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初恋を拗らせました、想いを断ち切る為に、告白をします!!  作者: 真綾


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文字数まばらでごめんなさい!!

 野球ばっかりやっていた人生で、突然野球ができなくなって他のことを選ばなきゃいけないってなった時、俺は自分の中に何も持っていないって改めた。


 プロ野球選手になれなくても、高校まで全力で挑みたかった夢を砕かれた俺は、素直にグレなかっただけ偉い。進路に悩んだ時も両親は好きにしていいだったから、今の会社を選んだ。


 精密機器の営業担当をしていて、ディスクには誰かいる時と、いない時の差がある激しかった。


「最近の相川君楽しそう」


 同期で俺と営業争いをしている深井実里がディスク越しに不思議そうに人の顔を眺めていた。人当たりもよく、利用者の気持ちを汲む力が強い不動は、新規顧客を開拓してくるのがうまい。


「つまらなさそうに仕事していたってわけか」


「今までは型にはまった感じだったの」


「不動みたく人当たりいい訳じゃないから」


 長い髪を後ろで一つに縛り、流行の化粧などをするわけでもなく、シンプルに化粧も服装もまとめている不動。外見だけが“仕事のできる男“の俺とは正反対のしっかりしていて頼り甲斐のある先輩そのもの。新人指導も割と不動につくことが多く、彼女を慕う後輩は多かった。


「そうか、深井には俺が楽しそうに見えるのか」


 再会が嬉しかった。数ヶ月たってもニコニコ仕事しているなんて俺は子供か。

確かに侑真も可愛い弟の感覚。めちゃくちゃ押しが強いけど。


「違うよ、馬鹿にしたわけじゃないから」


「大丈夫、深井が人の神経逆撫でするタイプじゃないのは知ってる」


 ディスクには二人だけしかいない。営業事務の子も離席しているみたいだった。


「相川君が他人のことからかうのめずらしいね」


「そうかな」


「そうだよ。こうやって雑談するのもあまりないじゃない」


 下手に恋愛感情を持たれたくなくて一定の距離を図ることは確かにあった。数ヶ月前恋人と別れ話をしていたのを見られてカミングアウトをしてきてくれた後輩もあれ以降必要以上に話しかけてくることはなかった。


「相川君は見た目がいいのに話しかけにくい」


「見た目がいいなんて初めて言われた」


「飲みの席でも話しかけるなオーラ出てるから、そういうのも言えないんだよ」


 はて?俺はそんなに怖い雰囲気を醸し出していたのかしら。

陽翔は変わらず俺に親しくしてくれている。最近では侑真が邪魔しないで、二人きりで飲める日も時々ある。正直嬉しい。


 会っているときは一度も奥さんの話をしたことがない。逆にうまくいっていないのかもしれない。今度聞いて見た方がいいかな。


「これから飲みの席とかは気をつけるよ」


「意外過ぎて驚くしかないんだけど、最近いいことあったの」


「高校時代の同級生に偶然再会して、時々飲みに行ってる」


 嘘は一つも言っていない。

俺の大切な友達。連絡を取り合わない期間も確かにあったけど。俺が勝手に恋心を抱いていているから、優しくされて舞い上がり、相手の気持ちに自分勝手な解釈で、一喜一憂している。


「仕事終わりに楽しそうにしている日は、飲みに行ってるってこと?」


「?多分そうなんじゃないかな」


 そんなに分かりやすい人間じゃなかったはず。マウンドではポーカーフェイスじゃないといけない。誰にも本音を伝えることができない。


 唯一わかるとしたら一球一球を受け取るキャッチャーだけ。


「考え事してる?」


 ディスクの反対側から心配そうな瞳を向けてくる。深井に見つめられたらドキドキすべきなのかもしれない。社内でも人気がある彼女。後輩の面倒見の良さから、後輩から思いを寄せられることが多いと聞いている。


「ごめん。そんなに分かりやすく行動にしていたかなって」


「車内でも噂に鳴ってるんだよ。自分のことをあまり口に出さない相川君が最近浮かれてるみたいだから女でも出来たんじゃないかって」


 女が出来たわけじゃない。好きな人に再会しただけ。


 俺は口に出せないセリフを思い浮かべ、頬に熱が集まるのを感じる。岩石のように固まった気持ちを簡単に伝えたい反面、自分の一言で簡単に崩れ去る関係ならもう少し甘えていたいと考えてしまう。


「冗談で、言ったんだけど、本当なの」


「何が」


「好きな人ができたって」


「できた・・・そうだねできた」


 男とも女とも言っていない。伝えてしまえば今後会社に居づらくなってしまう。俺が好きなのは小学校の頃からただ一人。陽翔だけ。


「嘘、まじで?ずっと一緒に仕事してきたのに全く気が付かなかった」


「仕事中は基本的に俺ポーカーフェイスなんだろ」


「そうだけど、浮かれているのが恋愛だったなんて想像つかなかった」


「俺が恋愛するとは思わなかった?」


「恋愛に興味ない人間だと思ってた」


 興味ゼロではない。人並みに恋愛経験はあると思う。


 女性に恋心を抱いたことはないけど。


 俺は、クズだ。いい人を装っているだけの、自己中。好きな人を求めつつ、愛してくれる人を側に置きたがっているだけ。侑真についても決着しっかりつけてあげないと。弄んだ心は傷つくかもしれない。取り返しのつかないことをしているなら、早めにケジメをつけてあげるべきだ。


「相川君に好きになってもらえる人が羨ましい」


「俺みたいなクズな男に好かれる方が大変だよ」


「鏡で自分のことしっかり見て言ってる?」


「毎朝見ているけど。俺告白された経験少ないけど」


 野球ばっかりやっていたせいもあるのか、あまり女子から言い寄られたことがない。むしろ陽翔の方が俺よりも呼び出しされてた気がする。


「皆、誰か決まった人がいるだろうからって、遠慮してたんですよ」


「何それ、初耳なんだけど」


「ご本人様に言えるわけないでしょ」


「でも、告白されても全員に応えられるわけじゃないし」


「全員に答えてたら、とんだ浮気者ね」


 それなら付き合っている人が居ながら、心はずっと違う人を追っている俺は浮気者ということになる。


 誰が俺のことを好きになるのか、愛してくれるのか。


 俺を好きだという侑真。子供の頃の幻影に惑わされてるだけだと、思ってしまう。


「深井ありがとう、気が付かせてくれて」


「お礼言われることなんて、言ってないけど」


「俺がどれだけクズか分かった」


「…?私クズだって一言も言ってないけど」


「見た目じゃなくて、内面がってこと」


 自分を好きだと言ってくれる人に優しい顔だけしていられない。俺よりも若い侑真に関してこれ以上俺に心をむけてもらうのが申し訳ない。


 俺は携帯の画面を開き、侑真にメッセージを送った。 

ここまで読んでいただきましてありがとうございます!!

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