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第183話 温泉での交渉

誤字報告ありがとうございます。


すみません、まだ本調子になりませんが

なるべく早めに次話もがんばります。

 一か月ほど馬車ダンジョンに籠って悩んだ。

 でも、そうそういい考えが思い浮かばない。


 それから気晴らしに、ハヤテに空の旅に連れて行ってもらったり、行った事のある町に寄ったりしたけどいい案も浮かばず、結局行きたくも無かったダンジョンに連れて行ってもらったりもした。資料も何度も読み直したり、他にも何かすればいい案でも浮かぶかと思って試してみたんだけど、特には思い浮かばなかった。


 そのお陰と言っては変だけど、モンスターキーは三本手に入った。ダンジョン核もシルビアが十個くれたよ。ホント、君達は何個ダンジョンを制覇してるんだろうね。

 理由は分からないけど、やっぱりオレがダンジョンに行くとゴールデンボスモンスターの出現率は高いみたい。


 因みに手に入ったモンスターキーは『ドラゴンキー』(C)、『氷系魔物の鍵』(I)、『炎系魔物の鍵』(M)だった。未だにAは出ていない。

 精霊の最高がBだったからドラゴンがAじゃないかと密かに思ってたんだけど違ったよ。


 なぜ気晴らしにダンジョンが入ってたかと言うと、よくよく考えるとオレには友達がいなかったんだよな。改めて思い知らされたよ。

 町も回ったりしたけど、すぐに二周目になったからね。


 メキドナの冒険者ギルドもまた行ったし、王都ではミランダリィさんの所に寄ったんだよ。

 いけ好かない息子が当主として頑張ってたけど、ミランダリィさんと会う事はできた。

 ちょうど女剣士のアンジー・ローウェルも来ていたから少しは話せたけど、二人に知ってる歴史を少し聞いて、王都の冒険者ギルドに寄ったら、もう他に行く所が思い浮かばなかったんだ。


 今挙げただけでも少ないと思うけど、それすら友達と呼べるのはミランダリィさんぐらい。

 この世界に来ても友達がいないってのは変わって無かったと思い知らされたよ。

 知ってると言えば、あとはエルフの里とパルの故郷ぐらいだけど、そんなに親しいわけでも無いから辞めておいた。

 極力、人との付き合いを避けて来た結果だから当然と言えば当然なんだけど、やっぱり寂しいよ。


 だから、ダンジョンに行く気になったんだよね。全く気は晴れないし、名案も思い付かなかったけどね。



「主様、今よろしいでしょうか」

 馬車ダンジョンで一人留守番で頑張っているミーナが尋ねて来た。


「ん? なに?」

「獣王国で少々問題がございまして、一緒にご足労願えませんでしょうか」

「何があったの?」

「温泉ダンジョンで問題があったようで」

「温泉ダンジョンで?」


 なんだろう、お湯が溢れて洪水になったとか?

 いや、あそこは上位精霊達が十体もいるんだから管理は完璧なはずなんだけど。

 それじゃ、混浴だの言い出した奴がいて喧嘩になってるとか? それはオレの管轄じゃないだろ、そんな事でオレを呼ぶ事も無いはずだ。

 ま、手詰まりで暇にしてるし、行ってみようか。


「わかった、今から?」

「はい、お願いします」


 ミーナを荷台に乗せて案内してもらい、ハヤテに曳かれて獣王国に転移した。ボルトも一緒だ。



 なんか獣人国って久し振りな気がする。実際、久し振りか。

 転送ダンジョンから出て『みんなの広場』で周囲を見渡しそう感じた。

 獣人国にいた時も、首都ダンジョンからあまり出る事も無かったからね。

 そう、こういう状況になるから。


 拝むなって!


 ブレインや一郎がどういう教育をしたらこうなったんだ?

 オレは神じゃねーっての!


 こういったバカな奴らはスルーして温泉ダンジョンに向かった。

 そろそろ居住区ダンジョンも広げてくれって言われてたな。この後で寄ってみるか。


 温泉ダンジョンに入ると一階層でももう湯気があちこちの部屋から立ち込めている。

 今は五階層にしてたっけ、後で一階層増やしたんだよな、豪華な風呂を作りたいってリクエストされたからさ。

 問題があるのはどの階層なんだろうね。


「ミーナ、どの階層で問題があったの?」

「……はっ、はい、さ、最下層でございます」


 なんかミーナの奴、うっとりしてた?

「ミーナ?」

「は、はい」

「どうしたの?」

「はい、主様の荷台に乗るのは生まれた頃に乗った以来でしたので、久し振りに主様に乗って感動しておりました」

 感動って、いつでも乗っていいのに。


「いつでも空いてれば乗ったらいいよ。問題は最下層なんだね」

「ありがとうございます! はい、最下層です!」


「ハヤテ?」

「了解っす」


 俺達は寄り道をせず、真っすぐに最下層に下りた。

 たしか、大きく作れと言われたから二五メートルプールぐらい大きく作ったはずだ。装飾は何もしてないけど、一郎達が後で装飾を施すとは言ってたけど……凄いね、どこの王様が入るんだってぐらいゴージャスになってるよ。

 よくもまぁ、これだけの宝石を持ち込んだなぁってぐらい全体がキンキラキンになってるよ。

 悪趣味だな、誰の趣味なんだろうな。うちのメンバーにはそういう奴はいなかったと思うんだけど。


「なんや、あんたが来るやなんて珍しいやないか」


 湯気の奥から聞こえてくる声の主は……やっぱり。


「精霊女王様? なんでこんな所に?」

 精霊女王が広い湯船に入っていた。

「主様……その、申し上げにくいのですが、精霊女王様はもう一か月はここに滞在されておられまして、流石に私共も困り果てておりました」

 精霊女王には聞こえないような小さな声でミーナが報告してくれた。


 一か月もいんの? 何やってんのこの大阪弁女は!


