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転生、いきなり最悪過ぎだよ!!  作者: 志位斗 茂家波
1章:冒険者になるために
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何事も実践が必要だそうで

今回の主人公、もしかして今まで作者が作った誰よりも不幸体質?

SIDEフレイ


 冒険者育成学園に入学してひと月ほどが経過した。


 成績的にも、どうやらフレイを含む学生たちはあと3,4カ月ほどすれば卒業が見込めるらしい。


 ただまぁ、時間が経過してくると、だんだん個人差がはっきりと出てきているそうだ。




「ちくしょう!なんでこうもうまくいかねぇんだ!!」

「この魔法でこうすればいいんじゃねぇか!?なんで0点なんだよ!」


 あちこちで文句を言っている人や、悔しがる人などがちらほら見受けられる。


 それでも退学していないのは、冒険者になった時に通常は受けられないような優遇などがあるからだろう。



…‥‥一応、ちょっと興味を持ったのでナビリンに密かに鑑定機能などで調べてもらうと、どうもこの学園のちょうど半々で平民と貴族の数のバランスが取れているようだが、平民の方が卒業できる人が多いらしい。



 貴族出身の人達がなぜここにいるかと言うのは、単純に己を鍛えて冒険者という肩書を持ちつつ、立派な領主を目指すという者が少数で、大半が後を継げない次男、三男だから、冒険者となって一旗上げようとする輩が多いそうだ。


 中には長男でありながらも、その能力に問題があったために次期当主にはなれないなどと言われた人盛るようだが‥‥‥気にかける必要はないだろう。


【というか、鑑定して称号に『屑』などとついている人がいますからね。告げなくて当然という前に、そんな称号があろうがなかろうが素行(・・)によって速攻(・・)でわかりますよ】

(ナビリン、ちょっとシャレを言ったつもりか?)

【さぁ?なんのことやら】


 今何か、「素行」と「速攻」という「そ(っ)こう」の文字でのシャレがあったような‥‥‥ナビリンって本当にナビゲーションシステムというか、スキルのような存在だよね?人格が思いっきりあるようにしか思えないんだが。





 とにもかくにも、実力差が明確に出てきているのだけは確かである。


 そして友人ができていないという問題もあるんだよなぁ…‥‥誰か友人とかいてくれればいいのになぁ。




 そんなこんながありつつも、本日は少々学園から離れて、実践訓練と言う授業が行われることになった。


 内容はモンスターの討伐及びその討伐した証拠を持って帰ってくるという、若干放置した感じの授業だ。




「とはいえ、ズルして誰かから譲り受けたり、金で買ったりすればたちどころに足がついて分かってしまい、卒業が遅れるから注意しろよー」


 やややる気の無さそうな教員がそう告げ、皆はばらばらになってモンスターを探しに行くことになった。



 単純に何かモンスターを討伐すればいいが、そのモンスターがどの様な物かと言うのが重要らしい。


 ゴブリンなどの単純なモンスターであれば点数は低いが、それ以上の強さを持つモンスターであれば、実力が認められ、卒業までの期間が短くなるそうである。




「とはいえ、そう都合よくいのがでないんだよね」


 辺りをきょろきょろと見渡してみるが、モンスターを求めて探し回る生徒たちぐらいしか見ない。


 何かあればすぐに集まって、皆で討伐してしまうし……早い者勝ちのようなことがあるのだろう。



 となれば、ただ動いているだけでは意味はなく、何かしらの創意工夫が必要そうだ。



(あ、そうだ)


 そこでふと、フレイはある事を思いついた。


(ナビリン、「探知機能」を使って周辺のモンスターを探ってくれないか?)


 ナビリンの持つ機能の一つ、「探知機能」を使えばモンスターを見つけやすくなるはずである。


 こういう時にこそ、ナビゲーションシステムとしてのナビリンを活用するべきであろう。



【‥‥‥『探知機能』作動。これよりモンスターの探索を行います】


 フレイの考えを聞き、ナビリンが動き出した。



【範囲検索‥‥人間多数、モンスター少数。この位置では到達前に狩られる可能性99%。別の場所にもモンスター反応あり。こちらをお勧めいたします】

(わかったよ)


 頭の中に何となく浮かぶモンスターのところへ向かって、フレイは駆けだした。


 これである程度狩り、そして適当なものを持って帰ればこの授業はいい点が取れるはずである。



……楽勝だと思っていたが、この時フレイは気が付かなかった。


 この時ナビリンに頼んでいた探知対象は「モンスター」であり、ついでにその周囲にいる「人間」のみ。


 だが、それらとは異なる物は探知しておらず、気にもしていなかったのだ。


 悪魔でこれだけを確認すればいい、そう思っての事だったせいで‥‥‥。




 もしも、そこで気が付いていたら……ただでさえ友達ができていないこの状況に、歯止めが効いたかもしれなかったが、その時にはすでに遅かったのであった‥‥‥‥

……探知機能の「対象外は探知しない」という欠点。

シンプルに対象のみを狙っていたが、それ以外のものにも気を配るべきだったのだ。

でも、それに気が付くのは遅いのだ…ボッチ化が進行してしまう。

まぁ、次回に続く!!


…‥‥ナビリンもその事に気が付いていそうだけど、言っていないのはなんでかな?

面白そうだから黙っているのか、それとも純粋に気が付いていなかっただけか。

もしくはあくまで「スキル」として存在しているだけなのか。

どれもが当てはまりそうだけど…‥‥主人公がやや薄幸なのは変えようがない事実だから別に良いか。

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