルフをクビにしてAIを導入してくれれば、あんなやついらないのに。最悪、私が悪役令嬢に生まれ変わったとしても、あいつだけは殺してから、処刑されたい。もちろん、処刑なんてされたくはないけど、処刑されるとしたら、あいつらを殺してから処刑されたい。

「あ、でも、そんなにひどいのばっかりっていうわけでもないんですね」

「だから、最初から言ってるじゃん」

 じゃあ、先に見せてくれよ。

 いちいち、無駄に長い耳がビヨンビヨンと上下に動く。鬱陶しい。そもそも、耳が長いことに意味があるのか?象の耳は体温調節に使うって言うけれども、こいつらの耳は何の役にも立たない。まあ、その耳で体温調節しているのかも、と思うと少し面白いかもしれない。

 まあ、所詮は非合理的な劣等種に過ぎない。そっちのホモ・サピエンスが他の人類の殲滅を行わなかったから、意味のない多様性が生まれたのだ。

「ここから選べるんですか?」

 しかし、改めてこのグラフを見てみると、前世での知識が必要だったり脳筋タイプにならなければいけなかったり、悪役を背負わされるだけになったりもう一回死ななければいけなかったり。

 やっぱり、良くないのでは?

「やっぱり、他に選べないんですか?」

「いいですけど、蛹とかになりますよ?」

「え、蛹ですか?蝶になれるってことですか?」

 虫の中なら、悪くはないかもしれない。

 って、

「人間じゃないんですか?」

「あなた達知らないと思いますけど、仏教での転生っていうのは、まあ簡単に言えば罪滅ぼしみたいなもんで、転生ってものから抜け出すために、人が悟りを開くとかって言うんですよ。徳を積んで、まあ、欲を捨ててそのまま死んで終わるっていうのが、理想なんですよね」

 相変わらず、まったくこちらと目を合わせずに説明をしてくる。

「なんで、人間になれるのは一番いいことらしいですから。なので、あなたは運がいいほうですよ。とはいっても、まあ、最近はこっちも時代に合わせているんです。人間が増えすぎて場所がないので、こっちが異世界なんてものを作ってあげたんですよ」

 まさかの、ここで異世界創生秘話が聞けるとは。

「なので、諦めて下さい。蛹になるか、悪役令嬢になるか、それか、ただのゴミとかになる可能性もあるんですから」

「蛹って、なんの蛹ですか?」

「蛹は蛹ですよ。蛹として生まれて、蛹のまま死にます」

 意味がわからない。

 何になるかもわからずに、何にもならずに死ぬってことなのか?

 それは、あまりにもひどい。悪役令嬢になるよりはマシかと思ったが、やはり、人間しか勝たん、ということなのか。

「その、悪役令嬢の中でも、この中から選べるってことですか?」

「まあいいですけど、選ぶなら転生してからもっと苦労することになりますよ。目が見えないとか、」

 まあ、あんまり言って良いことではないが、急に目が見えなくなるのは困る。物理型になったら、力を制御できずに城を破壊する、とかもありえるかもしれない。

 生まれ変わるなら、物理型が一番いいかもしれない、と思っていたところなのに、

「じゃあ、いいですよ」

 エルフのパソコンをカタカタと叩く音が止む。そして、目を細めながらこちらを見てくる。ようやく、目が合った。そして、よいしょ、と言って組んでいた足をストンと下ろした。

「結局、みんなそうなるんですよ。あの、私時間を無駄にしましたよね?あなたは、いいですよ。これから楽しい人生があるんだから。私は、ずっとここですよ。出会いも無いし、休みの日も、結局眠るだけ。人生一回無駄にしたんでしょ?じゃあ、もう一回無駄にしてくればいいじゃん。私の人生と交換してほしいですよ」

 私の体が段々と薄くなってきた。

「クソっ、」

「クソって、なんですか?!仕事でしょ?」

「どうぞ、二回目の人生、楽しんできてくださ〜い」

 適当に仕事を済ませると、またパソコンをカタカタと叩き始めた。そこに、今度は私と同い年くらいの男性が並んだ。

 せっかくなら、ハズレの列ですよ、と伝えてあげればよかったかもしれないが、他の列も信じられないくらい混んでいたことを思い出す。

 どうせ、もう会うことはないんだ。

 あのエルフを見返せる人生を送るんだ。

 悪役令嬢だって、きっと、夢を見ていいはずだよわね。

 だわよね、か?だよわね、だよねわ、よねだわ、よわだね、・・・

 わからん。

 慣れない言葉遣いだ。転生前に、練習しておけばよかったかもしれない。

 しかしまあ、これからの生活に期待大だな。

 きっと、素晴らしい悪役令嬢ライフが待っているはずだもの。


見てくれてありがとうございます。

主人公の出番はこれからですから、どうぞ気長にお願いします。

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