(?)207 楽しい会話
この章には、ダークな表現やややグロい表現が含まれる予定ですので注意して下さいm(__)m
(???)
◇◇◇
(アクアドリム:ルーク邸近郊)
「アレがターゲットのお屋敷?素敵じゃな〜い♡中にはたんまりとお宝もあるんだろ〜?こりゃ、最高だね!」
豊満な胸部を大きく揺らし飛び跳ねるのは、ダークパープルの爪と口紅の色が特徴的な美しい二十代くらいの女性だ。
大きく露出している肩と大きく開いている胸元を見れば、そういった商売をしている女性だと誤解されそうだが……目はまるで獲物を狙う恐ろしい捕食者の様で、とてもじゃないが『買う』『買わない』という関係が想像できない。
「アハハ〜!それよりも最高なのは、わんさかいる非力な従業員達っしょ〜!
大した抵抗なく楽しく遊べるなんて最高〜♬」
女の話に反応したのは、口には数え切れないくらいの口輪がついている、やたらパンチがきいた見た目をしている男性だ。
上半身は裸。
しかし体中に刻まれた入れ墨により、やたらと派手な服を着ている様に見える三十代半ばくらいのヒョロリとした体型の男性は、興奮した様子で荒い息を吐き出す。
「<レリカ>、<ナーフ>、興奮しすぎだぞ。」
二人をたしなめたのは、一際大きくて筋肉質な肉体を持った三十代前半くらいの男性だった。
赤みの強い茶髪を全てオールバックにし、衣服の乱れが一切ない黒を基調とした軽さ重視の戦闘用皮装備は、その男から隙という隙をなくしている様に見える。
勿論それは見てくれだけではなく、洗練された魔力反応と纏う強者のオーラからも、内面も同じく隙がないことが伺えた。
<レリカ>と呼ばれた女性と<ナーフ>と呼ばれた男性は、窘められて多少ふてくされた様子を見せる。
「固いこといわないでおくれよぉ、<ダレン>隊長。
伯爵家のお宝を手に入れる機会なんてめったにないんだから、興奮するのは仕方ないだろう?
ものすごい高価な宝石やドレスがたんまりあるんだろうねぇ。それを全部貰っちまっていいなんて、夢みたいだよぉ〜。
たかが非戦闘員の従者共を全員始末するだけで♡」
レリカは頬を包み込む様に触り、うっとりした表情をしていたが、ナーフが「ドレス?似合わねぇ〜♬」と言われたせいで、眉を潜めた。
「────あ”ぁ”?っんだと、こらぁ。仕事の前に、てめぇの金◯、腐らせてやろうか?」
「うわぁ〜ww相変わらず下品〜wwこれから楽しく楽しく使う予定なんだから、腐らせちゃイヤ〜ン♡」
ナーフは軽い感じで巫山戯て言っていたが、目は全く笑っておらず、これから始まるであろう一方的な蹂躙を思い浮かべ興奮し始めているようだった。
隊長と呼ばれていた<ダレン>は、そんな二人を見てハァ〜……と大きなため息をつき、痛む頭を抱える。
「全くお前らは……。実力は認めるが、どうも感情に走りすぎる所があるぞ。
────まぁ、今回の依頼は、非戦闘員の従者を全員始末するだけの簡単なモノだから多少巫山戯てもいいが……。
依頼人曰く『盗賊の仕業に見せかけたいから派手に殺せ』さえ守れば、屋敷の中のモノは好きにしていいとこことだ。」
「最高の依頼じゃないか〜♡フフッ!じゃあ、まずはこの間作った毒ガスで屋敷全体を囲ってみようかねぇ。
直ぐに死なない遅効性の毒♡
少しづつ少しづつ体に入り込み、その体はゆっくりと犯されて蝕まれていくんだ。
激しい嘔吐、下痢、耐え難い関節痛と高熱……体中の痛みにも悲鳴を上げる頃には、穴という穴から血が流れ始めて、最後は人間水風船みたいに浮腫んでいって────バンッ!♬
真っ赤な花火みたいに爆発してさ、本当に綺麗なんだよ〜♡」
「うへぇ〜……。それって前に血まみれになったヤツじゃん!
そのせいで全身真っ赤になって帰る羽目になって、最悪だったんだけど〜?」
「よく言うよ。それに興奮していたくせに。爆発した体に腰を振り続けていたド変態が。」
「お気に入りの部位を持ち帰ってコレクションにしているレリカにだけは言われたくなぁ〜い。」
二人は睨み合いながらお互い如何に相手がおかしいかを語るが、正直同じレベルだとダレンは思ったのか、またため息をついた。
「どうでもいいが他の奴らの分は残しておけよ?『楽しみは分け合って』が、人間関係には基本だからな。」
俺が後ろを振り返ると、他の数十人の仲間たちが『そ〜だそ〜だ!』と言わんばかりに、騒ぎ出す。
「そうっすよ〜。いつもレリカさんとナーフさんが派手に遊ぶから、俺達の遊ぶ分が少なくなるんすから。」
「今回も少しはとっておいて下さいね。ちなみに俺は若い女一択なんで!美人で巨乳の女でしばらく遊びたいで〜す。」
「俺も俺も!貴族の家の侍女ってレベル高いらしいじゃん?
好きにボコして犯して最後は散らかして放置していいなんて……なんて最高な依頼♡大ラッキー!今回は絶対に殺す前にもらいますからね。」
積年の恨みか、ジト〜とした目で睨んでくる仲間たちを見て、レリカとナーフは、降参といわんばかりに両手を挙げる。
「はいはい、悪かったよ。今回は残しておくからさぁ。
じゃあ、最初に屋敷にまく毒は神経麻痺の毒にしておくよ。意識があるまま上手く体が動かなくなるヤツ。」
「あっはっ♡いいじゃん、それ。逃げられない状態で襲われるなんて、怖くて怖くてたまらないんだろうなぁ〜。想像しただけで……イきそう♡」
高揚した様子で顔を赤らめるナーフに嫌悪感を抱くような仲間たちはおらず、寧ろ常人ならば吐き気がする様な惨劇を想像して、この場の全員が胸を高鳴らせている。
それが俺達の『常識』で『いつもの日常』。
結局『正当性』というものは、いかにそれが正しいかと思っている人間の数で決まるモノなのだから。
ダレンはご機嫌な自分の仲間たちを見渡し、気がつけば踊るように鳴っている自分の心臓を押さえた。




