第21話 ダンジョン前の戦闘
町を出てまた東の森に向かった。
アーサー事務長に貰った周辺地図だと昨日行ってた所よりまだ南側のようなので、ダンジョンが真東の位置になる所まで南に向かって走った。
あれ? なんかおかしくない? なんでオレまでダンジョンに行くことになってんの?
そもそも東の森に入る事もできないし、オレが行く必要も無いじゃん。
ハーフエルフの登場で浮かれて、なーんとなく流れで来てしまったよ。
『さぁて、ここから森に入って真東に行けばダンジョンがあるみたいだけど、オレって馬車だから森に入れないじゃん? 残念だなー、ボルトの首輪の素材も獲って来てやりたかったんだけどなー。日も暮れて来たことだしなぁ。』
これでオレは留守番決定だな、OKOK。
『主殿、それは我にお任せください。我が先頭に立って木を踏み倒して行きましょう。夜だからというのは我らには関係ありません。』
ボルトがオレの影から出て来る。
「そこは自分の出番でしょう。【疾風】を見せる時が来ましたね。」
ハヤテも主張してくる。
キュキュ『あるじ様~、ボクがシュパって斬るよー。』
キューちゃんがそう言って馬車を引くハヤテの頭に乗った。
『・・・・。』
どうとでもなるのね、凄いよ君たちは。
『じ、じゃあ、ハヤテに頼もうかな。【疾風】も、一度見てみたいしね。』
「わかりました。へっへ、悪いね2人共。」
『むぅ、仕方あるまい。主殿の指名だ、しっかりと役目を果たせよ。』
「わかってるよ。」
キュキュ『ボクがやりたかったなー。』
『キューちゃんはまた今度見せてもらうからね。』
『わかったー』キュキュキュー
キューちゃんはいいんだよ、可愛いキャラでいてくれ。
「では主様行きますよー。ボルトの旦那は影に潜っててくれ、キューちゃんは荷台な。シルビアちゃんも振り落とされんなよー。【疾風】!」
ハヤテが【疾風】を発動すると、風が巻き起こり竜巻へと変わって行く。
オレ達は竜巻の中心にいるから風の影響は全く無い。
「行くぜー!」
ハヤテは掛け声と共に森に向かって突っ込んで行く。木はハヤテに当たる前に吹き飛ばされて行く。それも森の入り口の所だけ。
あれ? 浮いてる? おい、浮いてるよー。っていうか飛んでるんじゃない?
【疾風】を使ったハヤテは竜巻の中心となり、飛んで東の森のダンジョンを目指している。
「うわー、飛んでるねー。凄ーい、こんなの初めてー。」
オレの下方向画面には下の方に森が映っている。普段はあまり必要ない画面だが、こういう事で役立つとは思わなかったよ。シルビアも喜んでるけど、あまり驚かないよね。泣いたのも見た事ないし、度胸があるよね。オレは高所恐怖症って訳でも無いけど、怖えーよ。
30分もするとダンジョンに着いた。オレが場所を指示してハヤテがダンジョン前の少し開けた所に着陸した。ここが一番魔物が少なかったんだよ。
オレの画面には無数の魔物が映ってる。全部に名前とレベルが貼り付いてる。放っておいてもらえないみたいだな、魔物達が近寄って来るのが分かる。
『ボルト、凄い魔物の数だ。どうする?』
『我にお任せください。しかし全方向は難しいですな、ハヤテとキュートも手伝え。』
『わかったー。』キュキュキュ
「主様、【バング】を外してください。」
『お、おお。』
「私もやるよー。」
『シルビアは乗ってた方がレベルが上がるんじゃないのか?』
『いいよ、そんなの。自分で稼ぐ。』
《もうパーティメンバーですから経験値は入ります。》
『あ、そう。パーティだから入るんだって。』
ハヤテの【バング】も外してやった。
移動経験値のレベルアップが始まった。
皆が戦ってるから戦闘経験値のレベルアップも途中で入る。
見えてるけど、レベルアップの音とアナウンスでなーんも聞こえない状態になった。
ボルトは特大の雷魔法の1発放った後、続けてその周辺に10連続で中ぐらいの雷魔法を放ち突撃して行った。
