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第十二話

 徹也達が少し歩くと、すぐにレイピアがあるところまでたどり着いた。すると、舞が置いてある一振りのレイピアを取り、鞘から抜いて構えてみせた。


「ど、どうかな……?」


(いや、どうって言われても……)


 徹也は、舞の問にどう答えたらいいのか分からず何も言えなかった。だが治伽が、徹也が答えられなかった舞の問に答えた。


「いいんじゃないの?様になってるわよ」


「そ、そうかな?さ、才無佐君はどう思う?」


「……え?あ、う、うん。いいと思うぞ。様になってる……」


 徹也は未だにどう答えればいいのか分からず、治伽の言ったことを丸々真似して言ってしまった。


「そ、そっか……!」


 だが、徹也のその言葉に、舞は嬉しそうに顔をほころばせた。どのような言葉であれ徹也に褒められたことが嬉しかったのだ。


「うん!これにする!」


「そ、そんな簡単に決めていいのか?」


「これがいいのっ!」


「ま、まぁ、小早川がよければいいんだが……」


 舞はニコニコとしながら構えていたレイピアを鞘に納めた。すると、治伽が徹也に話しかけた。


「次は私達の武器ね」


「ああ。まあ、暫定だけどな」


「片手剣って、これだよね?」


 舞がレイピアの隣にある片手剣を指さしてそう言った。そして、片手剣の前まで移動した徹也が、その片手剣を二振り取って一振りを治伽に渡した。


「暫定の武器でしかないから、取り敢えずこれでどうだ?」


 徹也にそう言われ、治伽は徹也からもらった片手剣を鞘から抜く。それで、その片手剣の感触を確かめた。


「……問題ないわね。違和感も少ないわ」


「……そうか」


 治伽がそう言ったのを聞いて、徹也も自分の持つ片手剣を鞘から抜いた。キラリと、その片手剣の刀身が光る。


(これが、真剣か……)


 徹也はそう思い、唾を飲み込んだ。元の世界では見ることもなかった、真剣。それが今徹也の手にある。……命を奪える、真剣が。


「……才無佐君?大丈夫……?」


 舞の心配そうな声に、徹也は気付いた。そして、考えを止めて舞に答えを返す。


「……ああ。大丈夫だ。早く騎士の人に見せに行こう」


「……そうね。そうしましょうか」


 徹也の言葉に治伽も賛同し、近くにいる騎士を探す。そして、少し離れてはいるが比較的近いところにクリスを発見し、そこに向かって歩き出した。


 そんな徹也と治伽を見て、舞は徹也のことを心配しながらも二人の後を追う。そして、三人揃ってクリスのところまで辿り着いた。


「クリスさん。武器、決まりました」


「そうですか。では、武器を見せてください」


 クリスのその言葉に従い、徹也はクリスに片手剣を見せた。すると、徹也の後に続いて治伽と舞も各々の武器をクリスに見せる。


「……才無佐君が片手剣ですね。望月さんも片手剣……。で、あなたは……」


「……あ、私の名前は小早川舞です。よろしくお願いします。クリスさん」


「私はクリスティーナ・スカーレットです。よろしくお願いしますね。小早川さん。それで、小早川さんはレイピアですね?」


「はい!そうです!」


「……確認しました。ですので、もう部屋に戻っていただいて大丈夫ですよ」


「分かりました」


 徹也はそう言いクリスに礼をした。そんな徹也に続いて、治伽と舞も礼をする。そして、顔を上げてからこの武器庫を出て各々の部屋に向かう。


 すると治伽が、徹也にだけ聞こえるような小さな声で、徹也に話しかけた。


「今晩、私が部屋に行くこと忘れてないわよね?私が来るまで、寝ないでね」


「……分かってる」


 徹也もまた小さな声で治伽にそう返した。そして、今度は舞にも聞こえるように先程よりも声を大きくして話し出す。


「……じゃあ、俺はここだから。またな」


「あ、うん!またね!才無佐君」


「ええ。また……」


 徹也はそうして治伽と舞と別れて、自分の部屋に戻ったのだった。


読んでくださりありがとうございます!

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