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「おい、コラッ」
さんざん壊しつくしたあたりで、ようやく建物の2階から顔をのぞかせて、誰かが叫んでくる。
「頃合いだな」
「そうだな」
言い合いながらポケットの中を手でまさぐる。残っているのは1本か、あるいは2本。きっと敵方が攻めてくるだろう。そのときように残しておきたかった。だからこそ、二人は何もあらかじめ話し合うようなこともなく政府建物を背にして走り出す。
周りの反応は様々だ。おおよそは悲鳴を上げて逃げ惑うばかり。数人は拍手をして応援をし、また別の数人は徒党を組んで二人の逃げ道をふさごうとする。
「ここでつかまるもんかよ」
言いながら一人が爆発物をポケットから取り出し、火をつけるそぶりをした。とたん、さきほどのひがいをみていたせいか、一瞬隙が生まれる。その隙こそ、二人が逃げるための好機だった。