10連続で放った雷魔法でも雷獣に進化直後に山に向けて放ったあのデカい雷魔法に匹敵する大きさだった。それに耐えた魔物がいたのでそいつらに向かって行った。
ハヤテはボルトと逆に向かいさっきの【疾風】を身に纏わず放っている。竜巻は外側の部分で魔物を切り裂いていく。それに耐えた者は竜巻に巻き込まれ上空に巻き上げられていく。
ボルトがオレの後ろ、ハヤテが前。キューちゃんは右側に向かって身体の色を変えながら色んな系統の魔法を放っている。相手の苦手な系統の魔法を選んで放っているようだ。
シルビア担当の左側はダンジョンがある方向であまり魔物も出て来なかったが、時折現れる魔物も雷か風でダメージを受けており、シルビアが簡単に斬っていく。
オレはその中心に居て、全く動く必要も無く見ているだけだ。ま、動いても戦えないんだけどね。良かった馬車で、こんな魔物達と戦いたくないわ。レベル30以下なんていねーし、多分上位種なんだろうな、あのボルトの雷やハヤテの【疾風】に耐える奴もいるんだからな。それを簡単にやっつけて行くキューちゃんって何者? しかもボルト達もそうだけど魔法詠唱してないよね。
《魔物は自分の中の魔素を練り上げて魔法を放ちますので詠唱は必要ありません。人間には魔素が体内にありませんので、それを周りから集めて形にしないといけないので詠唱が必要なのです。》
そうなのね、なーんとなくわかるよ。凄い奴らって事ぐらいは。でもシルビアみたいに詠唱してほしいよな、格好いいのに。
1時間後、オレの見える半径5キロの範囲から魔物の姿が無くなった。
ボルトもハヤテもキューちゃんも最後はオレの見えない所まで行ってたからどのぐらい倒したのか想像も付かない。相当な数を倒したと思う。オレの戦闘経験値のレベルも15上がったからね。皆もそれなりに上がったようだし、ホント凄過ぎ。
名前: なし
分類: 馬車
レベル:【戦闘】LV49 【移動】LV22 【速度】51キロ
LP:3960/3960 MP:3850/3850 SP:5002/5002
スキル:【鑑定】Max【フェロモン】96/100【ハーネス】Max【バング】Max【コマンド】3/10【亜空間収納】8/10【魔法】7/10【変身】9/10【回復地帯】5/10【結界】8/10【念話】5/10【召喚】Max【馬車長】7/10【錬金】6/10【料理】7/10【冒険者カード】Max【鑑定妨害】Max
魔法:【クリーン】Max【ライト】2/10【蜃気楼】5/10【潜行】3/10
召喚:【使い】Max
ユニークスキル:【育成】
称号:
従者契約:ボルト ハヤテ キュート
名前: シルビア・クロスフォー
分類: 人間(人族)LV43
HP:810/810 MP:780/825 ATT801 DFE787 SPD888
スキル:【鑑定】2/10【武器】5/10【収納】5/10【魔法】4/10【念話】3/10【隠形】2/10【感知】5/10
武器:【剣】5/10【斧】0/10【拳】1/10【槍】1/10【弓】2/10【杖】2/10
魔法:【火】3/10【水】3/10【木】2/10【土】1/10【雷】1/10【氷】1/10【光】0/10
ユニークスキル:【魔物使い】
称号:勇者の子
名前: ボルト
分類: 雷獣(魔獣)LV51
HP:5755/6121 MP:3444/6055 ATT6222 DFE6005 SPD6177
スキル:【牙】Max【隠形】9/10【念話】6/10【魔法】7/10【変身】3/10【眷属召喚】6/10【気配感知】8/10【魔力感知】8/10
魔法:【火】2/10【風】2/10【雷】9/10【闇】6/10
ユニークスキル:【影操作】【鑑定妨害】
称号:馬車の従者 ドラゴンキラー
名前: ハヤテ
分類: 疾風龍(龍)LV43
HP:3874/4343 MP:2633/4468 ATT4556 DFE4512 SPD11366
