信長と本能寺の変
ラストです。
信長が消えてから数ヶ月が経った。
国内から戦の傷跡が消え始めた。
誰がこの国を治めるのかが焦点となっていたがなんと秀吉が安土城内に監禁されていたのを見つけ救出した。
清洲城に集まると秀吉は話だした。
「殿が俺に後を任せると言ったんだ」と涙ながらに訴えた。
「ふざけるな、お前が殿を攻撃したのは知っているんだ」と勝家が怒鳴ったが、
「俺は知らない、ずっと安土の牢に入れられていたんだ」と言い張った。
「取り敢えず、殿もご子息もおられんさらに光秀殿まで消えた、これではどうしていいのかわからん」と恒興が言った。
「なぜ光秀殿が関係ある?」と秀吉が聞くと、
「義兄弟の契りを結んだと殿が話していた」と答えた。
秀吉は腹わたが煮えくりかえる思いだがぐっと堪えた。
「それで殿には誰がなるんだ?」と勝家が言うと、
「織田の人間に頼むしかないだろ」と恒興は答える。
そのやり取りを黙って聞いていた利家、長秀は席を立ち出て行こうとした。
「どこへ行く?」と恒興が言うと、
「まだ殿が死んだとは決まっていない、殿が死んだのを確認するまでは殿は変わらん」と言うと出て行ってしまった。
勝家も恒興も恥ずかしくなり、
「俺たちも行くか」と言うと席を立った。
これを喜んだ秀吉は立ち上がり、「官兵衛いるか?」と呼んだ。
すると物陰から静かに官兵衛が出てきた。
「お前の言った通りだった」と秀吉は笑いながら言った。
「はい、信長は消えましたので次の天下は秀吉様です」
「しかし信長殿が生きていたら驚くだろうな」
「そうでしょうな、首を切り落としたのですから」
「殿が俺の首を斬るときためらったのだろうか」
「そこまではわかりません」と言うと秀吉は不機嫌そうに、
「そうか」とだけ言って出て行った。
約一年間秀吉は皆を説得し続けた。
そして一年後再び清洲城に集まった。
「では今回は今後どうするのか決める」と恒興が言うと、
「俺は何人か代表を決めて合議制にするのが良いと思う、その中には当然柴田殿も入ってもらいたい」と秀吉が言った。
「それでよいと思うぞ」と皆が言うので勝家は断れずそれを受け入れる事にした。
こうして世に有名な清洲会議は秀吉の圧勝に終わった。
勝家は上杉領の隣を与えられたのでそこで過ごすこととなった。
「俺も歳をとったな」と一人酒を飲むことしか出来なかった。
世の中は平和だったのだ。
そこに謙信が遊びにきた。
「勝家、お互いが死ぬまで遊ぼうではないかもう年寄りはそんなに残ってないからな」
「そうだな、俺たちの時代は終わったな呑みますか?」
「あぁ死ぬまで呑もう」
光秀は大陸でようやく帰れる為の装置を見つけた。
「あのこの球を見せればいいと言われたのですが」
と装置の側にいた男に話しかけた。
「あなたの名前は?」
「はい、明智……毛利 良勝です」
「後ろの二人は?」
「嫁と嫁の姉です」
「登録はないがまぁいいだろう」と言うと三人を装置の中に入れた。
「なんじゃこれは?」と帰蝶は言っているが気にしない。
「それでは転送いたします」と言うと装置が動き出したのが分かった。
帰蝶が気を失い、お市、光秀と気を失った。
次に気がつくとどこかの研究所のようなところにいた。
「ここはどこじゃ?」と帰蝶は言うと、
「僕の世界です」と良勝が言った。
二人は目を合わせると、
「元に戻せ、殿に会いに行く」と駄々をこね始めた。
そこに研究員の女性が近づいてきた。
「あの、殿と言うのは?」
「戦国時代にいたので」
「わらわは戦国時代に帰る」
「何かあるのですか?お嬢さん?」
「旦那がおるのじゃ、元に戻せ」と膨れながら言った。
研究員の女性は良勝を見た。
「戻さないでください、戻すなら僕を……殿をこちらに連れてきます」
と言って機械に入ったが出された。
「所長の田所だ、君たちはしばらく監視下に置かれる、連れて行け」
と言うと、銃を構えて軍人が入ってきた。
お市は反抗しようとしたが良勝は止めて大人しくついて行った。
「この家を使ってください」
と丁寧に言われて家の中に入れられた。
三階建ての家であり中は洋式であった。
「しばらくしたら殿は助けるよ」と言ったが助けられるかは分からなかった。
帰蝶もお市も沈みがちだったが次第に元気を取り戻していった。
良勝は二人を残して研究所に忍び込んだ。
しかしすぐに捕まった。
連れられて行くと田所がいた。
「もう過去には行けない、それは分かってくれるかな?」
「しかし、殿が殺されてしまう」
「それはしょうがない事だ」
「駄目なんだ、本能寺の変は十年ずれているんだ」
「ちょっと待て、なぜそれを知っている?」
「殿は病気になった……」
「何を言っている?殿とは誰だ?」
「殿の名は織田 信長だ」
これには田所も驚いた。
「毛利さんは織田 信長に仕えていたのですか?」
「はい、名も貰いました」と言った後涙が流れたのが分かった。
「名は何というんだ」
「明智 光秀」
「そうか、そうなのか」と言い田所は喜び始めた。
「助けてやろう、織田 信長は必要だからな」
と言うと小さな銀色の球を取り出した。
「これで君は自由自在に時を超えれる、ただし使うのは信長を助ける事だけ、確か最後消えたのがここら辺だ」と言うと地図を映し出し指差した。
「分かりました」
「使い方はここのボタン押すだけ」
「はい、では行きます」と言うとボタンを押した。
目の前に馬に跨って傷だらけの信長がいた。
「そうか遂に幻覚が見えるようになったか」と言うと信長は馬から落ちた。
瞬間に良勝は走り寄り信長の身体に触るとボタンを押した。
戻ると研究所に医者がおり信長を運んで行った。
「これで君の仕事は終わりだもうお帰り」と言うと兵に連れて行かれた。
家に帰ると帰蝶とお市が心配そうに待っていた。
「殿は無事だと思う」と良勝が言うと帰蝶は泣き出した。
「あのこんな時に言うのもどうかと思うけどお市様、結婚して下さい」と言った。
「結婚?」とお市が返すと帰蝶は泣き止み、
「婚姻の事だ」と言っていた。
お市は真っ赤になりしばらくモジモジした後、
「はい……」と小さな声で答えた。
数ヶ月後
信長は無事だった。
新しい家が与えられ信長と帰蝶は引っ越しして行った。
良勝とお市は二人で過ごすこととなったが幸せだった。
こうして毛利 良勝の歴史での戦いは終わった。
天下は統一出来なかったが幸せになれたのは戦国時代のおかけだった。
余談だが信長は家庭の天下すら取れないでいるようだ……。
良勝も家庭での天下は取れそうにない……。
読んでいただきありがとうございます。
信長記はここで終わらせていただきます。
次は家康記になります。
少し時間かかりますがお待ちください。




