第44話 職業(ジョブ)登録
今回シルビアが選んだクエスト依頼は『東の森の更に奥に長寿の泉が湧いている。その水を持ち帰り、場所の報告をする』だ。
初めはオレもこの世界ならあるのかもしれないと思ったが、他のクエスト依頼を見る限り、ありえないと思い留まった。
ふと横を確認するとシルビアはもういなかった。
シルビアは登録しているライリィとルシエルに依頼の説明をしているミランダリィさんの元に行き一緒に説明を聞いていた。
折角なので、【馬車主】をそちらに行かせオレも聞いておくことにした。
クエスト依頼
通常の冒険者ギルドへの依頼の場合、まず依頼や目撃報告があれば確認の為【斥候依頼】が出る。その斥候からの報告により冒険者ギルドが判断して【討伐依頼】にするのか【採取依頼】にするのか、危険度ランクは何にするかを決める。
それをせずに【斥候】から【討伐】若しくは【捕獲】【採取】の判断と実行、【達成報告】【被害状況報告】まで、1つのパーティでやってしまうのが【クエスト依頼】である。
だが冒険者ギルドの依頼ボードに貼られているクエスト依頼は、依頼内容が大まか過ぎて時間が掛かる場合の依頼がほとんどだ。しかも、ほぼすべてのクエスト依頼が嘘なのだが、稀に本当の時があるので質の悪い冒険者ギルド泣かせの依頼でもある。
何故かというと貴族のダンスパーティや晩餐会で出る噂話で出た噂をそのまま依頼して来る場合がほとんどで、達成される事が無い依頼である。冒険者達も分かっているので手を出さない。
偶に一獲千金を夢見て手を出す冒険者もいるが、達成された事は無い。
例えば、○○森に幻のゴールデンゴブリンが現れたようだ。その存在を探して、討伐をし、持ち帰れ。とか、△△山にミスリルを産むガルーダが現れたようだ。その存在を探して、生け捕りで持ち帰れ。とか、××沼に100メートル級の主が現れた。その存在を探して、討伐をし、巣を掃討した後に持ち帰れ。など、依頼達成をした場所の報告まで必要な物が多い。
ありえない話が多く、場所もすべて人が入って行けない危険な場所の依頼だ。
但し、達成料も高く、依頼ボードに貼るだけでも手数料は取られるので、クエスト依頼を依頼ボードの貼る事は金持ち貴族のステータスでもあるようだ。
金額の高い達成料の依頼はボードに貼るだけでも高い金額が発生するからだ。
冒険者ギルド側も危険度をBランク以上に設定し、下位ランクの冒険者には駆け出しも多いので、間違って取ってしまわないように冒険者ギルドも配慮している。
冒険者ギルドの依頼には【討伐】【採取】【護衛】【斥候】の4つの人気依頼とは別に多岐に渡って依頼がある。
この世界は『魔法』や『スキル』が存在するため、生活の中でも色んな事に使われている。
家の営繕『土魔法』。土木工事、護岸工事『土魔法』『水魔法』。高所での清掃『水魔法』『風魔法』。料理は『火魔法』『水魔法』。食器造り『土魔法』。鍛治『火魔法』。など。
通常は営繕なら大工ギルド、料理は料理ギルド、工事は軍か土木ギルド、鍛治は鍛治ギルドという風に専門のギルドや軍の部署があるが、人が足らない時には冒険者ギルドにも依頼が貼り出される。そういった依頼は臨時依頼なので、割高な報酬という事もあり、割と人気の依頼であったりもする。
他にも鍵の紛失の時の『鍵開け』スキル。パーティ会場の護衛の助っ人や行き帰りの護衛。こういった護衛の依頼は上級貴族には軍から騎馬隊の護衛が出るので依頼されることは滅多に無いが、男爵や爵位の無い下級貴族からは偶にある。
他にも多岐に渡り依頼はある。何も毎回魔物と戦うだけが冒険者では無いのだ。
魔物を倒したり素材を獲るのがメインだが、冒険者ギルドも儲けないといけないので、色んな依頼に対応している。特に下位ランクの冒険者はそれで経済的に助かっている者も多い。
なので、事務処理の為の事務員は意外と多い。