スキル:【牙】5/10【隠形】4/10【念話】2/10【魔法】8/10【変身】1/10【眷属召喚】1/10【気配感知】5/10【魔力感知】5/10
魔法:【火】1/10【風】Max【水】4/10【木】5/10【氷】3/10
ユニークスキル:【疾風】【鑑定妨害】
称号:馬車の従者
名前: キュート
分類: カーバンクル(新種)LV62
HP:1004/1004 MP:3566/7005 ATT1055 DFE1010 SPD1877
スキル:【牙】3/10【隠形】Max【念話】2/10【魔法】Max【気配感知】Max【魔力感知】Max
魔法:【火】Max【水】Max【風】Max【土】Max【雷】7/10【氷】7/10【回復】9/10【空間】1/10【光】1/10【闇】1/10
ユニークスキル:【属性変更】【鑑定遮断】
称号:馬車の従者
スゲー。誰の何を突っ込んでいいかわかんねー。お前ら強すぎー。
シルビアだって、インザーグの3倍強いぞ。インザーグでBなんだったらシルビアはどんぐらい凄いんだ? まだ8歳だぞ。ハヤテのスピード10000超えちゃったね。キューちゃんの魔法も基本4属性はカンストだし、何と言ってもボルトだな。どれが特別凄いって無いけど全部が平均して凄いよ。もう無敵だな。
あとオレ。さっきハヤテに【疾風】で飛んで来てもらった時、500キロ出てたみたいだ。早かったもんね。地面じゃなく空だからスピード感もマシだったけど、それでも怖かったよ。真下が見えるんだもん。自走速度51キロになったよ。もうハヤテがいるから自走することは無いと思うけど、早く走れるようになりました。100メートル走の王者でも時速40キロ程度だろ? 人間を超えちゃったね。超えなくてもいいから人間にしてくれー。
全員が戻って来たら食事にした。周囲を見る限り魔物もいないし、ボルト達もいないといってくれたから、今日はここで野営をして明日の朝から魔物の収穫をしてダンジョンを目指すことにした。
翌朝、朝食を終えると、ハヤテに引っ張ってもらい昨日倒した魔物の収穫に回った。
森の中なのに普通に移動出来た。なぜかって? そりゃ木が無くなってるからだよ。
どんだけ暴れまくったんだ? ボルトだけでも凄いのに、ハヤテとキューちゃんも凄かったもんな。みんな味方で良かったよ。
この辺りの魔物ランクが凄いからか、それとも居たけど粉々になったのかCクラス以下の魔物はいなかったよ。ボルトとハヤテとキューちゃんの自慢だらけの活躍の解説を聞きながらオレが収納して行く。収納に回るだけで昼になっちゃったよ。
前回獲ったAクラスのグリフォン、キングワイバーン、ヘルファウンドは普通にいたし、サンから頼まれてたガイゴもレッドエイトもいた。ファフニール、ラドン、ジュラン、キングバジリスク、キマイラ、バイコーン、ケンタウロスとミノタウロスは集落があったと自慢されたよ。1番自慢されたのがウシュムガルってデカい龍。ボルトの特大雷魔法を耐えたそうだ。それでもダメージを大分与えてたから楽勝で倒したと言ってたよ。デカい系ではギガンテスも居たが更にデカいジャンボギガースなんかは体長10メートル越え、同じぐらいの大きさでキュクロープス。こいつはデカいくせに速かったそうだ。あと目玉だらけのアルゴス、ゴグマゴグにティーターン、グレンデルなどなど。すべて収納しもちろん解体。今回から魔石も言うようになった。オレには必要ないんだけど隠し事をされるのも嫌なんだよね。ナビゲーターを昨夜問い詰めたら《言う必要がありませんでした。》って逃げられたけどね。魔石の色と大きさを言ってくれるようになったよ。
昼飯が終わったらダンジョンの入り口を確認して、さっさと帰ろう。
え? 中はって? それはボルトに行かせて1体だけ倒して戻って来てもらえばいいじゃん。どんな魔物がいたか分かればいいんだろ? ボルトも乗り気じゃないし、オレも入りたくないよ。馬車なんだから勘弁してくれよ。都合の良い時だけ馬車でーす。あー、馬車で良かった。・・・良くねーよ。




