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「そっちに逃げたぞ」
声が隊長にもはっきりと聞こえる。息荒く、それでも足を止めることはできない。ただ走って走って、敵の中枢へと駆けていくだけだ。声がどんどんと薄れていくが、それは遠くへとなったわけではないようだ。静かにして、隊長の足音を聞いているというのが真相のようだ。そのため、数分走っては少し止まり、再び数分走ってはまた止まるという行動になる。
「っくそ、ここまでか」
隊長の体力も限界を迎えつつある。5分も走り続けることは難しいだろう。一太刀浴びせて、自身も死ぬ、ということが今の隊長の望みだ。