ある程度ミランダリィさんの説明が終わったので、買取カウンターに行き買い取りをしてもらった。
金貨3000枚補充出来た。当分換金しないで済むように結構出してやった。未だに物価が分からないから多めにだとは思うけど。もうあんまり使う事も無いんだけどね。
シルビアとライリィとルシエルが学校に行くからっていうのもあるとは思うけど、ボルト達がそれ以上に張り切って獲ってくれるからね。楽でいいわ。ライリィの為だとボルトは張り切るもんね。
ミランダリィさんには金貨500枚、ライリィとルシエルには金貨100枚ずつ渡しておく。シルビアは持っているからいいだろう。
何も無ければいいが、何かあった時の為だ。
ライリィとルシエルは職業登録の説明も受けていた。
職業登録は後でするのだが、買い取りが終わるのを待つ間に説明してくれてたようだ。
登録も終わり冒険者カードも発行してもらったので、予定通り町の外に出た。
予定より時間は遅いが、まだ昼過ぎ。東の森に入る前に昼食を摂ってライリィとルシエルのレベルが15程度になれば戻ってくればいいだろう。
3時間程、ボルトに頑張ってもらってライリィがLV15、ルシエルがLV16、パルがLV12になったので町に戻る事にした。
まだ夕食には少し早かったので、ライリィとルシエルの職業登録をして宿に戻った。
名前: シルビア・クロスフォー
分類: 人間(人族)LV48
HP:1044/1044 MP:1013/1013 ATT1077 DFE1022 SPD1075
スキル:【鑑定】3/10【武器】6/10【収納】6/10【魔法】5/10【念話】6/10【隠形】2/10【感知】6/10
武器:【剣】5/10【斧】0/10【拳】1/10【槍】1/10【弓】2/10【杖】2/10
魔法:【火】4/10【水】4/10【木】3/10【土】2/10【雷】1/10【氷】1/10【光】1/10
職業:魔法剣士:【縮地法】【2段斬り】【魔法付加】
ビーストマスター:【魔物寄せ】【魔物除け】【調教】
ユニークスキル:【魔物使い】
称号:勇者の子
名前: ミランダリィ・サークルフォー
分類: 人間(人族)LV53
HP:443/443 MP:453/453 ATT410 DFE406 SPD400
スキル:【武器】5/10【魔法】6/10【隠形】2/10【感知】2/10
武器:【剣】5/10【斧】1/10【拳】1/10【槍】3/10【弓】3/10
魔法:【火】4/10【水】4/10【木】3/10【土】4/10
職業:剣士:【縮地法】【2段斬り】
戦士:【大楯】【2段斬り】【3段斬り】【筋力UP】【体力UP】【稲妻斬り】
魔術師:【魔力UP】
鍵師:【鍵開け】
ユニークスキル:
称号:
名前: ライリィ
分類: 獣人 (雷人)LV15
HP:121/121 MP:102/102 ATT132 DFE112 SPD131
スキル:【体術】3/10【武器】1/10【魔法】2/10【念話】1/10【隠形】2/10【気配感知】2/10
体術:【受け流し】2/10【瞬歩】3/10【正拳】3/10
武器:【剣】1/10【槍】1/10【弓】1/10
魔法:【火】1/10【水】1/10【木】1/10【土】1/10【風】1/10【雷】2/10
職業:武闘家:【旋風脚】【正拳突き】【瞬歩】
魔法拳士:【魔法拳】【魔法波】
ユニークスキル:【( )変形】【――】
称号:馬車の従者
【鑑定】
名前: ルシエル
分類: 天魔人(魔人)LV16
HP:98/98 MP:184/184 ATT77 DFE79 SPD80
スキル:【魔眼】3/10【天眼】3/10【武器】1/10【魔法】4/10【念話】1/10【隠形】2/10【魔力感知】2/10【気配感知】2/10
武器:【剣】1/10【槍】1/10【弓】2/10【杖】2/10
