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一人の男は3回ノック、一拍休んで4回ノック。さらに一拍休んで3回ノックを扉にする。すると内側から女の声が聞こえてきた。
「今は配達は受け取らないよ」
「配達じゃない、寄付に来た。3アルム4アルトュム3メルタム。どうだ、受け取るか?」
「……待ちな」
少しの間空白の時間があり、二人は周りを緊張した面持ちできょろきょろと見回す。ガチャンとカギが開く音がすると、すぐに家の中へとなだれ込んだ。
「誰にもつけられていないだろうね」
「もちろんだとも」
彼女は40は越え、50に届きそうな見た目年齢をしている。だがしっかりとしたその体つきからは、若いころから肉体への研鑽を欠かしていないことを明確に示していた。もしかしたらもっともっと若い二人よりも鍛えているようにも見えた。