「ここはええとこやなぁ。温泉は気持ちええし、料理も美味い。精霊もおるから心地ええし、なんちゅーてもシャンプーとリンスがあるのがええわ」

「ミーナ?」

「はい、料理は私達メイドが提供させていただいております」

 何やらせてんの! ここはお前の家じゃねーって!


「何か御用だったのでしょうか」

「あー、そやそや、あんまり居心地が気持ち良すぎて忘れとったわ」

 用事があるなら先に終わらせようよ。


「あんた、最近えらい悪さしとるらしいやないか。色々聞こえてとんで。何のつもりやねん?」

「色々って何でしょう」

「そんな腹の探り合いなんかいらんねん! せっかく裸の付き合いでしゃべっとんねん、あんたも腹割ってしゃべり」

 たしかに精霊女王は裸だけど、少しは隠そうよ。うちの連中で見慣れてるとは言っても、こっちが恥ずかしくなるから隠してほしいな。眼福なのは否定しないけど。


「その前に、何か着ませんか? その…目のやり場に困りますから」

「ええがな、うちのナイスバディを見れて幸せやろ。あんたなんか眼中にないからなんぼ見てもええで、どうせ馬車やしな」

 イラっと来たが、ここで逆らってもいい事が無いのは分かってる。確かに事実だしなと自分を慰めて冷静さを取りもどす。冷静になるというより、馬車である自分を再認識させられ落ち込んだけどね。


「それで、御用というのは、色んな発明品の事でしょうか」

「そうや、それをさっさと言わんかいな。あんたのやってる発明は、この世界では禁忌に触れんのを分かってやっとんのか?」

「自動車の事ですか?」

「自動車ぐらいはええわ。なんやあのドローンとか夜魔斗っちゅーやつは。あれはアカンで」


 何の話をしてるんだ? ドローン? 夜魔斗? 何の事だろう。

「何の事か分からないのですが、なんですか、そのドローンとか夜魔斗って」

「あんたの子分がやっとる事や。なんやあんたの指示でやらしとんのとちゃうんかいな」

 子分って、メイド達の事か? そうだろうな、ドローンって飛行機みたいなもんだから、飛行船担当のハーティかゴディバがやらかしたのか?


「まぁ、量産せえへんねやったら見逃したるけど、なんであんなもん作らしたんや? うちら神々に喧嘩売るつもりか?」

「喧嘩なんか売るつもりなんてありませんけど、神様に会うためにはそうするしかないかと思ってたんです。日本の便利な文化を作れば神様が出て来るかと」

「それが喧嘩売っとるっちゅー事が分かってへんのかいな。まぁ、これ以上やらんかったらええねんけど、なんでそんなに神に会いたいんや?」


 え? この人本気で言ってる? 何度も言ったと思うんだけど。

「あの、まさかとは思いますが、オレの名前の件を忘れてませんよね?」

「え? 名前? ……ハッ! そそそんなん忘れるはずないやんか。うちを誰や思てんねん」

 あんただから心配なんだよ。絶対忘れてたよね。


「神様に会う事が出来たら、なんで馬車なのか質問しようと思ってたんです。人間になる方法が無いのかとか、オレの名前とか、色々聞きたかったんです」

「人間になぁ。無理ちゃうかな、名前は聞いとったるからもうちょい待っとき」

「もう、大分待ってますけど」

「そそそうやったか? そんな事ないと思うで」

「いいえ、随分待ってます。これ以上は待てません」

「ぐ、今日はえらい強気やないか。わかったで、この温泉をうちの専用にしてくれたら手ぇ打ったるわ。もちろん料理付きやで」

「……結構です、お断りします」

 なんでお前の面倒を見ないといけないんだよ! 約束も守れないのに誰が面倒見てやるかっての!


「なんでやねん! うちがこんなに頼んでんのに」

 何もあんたから頼まれてねーよ。命令されてるだけじゃねーかよ。

 あー、オレも大分やさぐれてきたな。もう精霊女王の相手をするのも疲れたよ。


「じゃあ、逆に神様を連れて来てくれたら、ここを精霊女王様専用として開放しますよ。如何ですか?」

「よっしゃ! 言質取ったでぇ。その言葉忘れんときや」

 はいはい、期待しないで待ってるよ。もし、連れて来てくれたとしても、もう一階層作って、この階層を最下層に持って行けばいいだけだからね。

 料理も沢山作って収納バッグに入れて渡せばいいだろ。誰も相手にする事は無いよ。


 精霊女王が消えた後、もしも精霊女王が神様を連れて来た時に備えて、身の回りを世話する係として、精霊を多めに追加しておいた。

 期待はしてないけど、備えはしておかないとね。


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