魔法:【火】3/10【水】4/10【木】4/10【土】4/10【闇】4/10【光】4/10【空間】1/10【回復】2/10【解毒】2/10
職業:魔術師:【魔力UP】
回復師:【魔力UP】
ユニークスキル:【天光】【地闇】
称号:馬車の従者
【鑑定】
名前: ディーディパル
分類: エアリアル(風の精霊)LV12
HP:78/78 MP:98/98 ATT55 DFE54 SPD74
スキル:【隠形】2/10【念話】1/10【武器】1/10【魔法】2/10【気配感知】2/10【魔力感知】2/10
魔法:【風】3/10【水】1/10【木】1/10【召喚】3/10
職業:召喚師:【魔力UP】【魔法陣】
ユニークスキル:【精霊の息吹】
称号: 馬車の従者
シルビアは今回は職業登録を2個にしたんだな。あとの奴らはどうなんだろ? ボルト達が強すぎてよくわかんないや。
他の冒険者を見る限り、F~Eあたりかな? Gが最低だからいいんじゃないか? 別に冒険者になる訳でも無いしね。ライリィは冒険者だったか、もう少し上げてもいいな。
ジョブはミランダリィさんのアドバイスもあったけど、自分達で決めさせた。
だってオレにも分からないし。
まずは学校みたいだし、レベルが上がればまた取れるし、今はこれぐらいでいいんじゃない。
キャリッジ冒険団にパーティ登録もしてるから、税金問題も解決さ。
でも、ミランダリィさんとシルビアを比べると称号のお陰での上がり方の違いがよくわかるよ。
勇者の称号は『子』でも凄いんだね。今度本物の勇者を【鑑定】してみたいね。
しかし、明日から本当に学校に行くのかな? 魔人の事は行きたくはないけど心配ではあるんだよ。
放って置くわけにはいかないのも分かってるんだけど、その辺どうなってるんだろ。ミランダリィさんは何か余裕みたいだけど。
ミランダリィさんに宿で部屋を取ったら、一度話がしたいので来てもらうように頼んだ。
宿にはシルビア、ミランダリィさん、ライリィ、ルシエル、パル、キューちゃんが入って行き、ハヤテは厩舎へ。オレは宿の横の道で路駐。ボルトはオレの影の中。
食事を終えるとミランダリィさんが出て来てくれた。
「お待たせ馬車さん」
『いえ、こちらこそ無理を言ってすんません。相談できるのがミランダリィさんしかいないもので』
「いいわよ、どんどん相談してね。で、魔人の件かしら?」
『はいそうです。このまま放っておいてもいいんでしょうか』
「魔人を放って置くのは良くないわね。でも、今日トーラス伯爵の所に寄った時にね、軍が動いてくれるって教えてくれたわ」
『え? そうなんですか? なんで教えてくれなかったの? っていうか何でトーラス伯爵が知ってんの?』
「トーラス伯爵の所には、直接王都キュジャーグに連絡が取れる魔道具があるみたいなの。それで私達が王都に行く事は伝えてくれてたみたいなんだけど、こっちに戻って来ちゃったでしょ? それで事情を聞かれて話したら軍を出してくれる話になったの」
『そうなんですか、もっと早く教えて欲しかったですね』
「あの子達の前では言い難かったのよね」
『いえ、言ってくれた方が良かったと思いますが』
「そう? まぁいいじゃないの。話はそれだけ?」
『はい、軍が出るというならオレ達が行く必要も無いですし、それだけです』
「じゃあ、また明日ね」
『はい、おやすみ』
なんなんだろうね、頼りになるのかならないのか。よくわかんない人だよ。
魔道具ってなんだ? ラノベ知識では知ってたけど、どんなのがあるんだろ。
収納バッグも確か魔道具に入るよな。あと知識であるものだと何があったっけ?
明日、3人を学校に送ったらミランダリィさんに連れて行ってもらおうか。
そういう事ならミランダリィさんも頼りになりそうだ。でも、いつまで一緒にいる気だろね。




