なんでこういうのはいるのだろうか
テンプレって難しい。
ならば、そのテンプレを改造して見たらどうなるか?
そう悩んだ末に、なぜか今回のものになった。
SIDEフレイ
……スキルや称号で色々とんでもないものが発覚したが、ある程度の秘匿ができるのであればしておくに越したことはない。
いずれにせよ、将来的に炎龍帝の討伐を目論んでいる限り、何処かでバレるだろうが‥‥‥その時はその時だ。
とにもかくにも、色々な試験も検査も終えた今、後はその結果を待つだけである。
受けていた生徒たちが続々と待機場所に指定されていた学園の運動場と言う場所に集まる中、フレイの周囲は今…‥‥
「‥‥おい、あれか?あいつが検査官を星にしたのか?」
「ああ、何処かへ飛んでいったきり、行方不明にしてしまったそうだ」
「ここを卒業後に冒険者になるのは確定だろうが、その前に何人か消し去りそうだな…‥」
(……何かいろいろと酷い事を言われているような)
【単純にやり過ぎて目立っただけで、フレイの自業自得です】
フレイの心中のつぶやきに、ナビリンがツッコミを入れる。
どうも検査官の一人をふっ飛ばしたことなどが原因か、周囲の人たちが遠ざかってしまったのである。
……いやまぁ、この学園を数カ月で卒業し、冒険者としてきちんと始めようとする目標があるから、ここで学友を得ようがえまいがどうでもいいのだが‥‥‥こうもあからさまに避けられるのはちょっと精神的にきつい。
こうなったのも炎龍帝の訓練だし…‥‥将来、絶対にぶっ倒すか。
責任転嫁と言うべきか、この状況の責任を炎龍帝に押し付け、心の中でそう誓うフレイ。
まぁ、そんな物騒な言われようであれば、何かと絡んで来ようと考える阿呆なやつなどいる訳が…‥‥
「おい、そこの平民!!」
「‥‥‥」
突然呼びつけられ、ちらっと見てみれば、そこにいたのはガタイの良いおっさん・・・・・のように老けている同年代程のはずの男児に、その周囲に群がる取りまきたちらしい者たち。
あえて気が付かないふりをしてみると‥‥‥
「おい!聞こえていないのかそこのへいみん!!」
「‥‥‥」
「だからおい!!聞こえているだろうが!!」
…‥‥ああ、いたな、ものすごい阿呆がそこにいたな。
「‥‥‥平民って、もしかして俺の事かな?」
仕方がなしに振り返ってそう答えて見れば、ようやく伝わったのかとイライラした目でその阿保は言葉を続けた。
「ああ、そうだ!貴様のような奴が検査官をお星さまにしたのだとか、明らかに誇張しすぎたような話を聞いたからな!今回の入学者の中ですごいのはこの俺様に決まっているのに、そんなやろうがいるとはおもえない!!」
ずばびしっと指をさしてそう堂々と言ったが…‥‥滑稽にしか見えない。
と言うか、平民と強調して読んでいる辺り、何処かおごり高ぶった大馬鹿野郎なのだろうか?
「そこで俺様はその怪しい話しの審議を知るために、貴様に決闘を申し込む!!いくら何でも人を星にできるほどふっ飛ばせるとは考えがいからな!!」
どやぁぁぁっと殴りたくなるような顔で、そう述べた大馬鹿野郎。
こういう輩には先ほど確認したスキル「炎龍帝の咆哮 (プチ)」の実験台にしたいが‥‥‥それだと意味がない。
文字通り、身体にわからせたほうが良いであろう。
黙ったままフレイはその馬鹿に近づき、その胸ぐらをつかむ。
「お?」
突然つかんだせいか、あっけに取られる大馬鹿野郎であったが…‥‥次の瞬間、彼の体はその場から消えていた。
いや、気が付いたときには…‥‥上空に飛んでいたのである。
「おわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
ただ単に、フレイは大馬鹿野郎を真上に投げ飛ばしたのだが…‥‥悲鳴が聞こえるところからして、しっかりと効果はあったようだ。
落下してきたところで、ジャンプして受け止め、そのまま地上にズンッと着地する。
「‥‥‥で、決闘を俺と受けるんだっけか?」
突然のできごとに周囲が唖然とする中、フレイは大馬鹿野郎に確認を取るために声をかけたが‥‥‥
「あ」
白目をむき、あぶくを拭いてその馬鹿は気絶していたのであった。
疑い深いようだったし、真上に投げて腕力を確認してもらっただけだが‥‥‥ひもなし逆バンジーは刺激が強すぎたのだろうか?
大馬鹿野郎の取りまきたちが我を取り戻し、えっさほいさっと連れて行くのに、それから数分はかかったのであった‥‥‥‥
……ひもなし逆バンジーと言うよりも、たかいたかいのほうかな?
まぁ、漢字で書くと「高い高い」じゃなくて、一歩間違えて「他界他界」しそうだが。
とにもかくにも、退けたはいいけど‥‥‥こういうのって、根に持ったりするからな。
第2のでぶでぶ饅頭祭りの予感がしつつ、次回に続く!!




